ダイヤモンドリーグモナコ大会:女子1マイルでハッサンが4:12.33の世界新、男子800mでアモスが1:41.89、男子1500mで8人がサブ3:32

男子1500m:ティモシー・チェリヨットが連勝、8人がサブ3:32を記録

ケニアのティモシー・チェリヨットはダイヤモンドリーグの1500m / 1マイルでも性質が異なるレースにおいて、いつもとは別の形で勝利を収めた。

チェリヨットは過去12回のダイヤモンドリーグのレースで11回優勝し、現在地球上で1番のマイラーであることを証明してみせた。しかし、これは注目のレースに値するもので、一般的なダイヤモンドリーグのタイムトライアルのようなレースとは大きく異なる。

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モナコDLの男子1500mは毎年、高速レースであることで知られているが、チェリヨットは500m地点でペーサーを追い抜かしていった。 ペーサーのブラム・ソムは1周目を55.08で通過したが、それは先週のローザンヌDLの1周目の54.4よりも少し遅かった。それによってチェリヨットの牙城を崩そうとする選手たちはチェリヨットの背後につけることに成功した。

チェリヨットの1周目は55.6で、2周目もペースを維持し55.7だった。彼はそこで何か特別なことをしただろうか?たいていのファンはそうだと思っただろう。しかし、彼の背後にはたくさんの選手がつけていたのだ。

チェリヨットは800〜1000mの区間で29.3にペースを落とし、その結果、先週3:30.16秒で走り18歳にして今季世界2位のパフォーマンスをしているヤコブ・インゲブリクトセンがラスト1周の鐘のところでチェリヨットの前に出た(インゲブリクトセンが2:34.9、チェリヨットが2:35.1)。我々は本物の“レース”を目にした。

インゲブリクトセンはまだ1200m地点(2:48.8)でリードしていたが、その後チェリヨットが再びリードを奪い、ラスト300m(41.1、ラスト200mは27.4)は他を圧倒した。チェリヨットは3:29.97で優勝、インゲブリクトセンは0.5秒差の3:30.47で2位に入った。

ウガンダのロナルド・ムサガラは2週間連続のウガンダ新記録となる3:30.58で3位(先週は3:31.33)、イギリスのチャーリー・グライスは3秒も自己記録を更新する3:30.62で4位に入った(以前の自己記録は3:33.60)。

【結果】
1 ティモシー・チェリヨット ケニア 3:29.97
2 Ingebrigtsen , Jakob NOR 3:30.47
3 Musagala , Ronald UGA 3:30.58 NR
4 Da’Vall Grice , Charlie GBR 3:30.62 PB
5 Souleiman , Ayanleh DJI 3:31.38
6 Manangoi , George Meitamei KEN 3:31.49 PB
7 Ingebrigtsen , Filip NOR 3:31.81
8 McSweyn , Stewart AUS 3:31.81 PB
9 Simotwo , Charles Cheboi KEN 3:33.25
10 Kibet , Vincent KEN 3:33.36
11 Lewandowski , Marcin POL 3:34.14
12 Miellet , Alexis FRA 3:34.23 PB
13 Kiprono , Brimin KEN 3:35.32 PB
14 Kibet , Michael KEN 3:41.96
Som , Bram NED DNF

我々はこのレースがお気に入りである

このレースは驚きばかりであった。

2周目でチェリヨットがペーサーを追い越す。

ラスト1周の前にチェリヨットの前に出たインゲブリクトセン。

しかし、我々が思うに、チェリヨットがドーハ世界選手権で戦うための教科書としてその戦術をとったといえるだろう。 55.5で最初の2周を走り、 誰も彼について来ないのであれば、その差を保ちながらのタイムトライアルとなる。

他の選手がチェリヨットにプレッシャーをかけた場合は、(チェリヨットが)中盤で一度ペースを落とし、誰かがチェリヨットの前に出てから冷静にそれを追い抜く。

私たちはオリンピックや世界選手権の800mや1500mの決勝では常にピリピリした戦術的なレース展開になると考えていたが、(戦術的なレースが多い)NCAAで競技をしていないケニアのトップ選手は戦術的なレースに慣れていない。

チェリヨットの今回のレースぶりは故意ではなかったようだが、彼はレース後に「もっと速く走りたかった」と述べた。我々は(高速レースに持ち込むということが)彼がドーハ世界選手権で勝つための術であると思う。

チャーリー・グライスが史上最高メンツに割り込み英国歴代4位にランクイン

グライスは、3:33.60でジョッシュ・カーとともに英国歴代11位タイとしてランクしていたが、今や彼は5人目のサブ3:31達成の英国人となり、英国歴代4位にランクインした。 他の4人はすべて英国中距離レジェンドである(五輪もしくは世界選手権で金メダル獲得)。

スチュワート・マクスウェインがオーストラリア歴代でジャンプアップ

24才のマクスウェインは自己記録3:34.82で出場したが、3:31.81の自己新でオーストラリア歴代2位にランクインした (オーストラリア記録はライアン・グレッグソンの3:31.06)。 それは良いニュースである。悪いニュースとしては、このレースのレベルが高かったので順位が8位だったということである。サブ3:32を8人が達成したのはこのレースを含めて過去に6レースしかなく、そのうちの4回がこの6年間のモナコDLでのものだった。

大幅な自己新としてはもう1人、世界チャンピオンのエリジャ・マナンゴイの弟で、昨年のU20世界選手権でヤコブ・インゲブリクトセンの金メダルを阻止した18歳のジョージ・マナンゴイである。 マナンゴイは3:31.49(それまでの自己記録は3:34.00)で6位だった。

女子800m:アジ・ウィルソンが1:57.73でナトーヤ・ゴーレを抑えて優勝

キャスター・セメンヤフランシン・ニヨンサバが出場していないレースで、アジ・ウィルソンを倒すことはかなり難しい。実際にセメンヤニヨンサバ以外の選手にウィルソンが最後に負けたのは1年前のジャマイカのナトーヤ・ゴーレに遡り、今回は1:57.73で勝利を収めた。ずっとウィルソンの後ろを走っていたゴーレはなかなか前に出ることができず、1:57.90の2位に終わった。非DLのレースだったとはいえ、トップ5全員がシーズンベストで、かつローラ・ミューアが1:58.42の自己新で3位に入った。

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ペーサーのクリシュナ・ウィリアムスは、1周目を56.5で走る予定だったが、56.12で入った。ウィルソンはその10m背後で1周目を57.6で入って、後続を引っ張った。彼女とゴーレはバックストレッチで後続を引き離しにかかった。

これに気づいた後続のミューアがラスト300mから5位に、そしてラスト200mから3位に上がり始めたが、2番手には追いつけず、先頭のウィルソンは1:27.37で600mを通過した。最終コーナでもまだ勝負はわからなかったが、ウィルソンはそのまま押し切った。

【結果】
1 アジ・ウィルソン USA 1:57.73
2 Goule , Natoya JAM 1:57.90
3 Muir , Laura GBR 1:58.42 PB
4 Sharp , Lynsey GBR 1:58.76
5 Nakaayi , Halimah UGA 1:59.57
6 Rogers , Raevyn USA 2:00.16
7 Wang , Chunyu CHN 2:01.31
8 Hailu , Freweyni ETH 2:02.36
9 Jepkosgei , Nelly KEN 2:04.85
Williams , Chrishuna USA DNF

セメンヤ不在のレースでこの記録はとても速い

2016年からセメンヤが800mの種目にもたらした大きな影響の1つは、DLレースのほとんどで高速ペースとなったことだった。そして2019年はセメンヤが不在である。ストックホルムDLとラバトDLで、セメンヤ不在の2回のレースでの優勝記録は2:00と1:59だった。

ウィルソンは、セメンヤがいなくても再び1:55で走れるかもしれないが、ウィルソンはこのレースでその強さを示した。 2017年以来では、今回の記録はセメンヤニヨンサバ不在のレースでは3番目に速かった。ウィルソンは昨年のNACAC(北中米カリブ選手権)で1:57.52、2017年にザグレブで1:57.72を記録した。

男子3000mSC:エル・バッカリが8:04.82の今季世界最高をマークし復調

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モロッコのスーフィアン・エル・バッカリが3000mSCで復調となる今季世界最高の8:04.42で優勝し、ケニアのベンジャミン・キゲンが8:05.12の自己新(以前は8:06.13)で2位に入った。3位と4位はそれぞれナショナルレコードを樹立した。3位のエチオピアのゲトネット・ウェールが8:05.51。

2018年欧州選手権銀メダリストのスペインのフェルナンド・カルロは8:05.69で、2002年にルイス・ミゲル・マルティンが記録した8:07.44のスペイン記録を更新した。カルロのそれまでの自己記録を10秒更新した(以前の自己記録は8:15.73)。アメリカ勢ではヒラリー・ボアが最後の水濠でエル・バッカリカルロと競り合っていたが、8:09.23で6位に終わった。

最初の1000mは速かったが(2:37.74)、次第にペースは落ち着き(2000mで5:24.84 – 2:47.07)。しかし、ラスト1000mでペースが上がったので好記録への望みがあった。1周のペースが67.4から66.4に上がった。

ラスト1周の鐘の時点で先頭集団には6人の選手がいて、そのまま水濠まで勝負はなだれた。エル・バッカリはその時点では5番手で先頭のキゲンから1.5秒遅れていたが、最後の直線でキゲンを捉えて優勝した。エル・バッカリのラスト1周は60.6だった。

【結果】
1 スーフィアン・エル・バッカリ モロッコ 8:04.82 今季世界最高
2 Kigen , Benjamin KEN 8:05.12 PB
3 Wale , Getnet ETH 8:05.51 NR
4 Carro , Fernando ESP 8:05.69 NR
5 Kibiwot , Abraham KEN 8:05.72 PB
6 Bor , Hillary USA 8:09.23
7 Bedrani , Djilali FRA 8:09.47 PB
8 Nigate , Takele ETH 8:09.50 PB
9 Bett , Nicholas Kiptanui KEN 8:11.47
10 Chemutai , Albert UGA 8:12.29 PB
11 Bett , Leonard Kipkemoi KEN 8:15.90
12 Hughes , Matthew CAN 8:17.26
13 Kipsang , Lawrence Kemboi KEN 8:19.82
14 Kowal , Yoann FRA 8:26.16
15 Chiappinelli , Yohanes ITA 8:26.93
16 Arce , Daniel ESP 8:34.48
Kipyego , Barnabas KEN DNF
Tindouft , Mohamed MAR DNF

エル・バッカリはスイッチが切り替わるまで優勝圏外にいるように見える

エル・バッカリがこのレースで優勝したことは驚きには値しないはずである。エル・バッカリコンセスラス・キプルトエヴァン・ジェイガーの3人が近年、世界のトップ3として君臨しているからであり、他の2人が今年のトラックレースに故障で出場していないことを考えると、エル・バッカリがこの種目を支配すると予想できる。

しかしエル・バッカリが5月上旬のドーハDLで8:07で優勝した一方、彼は先月のラバトDLで凡走に終わった(8:27の11位)。 しかし、彼のスイッチが入った時のラストは強い。今回のレースで最後の水濠までエル・バッカリが勝つかどうかはまだわからなかったが、それでも彼はそれをやってのけた。

 

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