ダイヤモンドリーグモナコ大会:女子1マイルでハッサンが4:12.33の世界新、男子800mでアモスが1:41.89、男子1500mで8人がサブ3:32

女子1マイル:シファン・ハッサンが4:12.33の世界新記録

Brave Like Gabe女子1マイルでのオランダのシファン・ハッサン(オレゴンプロジェクト)の4:12.33の世界新記録によって、モナコDLでは2年連続、5年間で3回目の女子中長距離の世界記録の誕生となった(2015年1500m G. ディババ、2018年3000mSC B. チェプコエチ)。ハッサンの今回の世界記録は、前記録保持者のスベトラーナ・マステルコワが1996年に記録した4:12.56を0.23秒更新した。

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今回のレースはディババチェプコエチの2人の世界記録保持者も出場予定だったが、今週の初めにこの2人の欠場が決まってから、このレースでの世界新記録の可能性は少ないと思われていた。

今回のレースの途中でさえ、ハッサンが2:08.5で800mを通過した時点で世界記録は不可能のように思えた – 世界記録ペース(2:05.54)から3秒も遅く、彼女は次の1周を61.7秒にペースアップしたが、世界記録に向けてラスト1周をさらに速く走る必要があった – それは60.2秒よりも速く。

しかし、ハッサンにはもう1つのギアが残されていた。ラスト1周の早い段階で背後につけていたエチオピアのグダフ・ツェゲイを引き離し、ラスト200mの時点ではその差は20mに広がり、2位争いをしている選手にも15m差を開けていた。

ハッサンがホームストレートでも失速することなく、4:12.33の世界記録を手にした。ラスト1周を60.0秒の信じられないスパートで走った(非公式ラップではラスト800mは2:01.9)。レース直後にハッサンは疲れ果てて倒れたが、爽快な笑顔で喜んだ。その後、コーチのアルベルト・サラザールから祝福される前に、4:17.60の2位でわずか0.03秒で英国記録を逃したローラ・ウェイトマンから祝福された。

【結果】
1 シファン・ハッサン オランダ 4:12.33 世界新記録
2 Weightman , Laura GBR 4:17.60 PB
3 DeBues-Stafford , Gabriela CAN 4:17.87 NR
4 Tsegay , Gudaf ETH 4:18.31
5 Arafi , Rababe MAR 4:18.42 NR
6 Embaye , Axumawit ETH 4:18.58 PB
7 Nanyondo , Winnie UGA 4:18.65 NR
8 Mageean , Ciara IRL 4:19.03 PB
9 Schneider , Rachel USA 4:20.91 PB
10 Samuel , Alemaz ETH 4:23.35
11 Praught-Leer , Aisha JAM 4:26.14 PB
12 Courtney , Melissa GBR 4:27.76
Lyakhova , Olha UKR DNF

シファン・ハッサン は最高のシーズンを過ごしている

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彼女がドーハ世界選手権でどんな結果であっても、シファン・ハッサンは既に女子中長距離の歴史上で最も素晴らしいシーズンにまとめている。 以下は彼女が今季で達成していることである。

2月17日:モナコの5kmロードで14:44の世界新記録(※ロード5kmは2019年からIAAFの公認種目となった)
4月7日:ベルリンハーフで65:45(今季世界4位タイ)
5月2日:ペイトンジョーダン招待でトラック初10000mで31:18.12で優勝
6月16日:ラバトDL 1500mで3:55.93の自己新
6月30日:ユージンDL 3000mで8:18.49(屋外3000mで中国選手を除いて最速)
7月12日:モナコDL 1マイルで4:12.33の世界新記録

2つの世界記録に加えて、3000mは中国勢のドーピング疑惑がある選手を除けばハッサンの8:18.49という記録も世界記録であると主張できる。ハッサンの素晴らしい今シーズンはドーハ世界選手権まであと3ヶ月を残している。

ハッサンの記録は1500mでおよそ3:53に変換される

1マイルの記録を1500mに変換するための我々の経験則は、1マイルの記録を1.0802で割ることである。ハッサンの4:12.33を1.0802で割れば、3:53.60になる。その記録は世界歴代7位にランクされる。All-Time Athleticsによれば、以下の6人がそれよりも速く走っている。

1  3:50.07  Genzebe Dibaba ETH 08.02.91 1 Monaco 17.07.2015
2  3:50.46  Qu Yunxia CHN 25.12.72 1 Beijing 11.09.1993
3  3:50.98  Jiang Bo CHN 13.03.77 1 Shanghai 18.10.1997
4  3:51.34  Lang Yinglai CHN 22.08.79 2 Shanghai 18.10.1997
5  3:51.92  Wang Junxia CHN 09.01.73 2 Beijing 11.09.1993
6  3:52.47  Tatyana Kazankina RUS 17.12.51 1 Zürich 13.08.1980

このリストの大半(全部ではないにしても)が深刻なドーピング疑惑にさらされている。もちろんハッサンはドーピング疑惑でUSADA(米国アンチドーピング機構)に調査されているアルベルト・サラザールに指導されている。ハッサン自身はパフォーマンス向上薬(PED)とは一度も関連がなく、2016年後期にプロパブリカ / BBCによるサラザールの疑惑のレポートが発表されてから1年以上後にオレゴンプロジェクトに加入した。

ハッサンはドーハ世界選手権でどの種目に出場するだろうか?

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私たちがユージンDLでハッサンと話をしたとき、彼女はドーハ世界選手権で5000mと10000mに出場するつもりだと話していたが、このレース後の公式コメントで※ 1500mと5000mでの2冠を目指したいと話した。

(※)ドーハ世界選手権は大会9日目の20:55に女子1500m決勝があり、21:25に女子5000m決勝がある(1500mが終わる25分後に5000mがある:詳細

「今日は記録が出ると思っていたが、最初の800mで少し遅かったから世界記録が出るとは思っていなかった。フィニッシュラインを超えた時、とても驚いたけど、ラスト1周のスパートがうまくいって、それで世界記録を樹立できたことで、5000mの種目での戦い以上に自信になった。ドーハでは1500mと5000mの2冠を目指したい」

ハッサンが世界新記録で興奮していたのか、(オランダ語から英語への)翻訳の過程によって本来のニュアンスが失われたのかは定かではないが、ハッサンがドーハで1500m / 5000mの2種目に挑戦することを試みるのは衝撃的である。大会9日目の30分間隔での2回の決勝レースだけでなく、大会6日目の予選も50分間隔で1500mと5000mが組まれている。

それを実行するのは考えられないが、5000m / 10000mまたは1500m / 10000mでの2冠であればまだ可能性はある。

IAAFに注意喚起すると、なぜ1500mと5000mの日程が同日の近い時間になっているのか?ハッサン、シェルビー・フーリハン、ゲンゼベ・ディババなど多くの選手が日程がもう少し適切であれば1500m / 5000mでの出場を希望していただろう。

男子800m:アモスが1:41.89で7年ぶりの1:41

史上最高の800mレースとも言われ、デイビッド・ルディシャが1:40.91で世界記録と金メダルを獲得した2012年のロンドンオリンピックで、銀メダルのナイジェル・アモスが1:41.73で走って以来、800mで1:41走った選手はいなかった。

2019年7月12日の夜、ナイジェル・アモスがモナコDLを走るまでは。

ボツワナのアモスは、オレゴントラッククラブのチームメイトであるペーサーのハルン・アブダの後ろを走って、1周目をハイペースの48.70で通過した。 アブダは良いペーサーとして機能し、彼が抜けてからもアモスそのままリードを保った。

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アモスはバックストレッチで、ケニアのファーガソン・ロティチに迫られたが、アモスが1:15.22で600mを通過してからは後続を引き離し、ラスト100mでは記録に向かってチャレンジしているのは明らかだった。

彼はその独特のラストスパートのフォームで走りきり、フィニッシュラインを超えた時にタイマーは1:41.89を表示していた。 アモスがそれを見ると、彼は喜んで両手を挙げ、他の選手から祝福された。 アモスの記録は、彼の自己記録の1:41.73には及ばなかったが、印象的な走りだった。

ロティチは1:42.54の自己新で、最下位のジョナサン・キティリト以外がシーズンベストか自己新記録だった(プエルトリコのウェスリー・ヴァスケスがプエルトリコ新の1:44.40)。

【結果】
1 ナイジェル・アモス ボツワナ 1:41.89 今季世界最高
2 Rotich , Ferguson Cheruiyot KEN 1:42.54 PB
3 Tuka , Amel BIH 1:43.62
4 Saruni , Michael KEN 1:43.70
5 McBride , Brandon CAN 1:43.83
6 Vázquez , Wesley PUR 1:44.40 NR, PB
7 Kszczot , Adam POL 1:44.69
8 Wightman , Jake GBR 1:45.08
9 Bosse , Pierre-Ambroise FRA 1:45.43
10 Kitilit , Jonathan KEN 1:45.78
Abda, Harun USA DNF

強いアモスが帰ってきた!

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アモスが2012年に1:41で走ったとき、彼はわずか18歳だった。再びサブ1:42を達成するのに7年かかったのをみると、1:41で走ることがいかに難しいかがわかるが、この結果はアモスの才能と忍耐の証である。

アモスは2012年以降、2016年に1:44.66で走ってはいるが、長期間低迷し、マーク・ローランドの門を叩いてオレゴントラッククラブに加入。そこから次第に2012年頃の輝きを取り戻した(2017年は1:43.18、2018年は1:42.14)。 今回のレースで彼が完全に力を取り戻したことを示した。

【男子800m:2012〜2019年シーズン最高記録】

選手 記録
2019 ナイジェル・アモス 1:41.89
2018 エマニュエル・コリル 1:42.05
2017 エマニュエル・コリル 1:42.10
2016 デイビッド・ルディシャ 1:42.15
2015 アメル・トゥカ 1:42.51
2014 ナイジェル・アモス 1:42.45
2013 モー・アマン 1:42.37
2012 デイビッド・ルディシャ 1:40.91

アモスはまだ金メダル(または他のメダル)を手にしていない

アモスは2019年に3回のダイヤモンドリーグのレースを含む、5回の800mで4勝した。 今のところ、彼は間違いなくドーハ世界選手権の優勝候補である。しかし、2012年のロンドンオリンピック(銀メダル)以降、3回の世界選手権とリオオリンピックでアモスは苦戦した。

彼は2015年北京世界選手権で優勝候補だったし、2017年ロンドン世界選手権でもメダル候補だったが、北京では準決勝敗退、ロンドンは同じくメダル候補のエマニュエル・コリルが決勝に進めなかったにも関わらず、アモスは5位に終わった。彼は2013年モスクワ世界選手権は欠場し、2016年リオオリンピックでは予選落ちだった。

なぜなら、800mはたった2周しかないので戦術ミスは非常にダメージが大きく、そして世界大会の予選、準決勝、決勝の3ラウンドにおいて足元をすくわれることは多々ある。それを回避する1つの方法は、ディシャの得意としていた(高速ペースでの)先行逃げ切りをすること。それはほとんどの選手ができるものではないが、アモスは今回1:41で走ったので、ドーハでその戦術を試したいのかもしれない。

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