2018年レッツラン世界ランキングTOP10【1500m】

4. ヤコブ・インゲブリクトセン • ノルウェー • 18歳 • シーズン最高記録 3:31.18(ランキング4位)• 欧州選手権金メダル(5000mとの2冠) • U20世界選手権銀メダル

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DL成績: ユージン4位(非DL種目), ストックホルム優勝(非DL種目), モナコ4位

2018年シーズン、インゲブリクトセンはまだ17歳だった(9月19日に18歳になった)。しかし、彼の走りは17歳の走りとは思えないほど熟練している。彼が注目されたのは2017年のユージンDL。当時16歳だった彼が、史上最年少で1マイルのサブ4を達成した時である。しかし、これは序章にすぎなかった。今年、自己記録3:31.18(1500m)と3:52.28(1マイル)を出し、U20世界選手権の1500mでは銀メダル獲得(この種目での非アフリカ人選手のメダルを獲得は18年ぶり)、そして同大会の5000mでは銅メダルを獲得した(この種目での非アフリカ人選手のメダルを獲得は24年ぶり)。

欧州選手権の1500mと5000mでも優勝している。欧州選手権84年の歴史で、未だかつて、どの年代、男子女子含めて、この偉業を成し遂げた選手は誰もいない。

欧州選手権は世界選手権とはもちろん違うが、彼は良い選手が揃う1500m決勝で見事優勝したのである。世界室内選手権銀メダリストのマーチン・レワンドウスキジェイク・ワイトマンも同じレースを走っていた。彼はゴール後、勝負の行方がわからなくなりながらも優勝した。夏のモナコDLで出した3:31.18は、今季世界4位の記録であり、ユージンDLでは世界トップクラスのシニア選手たちに混じって4位でフィニッシュした。もう1度言うが、17歳でこれをすべてやってのけた。驚くべき17歳である。

正直にいうと、このランキングの3〜6位に誰を選ぶか非常に迷った。インゲブリクトセンは6位以下だと思う人がいれば、それに関して議論するつもりもないが、モナコDLでスレイマンイギデールと接戦で勝った事を考えると、彼のランクはこの2人よりも上である。世界選手権がなかった2018年において、モナコDLは非公式の世界選手権のようなものだといえるし、ヤコブはそこで素晴らしい走りをした。

(※)インゲブリクトセン関連記事:

ヤコブ・インゲブリクトセンが欧州選手権の5000mを13:17.06(欧州U20新記録)で制して1500mとの2冠を達成

インゲブリクトセン兄弟の閾値トレーニング(閾値走・LT走)

 

5. アヤンレ・スレイマン • ジブチ • 26歳 • シーズン最高記録 3:31.19(ランキング5位)• アフリカ選手権4位

DL成績: ユージン8位(非DL種目), ローマ4位, パリ2位, ラバト3位, モナコ5位, チューリヒ3位(DLファイナル)

スレイマンの2018年の走りを一言で表すならば“堅実”であろう。屋外の1500mや1マイルで優勝したレースはなかったが、8レース中トップ5に入らなかったのはユージンDLの1レースのみだった(ラスト109mで5位から8位に順位を落としたレースとなった)。厳しかった2017年シーズンからの復活を思わせる2018年シーズンとなったといえる。2017年は6つのDLレースでDNF、11位、10位、6位に終わり、ロンドン世界選手権では予選落ちという厳しいシーズンだった。

 

6. アブデラッティ・イギデール • モロッコ • 31歳 • シーズン最高記録 3:31.59(ランキング6位)• 世界室内選手権銅メダル • アフリカ選手権6位

DL成績: ドーハ6位(非DL種目), 上海3位, モナコ14位, チューリヒ4位(DLファイナル)

 

7. マーチン・レワンドウスキ • ポーランド • 31歳 • シーズン最高記録 3:35.06(ランキング25位)• 世界室内選手権銀メダル • 欧州選手権銀メダル

DL成績: ラバト9位

(※)男子800mでも10位にランクイン

 

8. ブラヒム・カアゾウジ • モロッコ • 28歳 • シーズン最高記録 3:31:62(ランキング7位)

DL成績: ラバト優勝, モナコ6位, チューリヒ5位(DLファイナル)

 

9. アマン・ウォート • エチオピア • 34歳 • シーズン最高記録 3:31:90(ランキング10位)• 世界室内選手権4位 • アフリカ選手権5位

DL成績: 上海6位, ユージン10位(非DL種目), ローマ8位, パリ4位, ラバト7位, モナコ8位, チューリヒ6位(DLファイナル)

 

10. フィリップ・インゲブリクトセン • ノルウェー • 25歳 • シーズン最高記録 3:30:01(ランキング3位)• 欧州選手権12位

DL成績: オスロ4位, パリ6位, ラバト2位, モナコ3位, チューリヒ7位(DLファイナル)

女子1500m

 

DLファイナルはミューアが優勝

1. ローラ・ミューア • イギリス • 25歳 • シーズン最高記録 3:58.15(ランキング5位)• ダイヤモンドリーグ王者 • 欧州選手権金メダル • 世界室内選手権銀メダル

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DL成績: ユージン2位, ストックホルム2位, ローザンヌ2位, ロンドン5位, ブリュッセル優勝(DLファイナル)

(※)女子3000m / 5000mでも10位にランクイン

彼女の2018年はとても忙しい1年だった。3月のバーミンガム世界室内選手権では、自身初の国際大会のメダルとなる2つのメダルを獲得した(1500mで銀メダル、3000mで銅メダル)。彼女の地元であるスコットランドのグラスゴーでは大雪の影響で交通機関がマヒし、最初に行われた3000mに出場するために、ミューアは会場まで6時間かけて、300マイルの道のりをタクシーで移動し、その後でのメダル獲得だった。5月、獣医師になるための最終試験に合格。8月には、欧州選手権で初タイトルを獲得、2度目のダイヤモンドリーグ年間タイトルも獲得し、2018年で唯一、3:59を3度切った選手である。

ミューアはこれまでも世界最高の選手の1人であったが(我々のランキングでは過去3年間、5位、2位、4位にランクインしていた)、彼女の戦略的なレース運びは、この2018年に新たなレベルになった。オリンピックや世界選手権で途中までメダル圏内にいながらラスト200mで遅れてメダルを逃した2016年や2017年の走りが悪かったわけではない。両レースでも、彼女は積極的な走りをしたが、フェイス・キピエゴンの仕掛けに反応できなかった。今年のミューアは、仕掛けてそのままそのスピードをゴールまで維持するジェニー・シンプソンのラストスパートに似た走りをした。その結果、世界室内選手権では銀メダルを獲得し、DLファイナルではシェルビー・フーリハンの追撃を抑えた。そして、レッツランのランキング1位に躍り出た。

もちろん、キピエゴンは今シーズン、出産のためレースに出ておらず、ゲンゼベ・ディババは今年の屋外1500mで結果を残していない。そのため、ミューアの戦略的なレース運びが例年に比べて有利に進めることができたのだ。

 

2. シファン・ハッサン • オランダ • 25歳 • シーズン最高記録 3:57.41(ランキング3位) • 世界室内選手権銅メダル

DL成績: ローザンヌ3位, ロンドン優勝, バーミンガム優勝, ブリュッセル3位(DLファイナル)

(※)女子3000m / 5000mでも2位にランクイン

フーリハンハッサン、どちらを2位に選ぶかは非常に難しかった。彼女たちは同じような成績を残していたからだ。2人ともダイヤモンドリーグで2回優勝しており、シーズンベストはたった0.07秒しか違わない(ロンドンDLでのハッサンの4:14.71の1マイルの1500m通過記録が彼女のシーズンベストである)。3戦同じレースを走ったが、順位が2つ以上空いたレースはない。フーリハンが2勝1敗で勝っているのだが、我々はハッサンを2位にした。彼女は世界室内選手権に出場し(銅メダルを獲得、フーリハンは4位。フーリハンはDL決勝で2位だったが、ハッサンが前夜のDLファイナル5000mを走っていたことが少し影響している)、ロンドンDLでの1マイル4:14.71という記録は1500mだと3:55.80に換算され、フーリハンのシーズンベスト3:57.34よりもかなり速い記録である。

 

3. シェルビー・フーリハン • アメリカ • 25歳 • シーズン最高記録 3:57.34(ランキング2位)• 世界室内選手権4位 • 全米選手権優勝 • 全米室内選手権優勝

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DL成績: ユージン優勝, ローザンヌ優勝, ブリュッセル2位(DLファイナル)

(※)女子3000m / 5000mでも8位にランクイン

長い間、アメリカ女子1500mのトップに君臨していたのはジェニー・シンプソンであったが、2018年の状況は変わった。

2018年フーリハンはただ単にシンプソンに勝ったのではない。3つのレースでのタイム差は、レースを重ねるごとに大きくなっていた。ユージンDLでは0.31秒差、全米選手権では0.73秒差、そしてブリュッセルでのDLファイナルでは5.63秒差という大差をつけている。シンプソンは今でもワールドクラスの選手である。今年は、フーリハンが彼女を上回ったのだ。

フーリハンは2018年以前もアメリカでは有名な選手だった。2016年のリオオリンピックでは決勝進出を果たしており、2017年全米選手権優勝後のロンドン世界選手権でも決勝進出をしている。2大会とも1500mと5000m両方の種目での出場だった。しかし、2018年に彼女はレベルを格段にあげてきた。3年に及んでジェリー・シューマッハーコーチのもとでのトレーニングで、彼女はスピードと筋持久力を組み合わせることができたのだ。それによって、トラックにおけるアメリカ女子選手として素晴らしい結果を残した。2度のダイヤモンドリーグ優勝、3:57.34の自己記録(全米歴代4位)、そして5000mでは14:34.45の全米記録を出した。

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