2019ロンドンマラソンの大きな注目ポイント:キプチョゲ vs. ファラー、史上最高の女子選手の顔ぶれ

モー・ファラー(もしくは他の選手)がエリウド・キプチョゲを破ることができるのだろうか?

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イギリスのマスコミでは、これが1番大きな話題である。昨年4月のロンドン3位、10月のシカゴでは欧州記録の2:05:11でWMM初優勝を果たし、マラソン選手としても世界屈指の選手であることを証明してみせたファラーファラーがこれからやるべきことは1つだ。マラソンで史上最高の選手であるキプチョゲに挑戦すること。キプチョゲといえども年をとり、いずれはその圧倒的な力にも陰りが出てくるであろう。

しかし、キプチョゲは昨年よりも更に無敵の存在のように思える。昨年のロンドン前、キプチョゲの走力が衰退しているというような話を耳にした。Breaking2が予想以上にキプチョゲをダメージがあったのか、2017年ベルリンでは初マラソンだったグエ・アドラと最後まで競り合った。そして、キプチョゲは翌年のロンドンに出場し3度目の優勝を果たし、昨年秋にはベルリンで2:01:39の世界記録を出した。それから7か月経った今でも、これが実際のマラソンの記録なのかを疑うぐらいの快記録だった。

2:01で走った男が今回負けるとでも思うだろうか?

グッドラック。

もし、2018年ベルリンと同じぐらいの調子のキプチョゲが今週末に走るとなると、彼に勝つものはいない。しかし、キプチョゲのこの3回のロンドンでのパフォーマンスの平均はどのぐらいなのだろうか?

これが彼のこれまでのロンドンでの走りである。

順位 記録 備考
2015年 優勝 2:04:42 ロンドン歴代6位
2016年 優勝 2:03:05 大会記録
2018年 優勝 2:04:17 ロンドン歴代3位
平均 優勝 2:04:01

キプチョゲのロンドンでの平均記録は2:04:01。この記録は、2016年を除くと、どの優勝記録よりも速い。しかも、この2016年もキプチョゲ自身が優勝した記録である。

キプチョゲが無敗の領域に踏み込むためには、自らが4年間維持してきたレベルからさらに記録を縮めなければならない(これまでの11回のマラソンで、キプチョゲが負けたのはたった1回。2013年ベルリンでウィルソン・キプサングが当時の世界記録を出した時)。

キプチョゲも次第に衰えが来るだろう。しかし、その衰えが差し迫っていることの証明はどこにもない。11回のマラソンキャリアでこの9月に自己最高記録で走ったばかりなのである。

年による衰えがキプチョゲにもやてくるだろうか?それは確かにやってくる、しかしキプチョゲはオフィシャルには34歳で、モー・ファラーよりも2歳若い。ここは未知のテリトリーである。

世界ナンバーワンのマラソン選手になることは決して簡単なことではなく、この10年あまりでその称号を手に入れた選手で(2011年のジョフリー・ムタイ、2014年ウィルソン・キプサング)、それを1年以上保持できた選手はいない。しかし、キプチョゲは2013年9月以降のマラソンでは無敗である。そして、2015年ロンドン優勝以来、4年間も彼は間違いなく世界ナンバーワンのマラソン選手であり続けている。

マラソンは、1回のレースのためにかなりの距離を練習で走る必要があるが、それでいても1回の足の攣りがレースでは命取りになる、そんなスポーツである。その中でキプチョゲのように長い間ナンバーワンを独占することは誰にもできない。そして、キプチョゲは今でもマラソンという“山の頂”に君臨している。彼がいつ頂点ではなくなるのか、そんな予想を立てること自体ばかげている。

ファラーのマラソンへの転向は、周囲の予想をはるかに超えてうまくいっている。昨年のロンドンでファラーは強い印象を残した。レース当日は気温が高かったが、それにひるむことなく前半61:00で入り、持ちこたえて2:06:21の3位に入った。秋のシカゴでは、戦略的な素晴らしいレースをみせ、2:05:11で優勝を果たした。

モー・ファラーのマインドと気持ちには本当に感銘を受けた」

と、キプチョゲはレース後に話してファラーを讃えた。

しかし、その後にキプチョゲが放った言葉を耳にしたか?ファラーの2:05:11という優勝記録については、

「そこまで速くない。戦略的レースだった」

と、話したのである。

キプチョゲは2:05:00より速いレースを過去10回のマラソンのうち9回で出していることを考えると(2016年リオオリンピックが唯一の2:05:00より遅い大会)、その言葉にも納得がいく。シカゴの後にファラーは、

「遅めに入って、レース終盤に向けてペースを上げていく。この走り方が自分には合っている」

と、話している。

Embed from Getty Images

しかし、それもファラーがレースを支配できれば、の話である。ファラーキプチョゲをコントロールすることができない。もし今年のロンドンでもキプチョゲがもう1度前半※61:00(もしくはもっと速く??)で入るのであれば、ファラーにできることは何もないのだ。

(※)現段階では今大会の男子先頭集団のペーサーはハーフ61:20〜61:25を目標にペースが作られる予定

他にも述べておくことがある。このレース、キプチョゲvs. ファラーで盛り上がっているが、実際にはキプチョゲ vs. その他の選手ということである。実際には、ファラーキプチョゲの実力差よりかは、ファラーと他の出場選手との実力差のほうが近い。

昨年のロンドンでファラーに1:32の差をつけて2位になったシュラ・キタタは今年も出場する。モジネット・ゲレメウ(昨年のドバイで大会記録を出し、シカゴではファラーに13秒差で負けた)とルウル・ゲブレシラシエ(昨年ドバイで2:04:02、バレンシアで2:04:31の大会新記録を出し、昨年サブ2:05を2回出したたった3人のうちの1人)も出場する。ファラーキプチョゲを破る確率より、これらの選手がファラーを破る確率の方が、圧倒的に高い。

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2019ロンドンマラソンの大きな注目ポイント:キプチョゲ vs. ファラー、史上最高の女子選手の顔ぶれ」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 様々な視点からみる史上最速・最強のマラソン選手:エリウド・キプチョゲ – LetsRun.com Japan

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