基本的なトレーニング
【週間トレーニングサイクル】
- 135㎞ / 週
- 理想は140㎞(90マイル)程度を基本にしたいが、故障歴を鑑み現在の状況となっている。現在は手術とリハビリから回復したばかりなので、40マイル程度から初めて50マイル・60マイル・50マイル・65マイル…と少しずつ以前の量まで戻していく予定だが、最終的に以前の量が適切かどうかは今のところはわからない。
月曜日:休養
火曜日:午前イージーラン・午後イージーラン + 100m・ハードルドリル
水曜日:ワークアウト(ポイント練)
木曜日:午前イージーラン・午後イージーラン
金曜日:午前イージーラン・午後イージーラン
土曜日:ワークアウト(ポイント練)
日曜日:ロングラン
※ 週2回のジムトレーニング(アキレスローディング、基礎体力、ドリル)
※ イージーランは非常にリラックスしたペース
【トレーニングのポイント】
- 無酸素よりも有酸素トレーニングを重視
- ランナーのタイプとして、800mよりも5000mの能力が高い1500m選手
【好きなトレーニング】
- 基本的なワークアウト(スピードトレーニング)
- 特にミシガン・テンポ + ショートレップスなどのロングワークアウトが気に入っている
【好きなコース】
- ネイピアのトゥキトゥキヴァレー
- しかしロングランはロードでもトレイルでも気分のままにどこでも走る
【ジュニア期:14歳から15歳の時にトレーニングを始めた時】
週間走行距離 50㎞ / 週
月曜日:ヒルトレーニング
火曜日:テンポ走(クラブでのトレーニング)
水曜日:イージーラン
木曜日:スピード練習(芝生トラック)
金曜日:休養 ※ジムトレーニング
土曜日:レース
日曜日:ロングラン
- 各週でサッカーの大会。サッカーの試合とレースの両方を行う週もある。
18歳頃には90㎞~100㎞ / 週であった。最も練習をした週で120㎞というものがあったが基本的には100㎞以下であった。
【大学時】
火曜日:ワークアウト
金曜日:ワークアウト
土曜日:レース(レースの場合は金曜日のワークアウトは行わない)
日曜日:ロングラン
- ジムワークは行わなかった。コーチがジムワークを特に好まなかったため
- 月曜日・水曜日・木曜日はグループで軽いランニングや流しを行う
これまでに3つの流れのトレーニング計画サイクルを経験したが、基本的には週に2回のワークアウト・1回のロングランという内容が入っているものである。ジュニア期に練習を特に意識して変えたことはないという。というのも、ジュニア期には各能力が大きく成長していく(これはランニングのみに限らず)。そのため自然な成長と適度なトレーニングが合わさって競技力は自然に伸びていった。
「トレーニングというものを変える必要はない。必要なことはトレーニングの内容を少しずつレベルアップさせていくこと。能力が開発されてきたならば、その能力を開発するために今までのトレーニングを少し引き上げてやればいい。簡単な例でいうと、ジュニア期には軽いランニングのペースは5分/㎞が今は4分/㎞に変わった。これは有酸素の能力が上がれば疾走タイムも上がることに比例して自然な流れであった。ほとんどの能力は開発段階に応じて、内容の中で変化があるが結果的に開発しようとしているトレーニングと能力は同じ。体が慣れてきたら少し刺激を与えてあげるだけ」
「レースに関しては、ジュニア期やそれ以前は、できる限り多く出ていた。何より楽しかったからね。しかしそのころは毎週の楽しみという感じで、特にレースのパフォーマンスについては気にしていなかった。最も変わったことといえば、今はピークを作るために年間やそれ以上の計画を立てるということ。ワークアウトを行う曜日は変わったけれども、週間のトレーニングで見れば特に変わったことは今までない」
「2015~2016年は、コーチのスティーブがネイピアに練習を見に来たりした。お互いに、ただ練習計画について話し合っていくだけではうまくいかないという認識がある。そして練習はコーチに報告するよりも、コーチが練習を見て調整し、討論していく方がうまくいくと考えている。2017年にウェリントンに引っ越してきて、いまは近くで練習を共にできる。これから少しずつステップアップしていく状況ができていたと思う」
エリックは故障により長い間走れない状態が続いているが、彼が話す言葉とトレーニングの見据える先には大きな希望とそれが可能であるという自信が感じられる。エリックにニュージーランド人のランニングの強さのポイントを伺ったところ次のような答えが返ってきた。
KIWIランナーの強さのポイント
- メンタルコントロール
「KIWIはレースでの気持ちの切り替えがうまくできるところが、1つの強みであると思う。例えばレースに行く電車が遅れて、計画した時間通りに物事が進まない時多くの選手・コーチはレースを前に焦ってしまうことが多い。ニュージーランド人は良くも悪くもいつもリラックスしている。もし電車が遅れても、道が混んでいてもレースの前に体力を消費してしまうようなことはしない。考え過ぎたり、心配したりすることはレースの前には必要のないことだ。コーチは心配するかもしれない。それはコーチの仕事だからね」
「しかし、選手の仕事は、そのレースでベストなパフォーマンスを発揮することだ。レースの前までに計画されたことを予定通りにすることではない。そこまでに多くの変更点があっても、そのことに対して悩むことはない。レースに入ればスイッチが入る。すべてはそのレースでの走りに気持ちを集中させることができる。この集中させる能力が、いつも以上の能力をレースで発揮することに繋がっている」
- 自分に期待する
「トレーニングを他人と比べない。自分のトレーニングを自分がどれだけできたのか」
“この選手のこの練習はすごい。このタイムのためにはこれだけできないといけない”
「こんなことは考えない。自分のトレーニングを自分が思うようにこなせていけば結果はついてくる。練習の結果で別の選手に勝つ必要はない。自分の方が練習はあまりしていないかもしれない。練習を比較されたときに劣っていて“負け犬”になっても構わない。しかし、自分にとって練習はレースで最高の状態になるように準備しているだけである。そこまでの過程を比べる必要な全くない。自分自身のトレーニングにおける練習中・期間・レースで自分の成功を信じる続けること、それによって自信を深めることこそが最も大切なことである」
(リオオリンピックの標準記録を目指しての挑戦。ニック、ハーミッシュ、ジュリアンと共に)
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