ブルース・ルヘイン招待マイル:エチオピアのヨミフ・ケジェルチャが室内1マイル世界新記録の3:47.01で優勝、ジョニー・グレゴリックが全米史上7人目のサブ3:50マイラーとなる

ケジェルチャはレース後すぐにサラザールに感謝の意を示した

レース後、この結果に喜ぶケジェルチャにインタビューをした(ケジェルチャに対して通訳を担ってくれたペーサーのハラン・アブダに感謝する)。そして、彼はサラザールにすぐに感謝の意を述べた。

「彼は私よりも世界記録を欲しがっていた」

と、サラザールが約1年半の期間をかけて世界記録を狙っていたとケジェルチャは述べた。

「言葉では説明できない。自分が今がどれだけ幸せであるか、そしてサラザールにとってどれだけの幸せであるかは言葉では説明できない」

ケジェルチャは今日のレースに関してのこれまでとの違いは、ペース配分とリカバリーという2つの大きな要因があると述べた。ミルローズでは最初の1周は今日よりも遅かった(最初の209mミルローズ29.83 vs. 今日28.68)が、2周があまりにも速かった(ミルローズ26.42 vs. 今日28.63)ことでラストのキレを削いでしまった。

ケジェルチャはこの反省から、今日のレースでペースの上げ下げがない、ケジェルチャ曰く“完璧な”ペースで入り、900mからは先頭に立ちそこから記録との勝負となった。この時、ミルローズの時とは違って次第に失速していくのではなく、これまでのペースで押していくことができた。1009m〜1409mの400mはミルローズが58:35だったのに対して今日は55.79で走破することができた。

その他の違いは休養だった。ミルローズの後、サラザールケジェルチャがミルローズの2日前に行ったトレーニングが少しハードワークであったことを認めた。それから彼はわずか1週間後のバーミンガムでのレースでは、ミルローズでの疲労とイギリスへの移動からかレース後に疲れを感じていたと話した(1500mを3:31.58で走ったにもかかわらず)。バーミンガムでのレースから今日に至る2週間の休養がケジェルチャをリフレッシュさせて、万全の状態で今回の高速レースに備えることができた。

1レースで1500mと1マイル両方の世界記録を狙うことについてケジェルチャはサラザールが決めたことはすべて正しい決断であると信頼している、と述べた。

「私は彼を信頼している。彼が私に指示したことについては何でもそれに従う」

【ヨミフ・ケジェルチャ:レース後インタビュー】

ジョニー・グレゴリックはアメリカ人7人目のサブ3:50マイラーとなったが室内1マイルの全米記録を0.09秒で逃した

グレゴリックは今日までにすでに熟練したマイラーの1人であり、1マイル3:53.15の自己記録と、2017年ロンドン世界選手権の1500mで決勝に進出している。しかし、今日のレースで彼はさらに箔を付けた。彼の記録した3:49.98はバーナード・ラガトの室内1マイルの全米記録からわずか0.09秒差であり、彼は屋外1マイルも含めて全米史上7人目のサブ3:50マイラーとなった。

さらに重要なことにグレゴリックは「グレゴリック家記録だね」冗談を言った。今日のレースを見ていた父親のジョンは1982年から今日までグレゴリック家記録として1マイル3:51.34の記録を持っていたからである。

グレゴリックは全米室内選手権1マイル王者のクレイグ・エンゲルスをマークして自己記録更新とドーハ世界選手権の1500mの参加標準記録の1マイル3:53.10をクリアするという目標を持っていたが、レースが進むにつれて余力を残した状態でエンゲルスの後ろでラスト1周の鐘を聞いてラストスパートに入り、ラスト1周を27.08でカバーして3:49.98の全米歴代2位をマークした。グレゴリックは先週の全米室内選手権1マイルで3位に終わっていたが、これまでのトレーニング自体は上手くいったと話した。

私たちはまた、世界有数の高速トラックとして知られるボストン大の室内トラックについてのグレゴリックの考えを聞きたかった。これまでの室内1マイルの自己記録が3:54.53だったグレゴリックは、このトラックは複数の要素の組み合わせによって高速トラックとなっていると話した。高反発のトラックでかつ、コンディションは常に良好で招待レースのメンバーは自己記録を更新するには最適であるという。

「ここで行われるレースは常にフレッシュなものであって、ペース配分も良い。そして、誰もが高速トラックだと考えていて、それが自分に味方してくれると信じているだろう。それが上手く作用して、誰もが高速ペースでレースをしたいと思っているレースでは、良いレースになることがある」

このトラックの何が高速なのか?ボストン大の室内トラックまたは屋外での完璧なコンディションでの400mトラック?

「誤解しないように、これには誇張が含まれているけどね。このトラックは反発性が高くてスピードが出る。でも、自分にとっては屋外の400mで気象条件も完璧な状態の方が記録は出ると思う。特に自分のような身長の高い選手はそうだろうと思う。私の考えでは、ボストン大の室内トラックは通常のコンディションの屋外の400mトラック程度だと考えている」

【男子1マイル全米歴代サブ3:50(Tilastopajaより)】

1 3:46.91 北米記録 アラン・ウェブ アメリカ 13 Jan 83 1 Flanders ブラスカート 21 Jul 2007
2 3:47.69 スティーブ・スコット アメリカ 5 May 56 1 Bislett オスロ 7 Jul 1982
3 3:48.38 バーナード・ラガト アメリカ 12 Dec 74 2 Bislett オスロ 29 Jul 2005
4 3:48.83 シドニーマレー アメリカ 9 Sep 56 1 リエティ 9 Sep 1981
5 3:49.31 ジョー・ファルコン アメリカ 23 Jun 66 1 Bislett オスロ 14 Jul 1990
6 3:49.80 ジム・スパイヴィー アメリカ 7 Mar 60 3 Bislett オスロ 5 Jul 1986
7 3:49.98 室内 ジョニー・グレゴリック アメリカ 7 Dec 91 2 ボストン 3 Mar 2019

【ジョニー・グレゴリック:レース後インタビュー】

サム・プラケルが大幅自己新で室内1マイル全米歴代5位にランクイン

いつもであれば、1マイルを3:50で走ればアメリカでは話題に挙がる。今日より以前ではマシュー・セントロウィッツがこの5年間で唯一それを達成しているアメリカ人だった。今日のレースではサム・プラケルの3:50.94は3位にしかすぎなかった。しかし、昨年にオレゴン大を卒業した24歳のプロ1年目のプラケルは「自分にとってはすごいことだった」と、笑みをこぼしながら話した。

ミルローズでは、プラケルは809m通過を今日のペースよりも遅く通過したが(809m1:57.54 vs. 1:56.61)そこから失速し3:59.36に終わった。しかし、そのレースで終盤少しだけ失速したケジェルチャのように、彼はそのレースの2周目をとても速く走った(27.15)。その後、プラケルはここ最近の2、3回のトレーニングで不調を感じていたが、彼の恩師であるワシントン大学のコーチ、アンディ・パウエルのもとでこの秋のトレーニングを順調にこなしたと話した。

(※)昨年のポストシーズンにオレゴン大→ワシントン大に移籍

オレゴン大時代には週に約70マイル(約112km)ほどトレーニングを積み、この秋には彼の競技生活で最長の16マイル(約26km)の距離走を含む、週に80マイル(約128km)のトレーニングを積んだ。ミルローズ(1マイル3:59.36で10位)と、全米室内選手権(1マイル4:01.76で4位)の結果にもかかわらず、プラケルは今日の高速レースで自己記録を更新するには良いレースであると思っていた。それでも、彼はこの大記録を予想していなかった。

「もし、イーブンペースでレースを走れれば自己新を出せると思っていた。これまでの自己記録は屋外1マイルでの3:54で、ゴール後はその記録よりも速いと思ったけど、3:50秒台の記録を見て信じられない気持ちだった」

【サム・プラケル:レース後インタビュー】

今日はドーハ世界選手権の参加標準をクリアするための貴重な1日だった

ケジェルチャが世界記録を狙っているレースで、アメリカ人選手たちはドーハ世界選手権男子1500mの参加標準記録の1500m3:36.00または1マイル3:53.00をターゲットにしていた。そして、グレゴリックプラケルヘンリー・ウィン(3:51.26で4秒の自己新)は1マイルサブ3:53を達成してクリア、エンゲルスは今回のレースの1500mの通過(3:35.79)で標準記録をクリアした(通過記録でもOK)。

それはとても大切なことで、なぜなら米国陸上競技連盟(USATF)は今年の全米選手権(7/25〜28)の後に標準記録を狙うことを許可していないからである。全米選手権まであと4ヶ月以上あるが、それでも標準記録をクリアすることは簡単なことではない。昨シーズンのアメリカ人選手としては、ドリュー・ハンターマシュー・セントロウィッツの2人だけしか1500m3:36.00または1マイル3:53.00の記録をクリアできなかったからである(今シーズンは2人とも世界選手権に出場するために標準記録を再び破る必要がある)。

今日のレースでグレゴリックプラケルウィン、そしてエンゲルスはアドバンテージを獲得した。彼らは7月の全米選手権で3位以内に入ること(標準記録をクリアしている選手たちがトップ3に入ると自動的にその3人が全米代表になる)に集中すればいいからだ。

【ブルース・ルヘイン招待マイル:レース結果】

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レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2019/03/wr-kejelcha-mile-indoor-34701/

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