ドバイマラソン2019:男子はゲタネ・モッラが2:03:34の初マラソン世界最高記録で優勝、女子はルース・チェプゲティチが2:17:08(世界歴代3位)で優勝、ワークネシュ・デゲファが2:17:41で2位に入る

ルース・チェプゲティチはいとも簡単に連続サブ2:20の最短記録を更新して力をつけているようにみえるが…

ルース・チェプゲティチが初めてサブ2:20を達成(さらにサブ2:19も達成)したのは、ちょうど75日前の11月11日のイスタンブールマラソンでそれまでの自己記録を4分更新する2:18:35で走ったときだった。今日の彼女の2:17:08の自己新をもって連続サブ2:20の最短記録をいとも簡単に更新してみせた。これまでの連続サブ2:20の最短記録はティルネッシュ・ディババが達成した中168日だった。

これまでに8人の女子選手がサブ2:20を2回達成しており、そのうちの3人だけが最初のサブ2:20から1年以内にサブ2:20を達成している。

【女子マラソン連続サブ2:20の最短記録】
ルース・チェプゲティチ – 中75日(2018年11月→2019年1月)
ティルネッシュ・ディババ – 中168日(2017年)※そのあと途中棄権を1度挟んで再び2018年にサブ2:20達成
キャサリン・ヌデレバ – 中182日(2002年→2003年)
ポーラ・ラドクリフ – 中182日 (2002年)※ラドクリフは2002年→2003年に3レース連続でサブ2:20を達成
リタ・ジェプトゥー(ドーピング選手)– 190日 (2013年→2014年)

チェプゲティチは確かに大きく力をつけてきている。tilastopaja.euのデータによれば彼女はこれまでに4回のマラソンを走り、その全てでうまく走れている(マラソン3勝、1番遅い記録が2:22:59)。ハーフマラソンではこれまでに10戦5勝の戦績であるが、昨年の世界ハーフマラソン選手権では13位、昨年のコペンハーゲンハーフでは4位に入っており、自己記録は66:19である。

唯一の懸念すべき点は、彼女がフェデリコ・ロサを代理人としていることである。ロサはリタ・ジェプトゥージェミマ・サムゴング(リオオリンピック女子マラソンで1位入線)という2人の強力なEPOによるドーピング選手の代理人を務めていたからである(さらにはアスベル・キプロプの代理人も務めていた)。

ドバイマラソンは賞金を半分に削減したが、さらなる…高速レースとなった

レース前の展望で、ドバイマラソンの賞金が前回からどのようにして大幅に削減されたかについて話題に挙げた – 前回は男女の総賞金額が81万6,000ドルで優勝賞金が20万ドル。今回は男女の総賞金額が38万5,000ドルで優勝賞金が10万ドルであった。しかし、賞金を削減するとこれまでよりも記録が低迷すると思ったのは間違いだった。

それでは、なぜ今日の記録はこれまでよりも速くなったのだろうか?

男子のペースはこれまでよりもやや遅かったのが結果的によかったのかもしれない。

2016〜2019年のドバイマラソンの中間点での先頭集団の通過記録
2019年:61:43(優勝記録 2:03:34
2018年:61:36(優勝記録 2:04:00)
2017年:61:33(最初の5kmを14:26で入り:優勝記録 2:04:11)
2016年:61:39(優勝記録 2:04:24)

気象条件に関しては近年のレースとさほど変わらなかった。以下は、過去5回のドバイマラソンの現地時間の午前6時(この2年のスタート時間)の気象条件である。

2019年:気温18℃, 湿度86%, 中程度の風
2018年:気温16℃, 湿度88%, 弱めの風
2017年:気温21℃, 湿度68%, やや強めの風
2016年:気温17℃, 湿度82%, 弱めの風
2015年:気温15℃, 湿度77%, 弱めの風

しかしながら、気象条件について2点補足しておくことがある。1つ目は、今日はレース中に少し涼しくなった。我々のiPhoneアプリの気象データによれば、スタート時に18℃だった気温がフィニッシュ時には17℃に低下していた。2つ目は、前回(2018年)からスタート時間が午前6時30分から午前6時00分に変更されたことである。その変更はスタートからまだ涼しく暗い中で走れる時間を30分長くした。よって、前回と今回ともに男女で大会新記録が生まれたのは偶然でないのかもしれない。

もちろん、他にも好記録をアシストしたと考えられる点がある。1つは“確率”である。もし、毎年2:03のペースでたくさんの選手を含んだ先頭集団が形成されているならば、少なくとも1人か2人かは最後まで粘っていて速く走れるかもしれないということである。

そして、世界レベルのマラソン選手のレベルが上がり続けるにつれて、また誰かが最後までその集団に残れる可能性も同様に高まる。では、なぜ世界レベルのマラソン選手のレベルが上がっているのか。 次の項目を参照して欲しい…

アディダスの選手のヘルパッサ・ネガサはナイキヴェイパーフライ4%を履いて大幅な自己新を記録した

我々は、近年のマラソンの高速化の理由がナイキのヴェイパーフライ4%によるものであるだけ、とは言いたくない – メアリー・ケイタニーがわずか2ヶ月前のニューヨークシティマラソンで後半のハーフを66:58で走ったのはアディダスのシューズによるものだった – しかし、実際は昨年のエリウド・キプチョゲの2:01:39の世界新記録を含めて、近年の多くの好記録がヴェイパーフライ4%を履いてのものだった。

今日のドバイマラソンでは、男子のトップ2の選手がヴェイパーフライ4%を履いており、女子優勝のチェプゲティチも同じシューズを履いていた(女子2位のワークネシュ・デゲファは 2:17:41で走った – それはヴェイパーフライ4%によるものではなかった)。

しかし、あなたは選手たちがランニングシューズが武器になると真剣に考えていることを知った方がいい。すべてのメジャーマラソンの後に、誰かがレッツランの掲示板で、非ナイキの選手(※ここではナイキ以外のメーカーとプロ契約をしている選手を指す)が、ひそかにヴェイパーフライ4%でレースに出ることを企んでいることについて話題になっていた。そして、実際に我々はドバイでそれを目の当たりにした。

以下を参照して欲しい。

2位に入ったヘルパッサ・ネガサはアディダスのユニフォームを着ていたが、ナイキのヴェイパーフライ4%を履いており、そのシューズは塗装されているようにみえる(ナイキのスウッシュが確認できる)。

ちなみに、ネガサは5分以上の自己新で走り(2:03:40)、今では史上10番目に速いマラソン選手である。

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2019/01/marathon-madness-in-dubai-getaneh-molla-runs-20334-debut-record-ruth-chepngetich-21708-worknesh-degefa-21734-move-to-3-4-on-all-time-list/

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