2020RAKハーフ:エチオピアのアバベル・イェシェネが女子ハーフマラソンの世界新記録でブリジッド・コスゲイの連勝記録を止める

大方の予想通り、女子ハーフマラソンの世界記録が今回のRAKハーフで更新された。

予想外だったのは、その世界新記録が女子マラソンの世界記録保持者であるケニアのブリジッド・コスゲイのものとならなかったことであった。

コスゲイは64:49で走りで、64:51の世界記録を更新したが、2019年のシカゴマラソンの2位のアバベル・イェシェネとの一騎打ちを制することができなかった。一方のイェシェネは64:31の世界新記録で優勝した。

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世界新のフィニッシュ

男子レースでは、先週のケニアクロスカントリー選手権で男子ハーフマラソン世界記録保持者のジョフリー・カムウォロルを破ったキビウォト・カンディが58:58で優勝し、自己記録を59:31から33秒更新した。

気温はスタート時に約19℃とやや暖かった(湿度59%)。

【RAKハーフ:男女トップ20】

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女子レース

コスゲイがシカゴで世界新を出した時の男子ペーサーであるジョフリー・ピエゴが今回もペーサーを務め、64:25ペースで走ることが計画されていたが、彼は最初の5kmを15:05(ハーフ63:32ペース)というハイペースで入った。驚くことにそこには9人の女子選手の集団が形成されていた。

しかし、その集団はすぐに崩れてしまう。ペーサーは次の5kmを15:12と、少しペースを落としたがコスゲイとイェシェネだけが10kmを30:17というハイペースで通過。そのまま2人はペーサーに引導されて15kmを45:39(この5km15:22)で通過。この時点でコスゲイの表情は苦しそうだった。

イェシェネは15kmからの5kmでペースを落としたものの(この5kmは15:30)、最初のペースが速かったため、2017年のバレンシアハーフでジョイシリン・ジェプコスゲイが記録した64:51の世界記録を難なく破った。一方、17ヶ月ぶりの敗戦となったコスゲイの記録は世界歴代2位の64:49、そして3人が66:00を切り、8人が67:00を破るハイレベルなレースとなった。

男子レース

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先頭を奪ったカンディ

ペーサーは5km13:50(ハーフ58:18ペース)の設定だったが、そのペーサーには誰もついていかなかった。そのペーサーは5kmを14:03、後続の先頭集団は14:08で通過した。

10kmでペーサーが抜け、先頭集団は28:07で通過。まだ多くの選手が集団にいたが、1ヶ月前にスペインのハーフで59:09の自己新を出したケニアのアレクサンダー・ムティソ(NDソフト)が12km過ぎにペースを上げて後続を15m引き離した。彼は15kmで2位に5秒の差をつけていたが、2位のカンディはあきらめず徐々に先頭との差を詰めた。

残り3kmほどでカンディがムティソをとらえ、最終的にはカンディが58:58の自己新で優勝、ムティソは59:16で2位。

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58分台ランナーの仲間入り

エチオピアのミュール・ワシフンは、昨年のロンドンマラソン(2:03:16)と同じ順位の3位に入り、またケニアのアルフレッド・バーカッチが59:49、ヴィンセント・ライモイ(国士舘大)が59:51が60:00を切った。

サブ60が5人というのはヴェイパーフライの時代のレースとしては珍しくないが、前回のRAKハーフではサブ60を11人が出した。その内の1人のジュリアン・ワンダースは前回59:13の欧州記録で4位に入ったが、今回は60:46の11位に終わった。

アバベル・イェシェネって誰?

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イェシェネは全力を出し切った

昨年のシカゴマラソンではイェシャネが2位で、そのレースで世界新を出したコスゲイの陰に隠れ、ダークホースとして今日のレースに出場した。 今では彼女は世界記録保持者となり、間違いなく地球上でトップクラスのランナーの1人となった。

彼女について我々は何を知っているか?現在28歳のイェシャネは2013年に10000mで30:35を走り、その年のモスクワ世界選手権で9位。彼女は2014年や2015年はあまり実績を残していなかったが、2016年には5000mでを14:41を走り、リオオリンピックでは14位だった。

リオオリンピック以降にトラックからロードレースに照準を変え、2017年にはハーフで67:21を記録。2018年9月のコペンハーゲンハーフで65:46のエチオピア記録を樹立(その記録は5か月後に破られた)。今回のレースの解説のジェフ・ワイトマンは、彼女を「ハーフマラソンのスペシャリスト」と呼んだが、彼女は2018年からマラソンにも力を入れている。

2018年12月のアブダビマラソン(第1回目の大会)で彼女は2:20:16で走って優勝(そのコースは後に200m短いことが判明した)して賞金10万ドルを獲得。2019年は東京マラソンで2:24:02の6位、シカゴでは2:20:51の自己新で2位に入った。

もう1つ注目すべき点は、コスゲイと同じくイェシャネの代理人はフェデリコ・ロサである。ロサはジェミマ・スムゴング、アスベル・キプロプ、リタ・ジェプトーなどのドーピング選手の代理人でもある。

コスゲイの連勝が“10”で途切れる

コスゲイは2018年10月のシカゴから公式戦10連勝を達成したが、その連勝は今回のレースで途切れた。とはいえ、ハーフ64:49は世界歴代2位であり、2か月後のロンドンマラソン2連覇に向けて好調を維持しているといえるだろう。

“女子ハーフマラソンの1年”はまだまだ続く

2月初めまでに、女子ハーフマラソンでは日本(新谷仁美)、韓国、ナミビア、カナダ(2回)の選手が自国の記録を更新した。イェシェネとコスゲイの2人が履いていたヴェイパーフライがそれらの記録を後押ししていることは間違いないが、今回のRAKハーフではエチオピア、ケニア、タンザニア(66:37)のハーフマラソンの記録が更新された。

2020年はまだ2ヶ月しか経過していない。

今回のコンディションは最高とはいえなかった

今回のスタート時の気温は19℃で、最高のコンディションとはいえなかった(ただし、風は弱かった)。前回のRAKハーフは2月上旬の2月8日に開催されたことからコンディションがよく、フィニッシュ時の気温は12℃だった。

 

レッツラン記事

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