過去4年間の男子サブテンと女子サブ2:27達成者数(公認大会のみ)の推移を以下の表にまとめました。WMMや五輪のマラソン観戦の参考になればと思います。
【過去4年間の男子サブテン達成者数】※WA記録室より
サブテン 達成者 |
ケニア🇰🇪 | エチオピア 🇪🇹 |
ケニア・エチオピア以外 | 非アフリカ系 | 日本🇯🇵 | |
2016 |
112名 (149回) |
73名 (98回) 65.2% |
29名 (39回) 25.9% |
10名 (12回) 8.9% |
5名 (6回) 4.5% |
5名 (6回) 4.5% |
2017 |
146名 (181回) |
84名 (106回) 57.5% |
36名 (42回) 24.7% |
26名 (33回) 17.8% |
13名 (14回) 8.9% |
9名 |
2018 | 160名 (210回) |
73名 (94回) 45.6% |
42名 (65回) 26.3% |
45名 (51回) 28.1% |
21名 (24回) 13.1% |
16名 |
2019 | 218名 (295回) |
90名 (124回) 41.3% |
68名 (99回) 31.2% |
60名 (72回) 27.5% |
18名 (19回) 8.3% |
8名 |
【補足】
・パーセンテージはサブテン達成者の総数に対しての割合
・カッコ内はサブテンが記録された総数(年間で複数回サブテンをする選手がいる)
・ボストンマラソンなどの非公認レースはノーカウント(2019年の非公認レースのサブテンは15回)
・非アフリカ系とは、アフリカ生まれでない選手を指す(アフリカからアフリカ以外の国へ国籍変更した以下の選手↓は非アフリカ系に含まない)
例:オズビレン(トルコ)、エルアバシ(バーレーン)、コリル(アメリカ)、A. タデッセ(スイス)、ネゲイジェ(オランダ)、B. アブディ(ベルギー)、ラシク(イタリア)など
【傾向】
・サブテンの達成者数はこの4年間で増加している。世界的に見ても、エチオピアの伸び率を見ても2016年から3年後の2019年にはほぼ倍増している。
・ケニア人の過去4年間のサブテン達成者の増加率は鈍い。これは、近年のドーピング規制強化の影響が出ていることが考えられる(これまでにケニアで潜在的にドーピングが蔓延してきた)。
・この2年間でケニア・エチオピア以外のアフリカ系のサブテンが増えた。
2018年:24名(27回)= バーレーン5名(5回)、エリトリア5名(5回)、モロッコ4名(6回)、ウガンダ4名(4回)…etc
2019年:42名(53回) = バーレーン7名(8回)、エリトリア8名(8回)、モロッコ7名(11回)、ウガンダ6名(7回)…etc
・日本人選手のサブテン達成者数は近年では東京マラソンの天候1つで大きな差をみせることがある。2018年:東京マラソンでの日本人のサブテン9名、2019年:東京マラソンでの日本人のサブテン0名=悪天候。それに加えて今年はMGC開催でベルリン、シカゴ、福岡国際等の日本人招待選手が減少し、サブテン達成者数が前年より少なくなった。
【日本人以外の非アフリカ系のサブテン】
2016年:なし
2017年:モーエン、ラップ、グリフィス、ガビウス(4名)
2018年:ラップ、J. ロバートソン、ゲラ、レヴィンス、ナート(5名)
2019年:モーエン、ナート、Z. ロバートソン、ホーキンス、董国建、アムドゥニ、パチェコ、ホフバウアー、チャディ、彭建華(10名)
※2019ボストンでのファウブル、ウォードのサブテンを除く
【トピック】
2016年
・ベルリン:エチオピア新(ベケレ:2:03:03 = 世界歴代2位 ※当時)
2017年
・モンツァ:Breaking2(キプチョゲ:2:00:25 ※非公認)
・福岡:欧州新記録(モーエン:2:05:48 = 非アフリカ系歴代1位)
2018年
・東京:日本新記録(設楽悠太:2:06:11)
・ベルリン:世界新記録(キプチョゲ:2:01:39)
・シカゴ:アジア新記録(大迫傑:2:05:50 = 非アフリカ系歴代2位)
・シカゴ:欧州新記録(ファラー:2:05:11)
・バレンシア:アジア新記録(エルアバシ:2:04:43)
2019年(12/17まで)
・ロンドン:エチオピア新(ゲレメウ:2:02:55 = 世界歴代2位 ※当時)
・ベルリン:エチオピア新(ベケレ:2:01:41 = 世界歴代2位)
・ウィーン:INEOS 1:59(キプチョゲ:1:59:40 ※非公認)
・バレンシア:欧州新記録(オズビレン:2:04:16)
【過去4年間の男子サブ2:0x達成者数】
サブ2:02 |
サブ2:03 |
サブ2:04 |
サブ2:05 |
|
2016年 |
0名 |
0名 |
4名(4回) |
7名(7回) |
2017年 |
0名 |
0名 |
3名(3回) |
4名(4回) |
2018年 |
1名(1回) |
1名(1回) |
1名(1回) |
14名(17回) |
2019年 |
1名(1回) |
4名(4回) |
9名(9回) |
16名(17回) |
※キプチョゲは2017年と2019年に非公認レースに出場(この表には含まない)
2019年はサブテン達成者に加えて、トップレベルも過去最高レベル。
【IAAFスコアリングテーブル1163点】
男子マラソン2:09:56、女子マラソン2:26:59
【過去4年間の女子サブ2:27達成者数】※WA記録室より
サブ2:27 |
ケニア 🇰🇪 |
エチオピア 🇪🇹 |
ケニア・エチオピア以外 | 非アフリカ系 | 日本 🇯🇵 |
|
2016 |
67名 (85回) |
17名 (22回) 25.4% |
33名 (44回) 49.3% |
17名 (19回) 25.4% |
12名 (13回) 18.0% |
8名 (8回) 11.9% |
2017 |
72名 (90回) |
27名 (31回) 37.5% |
29名 (43回) 40.3% |
16名 (16回) 22.2% |
13名 (13回) 18.1% |
6名 (6回) 8.3% |
2018 | 100名 (139回) |
22名 (35回) 22.0% |
49名 (67回) 49.0% |
29名 (37回) 29.0% |
20名 (23回) 20.0% |
7名 |
2019 | 136名 (182回) |
37名 (53回) 27.2% |
60名 (87回) 44.1% |
39名 (42回) 28.7% |
30名 (31回) 22.1% |
10名 |
【補足】
・パーセンテージはサブテン達成者の総数に対しての割合
・カッコ内はサブテンが記録された総数(年間で複数回サブテンをする選手がいる)
・ボストンマラソンなどの非公認レースはノーカウント(2019年の非公認レースのサブ2:27は7回)
・非アフリカ系とは、アフリカ生まれでない選手を指す
【傾向】
・サブ2:27の達成者数はこの4年間で増加し、2016年から3年後の2019年にはほぼ倍増しているが日本は微増にとどまっている。日本以外に非アフリカ勢のサブ2:27がこの2年で順調に増えている。
【日本人以外の非アフリカ系のサブ2:27】
2016年:4名
2017年:7名
2018年:13名
2019年:20名
【トピック】
2016年
・特になし
2017年
・ロンドン:ケニア新記録(ケイタニー:2:17:01 = 世界歴代2位 ※当時)
・ロンドン:エチオピア新記録(T. ディババ:2:17:56 = 世界歴代3位 ※当時)
・リオ五輪女子マラソン金のスムゴングがドーピング違反(EPO)で4年間の資格停止
2018年
・特になし
2019年
・ドバイ:エチオピア新(デゲファ:2:17:41 = 世界歴代4位 ※当時)
・リオ五輪女子マラソン銀のキルワがドーピング違反(EPO)で4年間の資格停止
・シカゴ:世界新記録(コスゲイ:2:14:04)
【過去4年間の女子サブ2:xx達成者数】
サブ2:15 |
サブ2:18 |
サブ2:19 |
サブ2:20 |
|
2016年 |
0名 |
0名 |
0名 |
1名(1回) |
2017年 |
0名 |
2名(2回) |
2名(3回) |
3名(4回) |
2018年 |
0名 |
0名(0回) |
6名(6回) |
11名(11回) |
2019年 |
1名(1回) |
3名(3回) |
7名(8回) |
12名(13回) |
2019年はサブ2:27達成者に加えて、トップレベルも過去最高レベル。