(過去記事)ポール・チェリモがIAAFの決定に反論:彼がニューヨークで初ハーフを走った理由とドーハ世界選手権で目指す姿

(2019年3月11日3月17日のLRC記事を基に日本語訳で構成)

2017年ロンドン世界選手権男子5000m決勝において、ヨミフ・ケジェルチャはハッピーマンではなかった。彼は3位からわずか0.21秒後ろの4位でメダルを逃し、その2年前の北京世界選手権と同じ順位に終わった。2016年ポートランド世界室内選手権男子3000mで優勝したものの、ケジェルチャはその夏のリオ五輪エチオピア代表に選出されなかった。ケジェルチャはそんな状況にしびれを切らしていた。

「ケジェルチャは、『ロードレースで会おう。もうトラックは走らないよ』と言っていたよ」と、ロンドン世界選手権男子5000m決勝でケジェルチャをやぶったポール・チェリモは話していた。

しかし、ケジェルチャはその状況に変化が必要だと考え、その数ヵ月後にナイキオレゴンプロジェクトへの加入が発表された。

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NOPとしてのデビューとなった2018年、ケジェルチャはバーミンガム世界室内選手権3000mで連覇を達成し、ブルュッセルでのDLファイナル5000mで12:46を出して自己記録を大幅更新。世界歴代7位のタイムをたたき出した。また、2019年3月3日には、ボストンで室内1マイルの世界記録3:47.01を出した。

戦略的レースとなって優勝記録がそれぞれ13:50と13:32だった2015年と2017年の2回の屋外の世界選手権でメダルを取り損ねたケジェルチャが、この冬を1500mと1マイルに絞って練習した理由を考えるのは、そう難しくないとチェリモは考えている。

「ヨミフは、“トップエンドスピード”がない(最大出力値が高くない)。彼の弱点であるトップエンドスピードを磨いてるんだろう」チェリモはそう話していた。

チェリモもある意味共感しているのだろう。チェリモのラストスパートは、2016年リオ五輪銀メダルと2017年ロンドン世界選手権の銅メダルを彼にもたらしたが、トラックの世界大会のない昨年で1番大きな大会だったブルュッセルDLファイナル5000m決勝では結果を残すことができなかった。

ケジェルチャは60、61秒とラップを刻み、同じエチオピアのセレモン・バレガ(優勝12:43)、ハゴス・ゲブリウェト(2位12:45)とともに12:40を出した。チェリモは12:57の6位に終わった。タイムだけ見ると6秒の自己記録更新となったのだか、チェリモの弱点を露呈した結果となってしまった。

ケジェルチャのように、弱点克服のために冬に集中的にトレーニングすることにした。しかし、それはチェリモにとっては“反対方向”に進むことを意味していた。この日曜日(2019年3月)に、チェリモはNYCハーフマラソンを走るのだ。彼にとっては初めてのハーフマラソンとなる。

「自分はスピードがない訳じゃない。筋力的なアプローチなんだ。ブルュッセルDLではそのタフさがなかった。今年は、その部分をトレーニングした方がいいと考えた。ケジェルチャは、それとは反対にスピードを磨いている」チェリモはそう話す。

ブルックリンのプロスペクトパークからマッハンタンのセントラルパークを走るコースは、特に高速コースというわけではない。スタートとゴールに上りがあり、マッハンタンブリッジもある。チェリモは特に考えることはなく、シンプルに優勝を狙っている。

2016年リオ五輪全米代表のジャレッド・ウォードやカナダのマラソン記録保持者キャム・レヴィンス、そしてディフェンディングチャンピオンのベン・トゥルーも出場する。結果に関わらず、チェリモがこの冬取り組んできた週100マイルの走り込みで得たタフさは、10月のドーバ世界選手権で報われると考えている。

「今シーズンは最初から飛ばしたくはない。ただ強くなりたい。」チェリモはそう話す。

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2019年NYCハーフでチェリモが招待選手としてエントリーされていることが発表された時、チェリモは「今度はマラソンで近い将来ニューヨークに戻ってきたい」と話した。今日のNYCハーフのプレスカンファレンスで、チェリモはマラソンへの転向願望を改めて話し、しかし転向は「急がないし具体的な予定は決まっていない」と付け加えた。

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2016年ポートランド世界室内選手権

「トラックでもう十分結果を残せたと思ったら、それがマラソンへ転向するタイミングだと思う。自分の将来はマラソンにあると感じている。良いマラソン選手になると思っている。マラソンにはすごく敬意を持っているから、マラソンをやると決めるまでには十分な時間をかけたい」

チェリモのマラソン転向を早めるかもしれない要素はIAAFの発表だ。2020年、ダイヤモンドリーグにおいて最長距離の種目が3000mになるという発表だ。

「どんな風に変わるのか、そしてダイヤモンドリーグでの3000mを彼らがどう考えているかで、マラソン転向の時期は早まると思う。どう自分が対処できるかは分からない。難しい問題だ。様子を見るけど、自分に合わなかったらロードレースもある。そう、ロードレースがあるんだ。未来のことは分からない。みんなにロードレースに出て、トラックは2人しか出ないってこともあるかもしれない」

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  1. ピンバック: (過去記事)IAAFが2020年東京五輪の参加標準記録を発表:世界ランキング制度の導入と運用について – LetsRun.com Japan

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