2018年レッツラン世界ランキングTOP10【3000mSC】

2018年も終わりを迎えようとしている。今年で5回目となるレッツランが独自に選ぶ世界ランキングを発表する。このランキングは我々の主観に基づいているため、選出には下記の基準を採用した。

・大きい大会での成績に重点を置いた。2018年は屋外の世界大会がなかったが、ダイヤモンドリーグファイナルや世界室内選手権などがあり、それらの大会結果が選出の重要な要素になっている。また、ダイヤモンドリーグの通常シーズンの結果も重要な要素である。

・シーズンベストも考慮。良い記録をたくさん出した選手は、上位にランクインするようになっている。

・専門外の種目も選考対象になるが、ある一定数のレースに出場していないとランキング対象外となる。

・室内レースも考慮されランキングに反映される。

男子3000mSC

左足のスパイクが脱げてしまったがキプルトはDLファイナルで優勝

1. コンセスラス・キプルト • ケニア • 24歳 • シーズン最高記録 8:08.40(ランキング5位)• ダイヤモンドリーグ王者  • コモンウェルスゲームズ金メダル • アフリカ選手権金メダル • ケニア選手権優勝

Embed from Getty Images

DL成績: ユージン2位, ローマ優勝(非DLレース), ラバト12位, モナコ3位, バーミンガム優勝, チューリヒ優勝(DLファイナル)

コンセスラス・キプルトについて確実に言えること。それは、彼は本番に調子を合わせてくるということだろう。
昨年のロンドン世界選手権6週間前まで、足首の故障の影響でトラックレースを1本しか走らなかったのにも関わらず、ロンドン世界選手権本番では見事優勝した。昨年のブリュッセルでのDLファイナルでは、最後の障害で3mのビハインドを縮め、エル・バッカリを交わして優勝した。

しかし、今年のチューリッヒでのDLファイナルで彼がやってのけたことは、それらをも凌駕する。最初の水濠のすぐ後、キプルトの左足のシューズが脱げ、残り5周以上をシューズが片足脱げた状態で走らざるを得なくなった。最後の水濠でエル・バッカリの3m後ろにつけており、その後キプルトエル・バッカリを交わして優勝を果たした。

キプルトのフィニッシュと同じぐらい良かったのが、キプルトの走りをモニターで見ていたDLファイナルの選手控室での他選手達の反応である。

もちろん、キプルトが我々のランキングで1位になったのは、このレースだけのおかげではない。今年出場した重要な大会の全てで優勝している。コモンウェルスゲームズ、アフリカ選手権、コンチネンタルカップ。そして、ローマDL(非DLレース)とバーミンガムDL。キプルトの彼の勝ちパターンは異次元のラストスパートである。2000年代後半から2010年代前半にエゼキエル・ケンボイが3000mSCを独占した時によく似ている。

キプルトは来年のドーハ世界選手権での優勝を狙っているが、サブ8:00分ももう1つの大きな目標だ。キプルトの調子が良ければ達成可能だと思うが、2017年も2018年もサブ8:00は達成できなかたった。2019年についに出るかどうか?

2. スーフィアン・エル・バッカリ • モロッコ • 22歳 • シーズン最高記録 7:58.15(ランキング1位)• アフリカ選手権銀メダル

Embed from Getty Images

DL成績: ラバト3位, モナコ優勝, チューリヒ2位(DLファイナル)

6月27日のMediterraneanゲームズでシーズン初戦を迎えるまでレースに出なかったので、シーズン前半を逃したかたちになる。DLも7月13日が初戦だった。しかし、ラバトDLで3位に入った後、モナコDLで今季世界がとなる7:58を出した。DL王者のキプルトから0.04秒遅れただけだった。彼が我々のランキング2位になるには十分な結果だろう。

 

3. エヴァン・ジェイガー • アメリカ • 29歳 • シーズン最高記録 8:01.02(ランキング2位)• 全米選手権優勝

Embed from Getty Images

DL成績: ユージン3位, モナコ2位, チューリヒ3位(DLファイナル)

4. ベンジャミン・キゲン • 25歳 • シーズン最高記録 8:06.19(ランキング3位)

DL成績: ユージン優勝, ローマ2位(非DLレース), ラバト優勝, モナコ4位, バーミンガム5位, チューリヒ9位(DLファイナル)

3位にジェイガーキゲン、どちらを選ぶかは本当に難しい選択だった。ジェイガーの対キゲンの成績は2勝1敗で、記録もキゲンより速く(8:06から8:01)、DLファイナルにおいてはキゲンに14秒差の大差で勝利している。しかし、ジェイガーは今シーズンDLで勝っていない。キゲンは2度優勝した(ジェイガーのホームであるユージンDLでの勝利も含まれる)。そして、ローマDLでは2位だった(非DLレースであるが)。

最終的に、我々はジェイガーを選んだ。キゲンは今年の最後の方で調子を崩しており、今年の彼らにとって1番大きなレース(チューリッヒでのDLファイナル)ではジェイガーの方が明らかに勝っていた。エル・バッカリがDLを3レースしか走っていなくても我々のランキングで2位に入ったのだから、ジェイガーを3位にしても良いだろう。

2018年のジェイガーキゲンは素晴らしかった。ジェイガーはモナコDLでサブ8:00を目指して果敢な走りをしたが、ラスト1周で十分なスピードが出ず、エル・バッカリに次いで8:01.02で2位に入った。自身の持つ自己記録い僅かながら及ばない全米歴代2位の記録だった。ジェイガーは目標を達成させることができなかったが、彼が3000mSCで残していた成績は、これまでケニア人が独占してきた種目においてとても大きな意味がある。アメリカ人選手が8:00ちょっとの記録を出し続けることは、普通はできないことである。ジェイガーは過去5年で毎年8:05を切っている。DLでの優勝を目標にできるのも、すごいことである。まだ8:00を切ったことがないにせよ、アメリカ人最高の3000mSCの選手として、そこ差をこれからも詰めてくるだろう。

そうはいっても、ジェイガーが屋外の世界大会の選手権がないこのオフの1年に、ヨーロッパで3レースしか走らなかったのは残念である。もし自分がジェイガーだったとして、自己記録が3000mSC8:00.45、5000m13:02.40ならば、サブ8:00とサブ13:00のために、もっと多くのレースを走るだろう。足首の故障の影響でジェイガーがコンチネンタルカップに出場できなかったのは知っているが、2014年もジェイガーはヨーロッパで3レースしか走っていない。ジェイガーがここ何年間、コンスタントに成績を出しているのは素晴らしいことであるが、2019年には現状を変えてくれることに期待したい。多くレースを走ることで結果が出ないのであれば、また2020年には以前のスタイルに戻せばいい。

ドーハ世界選手権の3000mSCが10月1日にスタートするので、2019年6月30日のユージンDLで記録を狙ってほしい。ユージンDLを走り、7月12日のモナコDLを走り、7月末の全米選手権である。それでも、ドーハ世界選手権まで9.5週間ある。他の選択肢は、早めに調子を整え、5月3日のDL初戦のドーハDLで記録を狙う。そして、その2週間後のUSATFディスタンスクラシック(Oxy)か、ポートランドでサブ8:00分を狙えばいい。ドーハ世界選手権まで19.5週間あるから、その間にまた基本に戻ってドーハ世界選手権への準備をすればいい(全米選手権はUSATFディスタンスクラシックの10週間後であり、6月末のユージンDLの出場を取り止めるにはナイキの許可が必要である)。

ベンジャミン・キゲンは、2018年以前はあまり知られた選手ではなかった。今シーズンはモナコDLで4位。2017年はDLファイナルで6位に入ったが、今シーズンの5月のDL初戦でのユージンDLでジェイガーキプルトに勝つことなんて、誰も予想していなかったであろう。7月のラバトDLでも優勝し、それがまぐれでなかったことを証明した。今シーズン終盤は奮わなかったが、来年のドーハ世界選手権のメダル候補として注目の選手ということは間違いないだろう。

 

ページ【1】【】【▶︎

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中