様々な視点からみる史上最速・最強のマラソン選手:エリウド・キプチョゲ

エリウド・キプチョゲがロンドンマラソンで優勝し、マラソン10連勝を達成してから、彼の偉大さは歴史的観点から捉えられるべきであると確信した。彼が、これまでのどんなマラソン選手よりも優れているということを多くの人に知ってほしいと願っている。

あなたがどう考えようと、キプチョゲはマラソン界のGOAT(史上最強)なのである。

どこから話せばいいだろうか?

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©︎2019 Andrew Baker  / Virgin Money London Marathon

キプチョゲの安定した走りは驚くべきものである。マラソンで10連勝するということは、優勝賞金が高額になってきていて超競争的である今日のマラソン界において、信じられない実績である。

【主な男子マラソン選手の連勝記録】Wu Mingより引用
エリウド・キプチョゲ – 10連勝
アベベ・ビキラ – 6連勝
(1960年初マラソンから6連勝。1963年ボストン5位で連勝ストップ)
フランク・ショーター – 6連勝
ビル・ロジャース – 6連勝
デレク・クレイトン – 5連勝
(1965年初マラソンから5連勝。1968年メキシコシティオリンピック7位で連勝ストップ)
ハイレ・ゲブレセラシエ – 5連勝
瀬古利彦 – 5連勝
(1979年福岡国際から5連勝。1984年ロサンゼルスオリンピック14位で連勝ストップ)
ジム・ピーターズ – 4連勝
ロバート・ド・キャステラ – 4連勝
1981年福岡国際から4連勝。1984年ロサンゼルスオリンピック5位で連勝ストップ)

世界ランキングに関しては、Track & Field Newsの世界ランキング:男子マラソンでは5年連続で1位にランクインしている(2019年はカウントしていない)。キプチョゲ以前で最も多く1位にランクインした選手で3年間であった。4人の選手が3回1位を獲得しているが、それは40年以上前の話である。ヴェイッコ・カルボネンが1951,54,55年、アベベ・ビキラが1960,61,64年、フランク・ショータが1971,72,73年、ビル・ロジャースが1975,77,79年にそれぞれ1位を獲得している。

【この40年間でTrack & Field Newsの男子マラソンランキングで2回以上1位になった選手】ワルデマール・チェルピンスキー – 1976年、1980年
アルベルト・サラザール – 1981年、1982年
ゲザハン・アベラ 2000年、2001年
ジュマ・イカンガー – 1986年、1989年
サムエル・ワンジル – 2008年、2009年
エリウド・キプチョゲ – 2014年、2015年、2016年、2017年、2018年

キプチョゲ以前に、ここ40年間で1番多く1位になっている選手でも2回。そこでキプチョゲは、5年連続で1位になっている。

今やマラソンの優勝賞金は高額になっている。つまり、マラソンの歴史において今の時代にナンバー1になることはとても難しいことである。TFNランキングで1位になった他の選手とキプチョゲを比べると、その差はとてつもなく大きい。

ここ10年間に1位にランクインされた他の5人選手の中で、たった1人(ワンジル)だけが競技人生の中のマラソンで50%以上の勝率を誇り(キプチョゲは12戦11勝:勝率91.67%)、キプチョゲを除いた1番長い連勝記録は、たった4連勝であった。5人の選手の自己記録の平均を比較すると(ただし、キプチョゲは近年異次元レベルであるナイキのヴェイパーフライ系シューズで走っているので完全に公正ではないのであるが)、キプチョゲの自己記録は他の選手よりも抜きに出ている。

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©︎2018 Steffen Hartz

勝率、平均記録、TFN世界ランキング、これをどのように見ても、キプチョゲは歴史上のどんな選手よりも優れている選手である。そしてもちろん、現在キプチョゲは世界歴代で1番目、2番目のパフォーマンス記録をした。2:01:39と2:02:37(そして、非公式記録であるBreaking2での2:00:25)。そして、男子マラソンにおいて2:02:55より速く走った選手は、他にはいない。

過去10年間の男子マラソン:各年間の世界最強選手の比較
各年の1位の選手 マラソンの勝率 連勝記録 5つの上位記録の平均
2014〜2018年:エリウド・キプチョゲ 91.67 % 10連勝 2:02:58.6
2013年:レリサ・デシサ 26.67 % 2連勝 2:06:46.4
2012年:ウィルソン・キプサング 45.45 % 4連勝 2:03:45
2011年:ジョフリー・ムタイ 46.67 % 2連勝 2:04:29.6
2010年:パトリック・マカウ 45.15 % 2連勝 2:05:05.4
2008〜2009年:サムエル・ワンジル 71.40 % 3連勝 2:05:05.5

2008〜2009年:サムエル・ワンジル – 7戦5勝(71.40%)、そのうち3連勝を1回
2008年北京オリンピック(2:06:32 = 大会記録)、2009年ロンドン(2:05:10)、シカゴ(2:05:41)で3連勝。

2010年:パトリック・マカウ – 13戦6勝(45.15%)、そのうち2連勝を2回
2010年ロッテルダム、ベルリンで2連勝、2014年・2015年福岡国際で2連覇。

2011年:ジョフリー・ムタイ – 15戦7勝(46.67%)、そのうち2連勝を2回
2008年モナコ、アイントホーフェンで2連勝、2011年ボストン、ニューヨークシティで2連勝。

2012年:ウィルソン・キプサング – 22戦10勝(45.45%)、そのうち4連勝を1回、3連勝を1回
2010年フランクフルト(2:04:57)、2011年びわ湖毎日(2:06:13 = 大会記録)、フランクフルト(2:03:42)、2012年ロンドン(2:04:44)で4連勝。キプサングはキャリアの早い段階で4連勝を達成しているが、そこにWMMのレースが1つ含まれている(2012年ロンドン)。また、その後にWMM3連勝を達成している。
2013年ベルリン(2:03:23 = 当時の世界記録)、2014年ロンドン(2:04:29)、ニューヨークシティ(2:10:59)でWMM3連勝。

2013年:レリサ・デシサ – 15戦4勝(26.67%)、そのうち2連勝を1回
2013年ドバイ、ボストンで2連勝 = 初マラソンから2連勝。


左:キプチョゲのこれまでの公認大会でのマラソンのランキング (キプチョゲのマラソンのTOP5の記録の平均が2:02:59)

右:キプチョゲ以外の人類のこれまでのマラソンのランキング (キプチョゲ以外の人類のこれまでの最高がゲレメウの2:02:55)

 

レッツラン記事

Putting Eliud Kipchoge’s Marathon Greatness In Perspective

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