2018年レッツラン世界ランキングTOP10【800m】

2018年も終わりを迎えようとしている。今年で5回目となるレッツランが独自に選ぶ世界ランキングを発表する。このランキングは我々の主観に基づいているため、選出には下記の基準を採用した。

・大きい大会での成績に重点を置いた。2018年は屋外の世界大会がなかったが、ダイヤモンドリーグ(DL)ファイナルや世界室内選手権などがあり、それらの大会結果が選出の重要な要素になっている。また、ダイヤモンドリーグの通常シーズンの結果も重要な要素である。

・シーズンベストも考慮。良い記録をたくさん出した選手は、上位にランクインするようになっている。

・専門外の種目も選考対象になるが、ある一定数のレースに出場していないとランキング対象外となる。

・室内レースも考慮されランキングに反映される。

男子800m

DLファイナルはコリルが優勝

1. エマニュエル・コリル • ケニア • 23歳 • シーズン最高記録 1:42.05(ランキング1位)• ダイヤモンドリーグ王者 • アフリカ選手権銀メダル

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DL成績: ドーハ優勝, ユージン優勝(非DL種目), ロンドン優勝, バーミンガム優勝, ブリュッセル優勝(DLファイナル)

コリルの2018年シーズンは、男子800mの中でも最高に良かった。2012年にデイビッド・ルディシャが1:42を3回切ったあの忘れられないシーズン以来の良さである。ルディシャの2012年シーズンは、ロンドンオリンピック決勝で1:40.91の世界記録を出した年でもある。コリルが2018年素晴らしかった理由は次の通り。

  • コリルはダイヤモンドリーグ王者で、DLのレースで4戦4勝している。ユージンDLでも印象的な勝利を収めている。ユージンDLではダイヤモンドリーグ常連のライバル選手たちと対決し、転倒しスピードを失うも、それでも優勝した。
  • コリルはロンドンで1:42.05の今季最高記録を出した。ルディシャが同じトラックで2012年に世界記録を出したが、それ以来の最速記録となった。
  • 室内レースであるミルローズゲームで1:44.21を出した。この記録は室内では歴代4位の記録であり、ここ17年間では最速記録であった。
  • 彼が唯一負けたレースはアフリカ選手権だった。スタート時にアクシデントがあり、何人かの選手が(コリルも含め)、スタートの反応が遅れてしまった。それでもナイジェル・アモスに次いで2位でフィニッシュした。

アフリカ選手権でのスタート時のミスの他でコリルの今シーズンの唯一の失敗は、世界室内選手権を走らなかったことだ。コリルは大会には出場するために、ニューヨークの英国領事館でビザを受け取る予定だったのだが、領事館側の手続きミスによってビザの手続きをすることができなかったのだ。法的にイギリスに入国できず、コリルは※テキサスへ戻り、その後そのフラストレーションをダイヤモンドリーグでぶつけたのである。2018年最高の800m選手がビザの問題で世界室内選手権に出場できないなんて馬鹿げた話である。彼はその7か月前に同じくイギリスで開催されたロンドン世界選手権に出場していたことを考えればなおさらだ。とんだ茶番である。

(※)ケニア人のコリルは大学時代(UTEP)から現在でもテキサスでトレーニングをしている。コリルを指導しているのはUTEP(テキサス大学エルパソ校)のコーチであり、ソウルオリンピック男子800m金メダリストのポール・エレング(ケニア)。男子800mの全米学生記録(1:43.25)を持つマイケル・サルニ(UTEP)らのケニア人らと母校のテキサスでトレーニングをしている(2018年のコリルのトレーニング動画)。

 

2. ワイクリフ・キンヤマル • ケニア • 21歳 • シーズン最高記録 1:43.12(ランキング4位)• コモンウェルスゲームズ金メダル

DL成績: 上海優勝, ユージン3位(非DL種目), ローマ優勝, ロンドン3位, ブリュッセル6位(DLファイナル)

ナイジェル・アモスとダイヤモンドリーグで2回勝ち、コモンウェルスゲームズでも優勝したキンヤマル、どちらが2位になるかは難しい決断だった。キンヤマルがロンドンで出したシーズンベスト1:43.12は、アモスのシーズンベスト1:42.14からほぼ1秒遅いが、キンヤマルは今シーズンアモスに2勝1敗しており、コモンウェルスゲームズでも勝っている。

まだ21歳のキンヤマルは、2017年シーズン終わりに自己記録をほぼ2秒も更新した1:43.94をロべレートで出し、2018年も結果を残せる選手であるということを身を持って証明してみせた(しかし、最後は苦戦を強いられ、DLファイナルでは6位に終わっている)。彼にとってアフリカ以外では初の選手権となったコモンウェルスゲームズでの活躍後、来年のドーハ世界選手権ではメダルを狙いにいく。ケニア代表に選ばれればではあるが。

 

3. ナイジェル・アモス • ボツワナ • 24歳 • シーズン最高記録 1:42.14(ランキング2位)• アフリカ選手権金メダル

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DL成績: ユージン2位(非DL種目), モナコ優勝(非DL種目), ロンドン4位

2014年と2017年に我々のランキングでトップに立っていたアモスにとって、今年はムラのある1年ではあった。しかし、モナコで出した1:42.14という記録は今年世界3位の記録(クレイトン・マーフィーの1:43.12)よりもほぼ2秒も速い記録である。我々のランキングで3位に入りそうな他のライバル選手とも良い接戦を繰り広げた。マーフィーには2勝2敗、ファーガソン・ロティチには2勝1敗、世界室内選手権王者のアダム・クチョットには3勝0敗。アモスは2014年コモンウェルスゲームズ以来、苦戦を強いられてきたが、それは今年も続いた。4月のコモンウェルスゲームズの男子800m決勝では最下位となった。しかし後になって、その時ふくらはぎの故障を抱えていたことがわかった。モナコDLでの優勝とアフリカ選手権、そしてモナコDLでの1:42.14の記録(当時、2012年以来の最速記録)で、彼は我々のランキングで3位に入った。

アフリカ選手権でコリルに勝ってチャンピオンになったこと(コリルはスタート時のアクシデントでハンデがあったのだが)、そしてキンヤマルよりも2秒速い記録で走ったことを考慮すると、キンヤマルではなくアモスを2位にすることもできたのだが、キンヤマルの方が2勝1敗で勝っているので、キンヤマルを2位にした。

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2018年レッツラン世界ランキングTOP10【800m】」への1件のフィードバック

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