テフェラは世界記録保持者であるが、彼は今年世界で最高のマイラーになることができるだろうか?
Embed from Getty Imagesテフェラは昨年もこのバーミンガムで世界室内選手権のタイトルを獲得しているが、その後の7月のU20世界選手権ではメダルを獲得できず、さらにはアフリカ選手権で10位、DLファイナルでは8位に終わった。昨シーズンはまだ若いテフェラにとっては初の屋外での世界レベルでのフルシーズン(5〜8月)だった(2017年ロンドン世界選手権を経験しているが、その年はその他に2レースしか出場していない)。
テフェラの今回の走りは印象的だったが、(1500m-1マイルにおける)室内でのこれまでの記録水準は、※屋外でのそれらの種目の記録水準よりもやや劣る。ティモシー・チェリヨット(室内レースには出場していない)や、エリジャ・マナンゴイのような屋外レースで活躍するマイラーに対して、テフェラは今後屋外のレースで彼らと勝負していかなければならない。昨年の上海DLでテフェラはチェリヨットに果敢に挑戦したが、惨敗を喫した。
(※)室内レースの方が屋外レースよりも開催日数が少ないこと、室内レースは必ずしもフルメンバーになるとは限らないこと、室内の方が(バンクになっているとはいえ)コーナーがキツいことなど
しかし、我々はテフェラに対してあまり批判するつもりはない。彼は今回世界記録を破り、それは彼が屋外シーズンでさらに良い成績を残せる可能性があということである。 1997年にエルゲルージが室内1500mの世界記録を達成したとき、彼はその10日後の室内1マイルで世界記録を出し、さらに屋外では1500mで世界選手権優勝。シーズンベストとして3:28.91、屋外の1マイルでは3:44.90を記録し、1997年のシーズンを無敗で終えることができた。
ヨミフ・ケジェルチャは信じられないぐらいの高速ペースをキープしたが、再び好記録をアシストしてしまった
Embed from Getty Imagesヨミフ・ケジェルチャにとっては、この6ヶ月は悲劇の連続だった。昨年のブリュッセルでのDLファイナルでの5000mで、ケジェルチャはレースの終盤に勇敢に前に出てペースを上げた。彼は12:46.79の大幅な自己新となったが、セレモン・バレガがラスト1周で先頭に立って12:43.02で走り、世界歴代4位の好記録をケジェルチャにアシストしてもらった。
先週、ケジェルチャはミルローズゲームの1マイルで室内1マイルの世界記録を0.01差で逃した。
今日、ケジェルチャはこれら2つの結果を組み合わせた。彼はエルゲルージの室内1500mの世界記録を0.4秒で逃し、そしてラスト100mでテフェラに交わされ、優勝者への完璧なペーサーとして2位に終わった。
今日のペースはミルローズのレースよりも安定していた
先週のミルローズゲーム(1マイル)と今日の1400mまでの先頭のスプリットは以下である。
ミルローズゲーム(1マイル) | バーミンガムGP(1500m) | |
1周目 | 29.62* | 27.66 |
2周目 | 26.38(409m 56.25) | 28.03(400m 55.69) |
3周目 | 28.00 | 28.08 |
4周目 | 29.00(809m 1:52.99) | 28.95(800m 1:52.70) |
5周目 | 28.80(1009m 2:21.78) | 28.57(1000m 2:21.27) |
6周目 | 29.16(1209m 2:50.93) | 28.01(1200m 2:49.28) |
7周目 | 29.21(1500m 3:33.17) | 27.92(1500m 3:31.04) |
*ミルローズでの1周目は209m、その後は200mごと
先週のミルローズゲームとは違って2周目がそこまで速くなかったことが、ケジェルチャが先週のように6周目以降に失速しなかった理由なのかもしれない。 (今回のレースはマイルではなく1500mなので7周目にラストスパートをかけることもあり、7周目は先週よりも速かった)。 デイビット・モンティが指摘したように、実際には先週のケジェルチャの1000mの通過(2:20.41)は、今日の彼の1000mの通過(2:21.27)よりも速かった – 今回のケジェルチャは後半失速しなかった。
テフェラの記録は1マイルで3:47.97の記録に相当する
1500m → 1マイルの記録への変換では、変換値の1.0802を掛けると、3:31.04は1マイルで3:47.97(室内1マイル世界新記録)に相当する。
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