東京マラソン2019男子展望:日本記録保持者の大迫傑が地元・東京で優勝を飾れるか?

日本とアメリカの男子マラソンの状況がどのように違うかを知りたければ、2019年の別府大分毎日マラソンは見逃せないレースだった。

アメリカ人が2月3日にスーパーボウルを見るためにリラックスしている間に、日本のマラソンファンは別府大分毎日マラソンに白熱していた。2018年シーズンにおいて、マラソンで2:12:24より速く走ったアメリカ人はゲーレン・ラップただ1人だけだった。 別大マラソンでは11人の日本人選手がその記録よりも速く走るという偉業を達成し、そこには3人のサブ2:10を含んでいた。

サブテン – それは合計7人のアメリカ人選手が過去7年間に達成したことであった。マラソンのサブテンは日本人選手にとっては珍しいことではなくなっていた。別大マラソンで2:12:24より速く走った11人は、いずれも2018年の日本のマラソンではトップ10(サブ2:09)に名を連ねなかった選手だった。

男子マラソンにおける日本人選手の2018年の活躍は、アメリカ人選手がこれまでに積み重ねてきた記録とほぼ同じぐらいの内容であった。

日本人選手の2018年 アメリカ人選手の歴代
サブ2:06 1人 2人
サブ2:07 3人 3人
サブ2:08 5人 4人
サブ2:09 10人 9人
サブ2:10 16人 18人

この通り、日本は2018年シーズンだけで、アメリカ人選手がこれまで積み上げてきたよりも多くのサブ2:08とサブ2:09のマラソン選手を輩出した。しかし、近年ではマラソンにおいてアメリカが日本より優れていることが2つある。

1つ目はオリンピックの表彰台。男子のアメリカ人選手は過去4回のオリンピックでのマラソンで2回メダルを獲得している。一方、1992年のバルセロナオリンピックでの森下広一の銀メダル以来、男子の日本人選手はオリンピックのマラソンでメダルを獲得していない。

もう1つは世界のメジャーマラソンでの勝利である。 2006年にWMM(ワールドマラソンメジャーズ)が始まって以来、男子のアメリカ人選手は3回優勝している(2009年ニューヨークシティ、2014年ボストン:メブ・ケフレジギ2017年シカゴ:ゲーレン・ラップ)。その間、男子の日本人選手による優勝は川内優輝の1勝のみである(歴史的な悪天候でのレース)。

しかし日曜日に、マラソン日本記録保持者の大迫傑が東京マラソンに出場するので、これまでの歴史を覆すことに期待できる。ケニアとエチオピアも強力ではあるが、日本人選手にも十分にチャンスがある。

2002〜2017年にサブ2:07を達成した日本人選手はいなかったが、サブ2:07は最近のWMMで優勝するために重要となってくる要素である。2013年以降、WMMの男子優勝者の89%がサブ2:07の自己記録を持ってレースに臨んだ。参考までに、2018年に23人のケニア人選手がサブ2:07を達成している。

しかし、日本人選手は近年で強力な東アフリカ勢との差を詰めている。日本人選手はこの15年間、サブ2:07のマラソン選手がいなかったが、2018年には大迫(2:05:50)、設楽悠太(2:06:11)、井上大仁(2:06:54)の3人のサブ2:07ランナーが生まれ、大迫はシカゴ3位、設楽は東京2位と、WMM勝利への差を縮めている。

その流れは今週末にも続く可能性があり、それがこの18ヶ月間のマラソンの良いスタートとなるかもしれない。日曜日の東京マラソン(2019年の最初のWMM)から始まり、2019年9月のMGC、2020年の東京マラソン、そして東京オリンピックのマラソンと。

今年の東京マラソンが盛り上がる理由は、オレゴンプロジェクトでピート・ジュリアンの指導を受ける大迫傑の参戦にある。東京オリンピック開催の17ヵ月前に、日本最高のマラソンで優勝すればそれは大きな話題となるが、それが実際に起きる可能性は十分にある。サブ2:05の4人を含む5人が大迫よりも速い自己記録を持っているが、以下に大迫の勝機を探ってみる。

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©2018 K. Nakajima

大迫傑の勝機

1. 大迫は本当に良い選手であり、これまでの日本の選手として最高クラスの才能を持っている選手の1人である。彼は日本人選手で唯一これまでに5000mでサブ13:10を達成しているが(13:08)、彼にとって最も良い種目は明らかにマラソンである。

彼はこれまでに3回のマラソンを経験しているが、そのどれもが印象的だった。2017年ボストンで初マラソンを経験し、ジョフリー・キルイゲーレン・ラップに続いて3位に入った。2017年12月の福岡国際では2:07:19で走り、3分自己記録を更新して3位に入った。

そして、2018年10月のシカゴではモー・ファラーモジネット・ゲレメウにこそ負けたものの2:05:50で3位に入った。ボストンで敗れたチームメイトのラップ、そしてジョフリー・キルイだけでなく、ロッテルダム優勝のケネス・キプケモイや、世界選手権を制したアベル・キルイなども破った。

2. WMMでは東京マラソンのレベルはそれほど高くない。東京、ロンドン、ボストンの2月〜4月にかけて行われるWMMの3レースのうち、東京マラソンは最もレベルが高くない。2019年のロンドンにはエリウド・キプチョゲを含むWMM優勝者4名、サブ2:05の選手が8名が出場する。

2019年のボストンにはWMM優勝者6名、サブ2:05の選手が5名、サブ2:07の選手が12名出場する。そして、今回の東京マラソンにはWMM優勝者が1名、サブ2:05の選手が4名、サブ2:07の選手が7名出場し、そのうち3名は11月か12月のレースからの臨戦過程である。

このように今大会の出場選手はそれなりのメンバーであったが、自己記録上位2人のケネニサ・ベケレ(2:03:03)とマリウス・キプセレム(※2:04:04)がともに欠場となった。WMM優勝者のチュンバは出場するが、強力なメンバーが2人減ったのは大迫にとっては大きいはずである。

(※) キプセレムが自己記録を出したアブダビマラソンは距離が200mほど短かった。

3. 昨年、大迫は今大会に出場する多くの選手に勝った。大迫以外にも今回、「WMMでの潜在的な優勝者」の基準である、※ 自己記録サブ2:08、または世界大会 / オリンピックでメダル獲得経験を持つ8人の選手が今大会に出場する。そして、大迫は10月のシカゴでの直接対戦で、その8人のうち3人(レゲセ、チュンバ、カロキ)に勝った。

(※)この39回のWMMの男子の優勝者のうち、38回がその基準を満たした。満たさなかったレースは昨年のボストンのみ

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東京マラソン2019男子展望:日本記録保持者の大迫傑が地元・東京で優勝を飾れるか?」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 東京マラソン2019:エチオピアのビルハヌ・レゲセ(2:04:48)とルティ・アガ(2:20:40)が悪天候にもかかわらず好記録でマラソン初優勝 – LetsRun.com Japan

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