世界陸連のセバスチャン・コー会長の未来の考え:ダイヤモンドリーグにおいての200m、3000mSC、三段跳、円盤投の削減について

WAのコミュニケーション・エグゼクティブ・ディレクターのジャッキー・ブロックー・ドイル氏は、DLの放映時間が90分間になることによって、放映権を持つテレビ局が生放送をする傾向が高まると話す。

「そのうちのいくつかは(放送時間内に)CMを入れた」

しかし、放映時間が90分間に短縮されることは、三段跳や円盤投が削除されたことを説明できるものではない。これらの種目は他の種目と同じ賞金が用意されているが、そもそもテレビではあまり放映されてこなかった種目である。(トラック種目と同時に行われているDLの中で)1人1人の競技者の全ての競技を放映することができないからだ。

【ダイヤモンドリーグにおける2020年実施種目の変更点】

種目 2019年DL 2020年DL 備考
200m 7大会開催 5大会開催 DLファイナルなし
3000mSC 5大会開催 5大会開催 DLファイナルなし
三段跳 5大会開催 1大会のみの開催 DLファイナルなし
円盤投 5大会開催 1大会のみの開催 DLファイナルなし
5000m 5大会開催 3000mに短縮して
7大会開催
DLファイナル開催

賞金が増額されるDLファイナルは開催されないが、2020年のDLにおいて200mと3000mSCに大きな変化はないだろう。

200mと3000mSCは男女ともに5大会で開催され、DL種目と同等の賞金が提供され、テレビ放映の時間に開催される。3000mSCは(非DLレースを含めると)2020年には2019年のDLよりも1レース多く開催される予定である。

これは元々計画されていたことではなかった。2019年3月のことを思い出してみよう。IAAFは2020年シーズンにDLを14 → 13大会に減らすと発表した。しかし、2018年と2019年のオスロDLとパリDLの観客動員数が改善されたのを受けて、大会数削減を撤回し、その代わりに2020年シーズンに中国で2つ目のDLを新設することを選択した(14 → 13 → 15大会開催に変更)。

その結果、2大会分の90分間のテレビ放映の枠を埋める必要が生まれた。そして、DLはそのために※200mと3000mSCを急遽必要とした。200mと3000mSCがDLの公式種目とほぼ同じ数のレースを行うにも関わらず、それらが非DLレースとして開催されるのは何故だろうか?(=DLポイントが付与されない=DLファイナルが開催されない)

(※)1大会しかDLで開催されない三段跳や円盤投とは違い、2020年シーズンの中国2大会目のDLとオスロDL、パリDLに男女200mと3000mSCをそれぞれ入れて補填したということ

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「特に2020年のDLファイナルは、それまでの2大会開催(ブリュッセルDL +チューリヒDL)から1大会開催(チューリヒDL)に集約したので、種目数が多すぎるという問題があった」

と、ドイル氏は話す。

「問題は各レースの時間の長さではなく、それぞれの選手入場、※セットアップ、選手紹介、レース、その後のミックスゾーンでの時間の合計のところにある。 200mは競技自体は20秒で終わるが、実際にそれらを含めると合計4〜5分かかる」

(※)短距離レースならスターティングブロックの調整とスタート確認、ハードルならそれに加えて飛越の確認、中長距離レースならレース前の流しなど

リオ五輪3000mSC銀メダリストで、DL評論家のエヴァン・ジェイガーは(DLにおいて)スタートラインでの選手紹介の時間や、その他の不要な時間を削減できると確信している。

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「競技間の隙間の時間、競技のハイライトやリプレイの時間、番組の冒頭の部分を短縮すればいいのでは」

と、彼は我々に話した。

「大会を(スムーズに行うために)バン!バン!バン!バン!バン!バン!(ピストルの音)と、競技間を詰めてコンパクトにする。 そうすれば、今までと同じ大会全体の長さでもより多くのエンターテイメントが提供できる」

そうこうしているうちに、2020年が始まっている。しかし、もっと多くの変革が行われる可能性もある。 DLは2020年シーズン終了後に各種目を再評価し直すが、DLの大会自体も再評価するだろう。2020年の各DLの大会において、観客動員数、視聴率、競技レベルなどそれぞれに達成目標の一定の基準がある。コー会長によれば、その基準を満たさない場合はDLの大会から降格するという。

「(大会ディレクターは)観客動員数がひどく落ち込んでいたオスロDLとパリDLの2大会に対して、我々(WA)と共に大会の運営を立て直す1年を設けた」

と、コー会長は話す。

「彼らが大会を再建できるかどうかについては推測の域にあり、確実に立て直せるという保証など無い」

また、2021年にDLが15大会より少なくなれば、200mと3000mSC(または、DLが2021年シーズンで公式種目からの削減を決定するかもしれない種目)の開催数がより少なくなる可能性もある。そうなれば、DLのテレビ放送が少なくなるとともに、それらの種目はDLでの非DL種目としての開催ではなく、コンチネンタルツアーでの開催に追いやられてしまう。

改革を進めるDLが、以前のDLから改善されているかどうかは、時間が経てばわかることである。コー会長とDLの大会ディレクターは、この点において信用に値する。少なくとも、彼らは何かを変えようと試行錯誤をしている。

彼らが行なっていることが正しいかどうかは議論の余地があるが、少なくとも現状にとどまることで、陸上競技が魔法のように人気を得ることはない。もし、90分間のテレビ放映に変更することによって多くのDLが開催されるならば、これらのDL公式種目削減の流れは、読者のあなたが三段跳または円盤投の選手でない限りは良い兆しであるといえるだろう。

 

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