“史上最強”から“史上最速”に到達 – 2:01:39 – エリウド・キプチョゲが世界新記録でベルリンマラソン2連覇

エリウド・キプチョゲの次なる目標となるのは何だろうか?

今回の時点で、“史上最強かつ史上最速”を手に入れたキプチョゲに対して妥当性のある議論はない。彼は世界記録を更新(しかも大幅に)、リオオリンピック金メダル、そしてマラソンで11戦10勝(この9レースで9連勝)。キプチョゲは公式にはまだ33歳で、なおかつ彼は走ることを好んでいるので、今後すぐに引退することはないだろう。それでは、彼はマラソンで他に何ができるだろうか?

彼がまだ達成できることとして、以下の3つがある。

① (マラソンでの)2度目のオリンピック金メダル獲得

アベベ・ビキラ(エチオピア、マラソンで1960年、1964年オリンピック連覇)と※ ワルデマール・チェルピンスキー(東ドイツ、マラソンで1976年、1980年オリンピック連覇)だけが、オリンピックの男子マラソンで2回のマラソン金メダルを獲得したことがある。 キプチョゲは2020年の東京オリンピックで優勝を狙うことができる。

(※ チェルピンスキーは東ドイツの共産主義の体制により“ドーピングをしていること”が明らかであった。しかし未だにメダル剥奪とはなっていない。そのようなことを考慮すると、現実的には1972年のオリンピックで金メダルを獲得し、オリンピック連覇を狙い1976年のオリンピックでチェルピンスキーに敗れて銀メダルに終わったフランク・ショーターがこのリストに名を連ねるのにふさわしい)

② マラソンの史上最強は誰か?の議論で圧倒的優位の地位を継続していくこと

キプチョゲの今後のさらなる記録の向上を望む人もいる。彼はオリンピックで優勝しているが、ボストンマラソンやニューヨークシティマラソンを走ったことがない。彼はマラソンの歴史において“史上最強かつ史上最速”を手に入れたので、それらのレースに出る必要性がないが、今回キプチョゲが達成したことは他のレースでは達成することが困難である(ボストンは非公認、ニューヨークは急坂がある)。

③ マラソン以外の長距離種目を含めて“史上最強の長距離選手”となれるか?

これは最も興味深いものである。 近代では長年にわたって“史上最強の長距離選手”は誰か?という議論ではケネニサ・ベケレハイレ・ゲブレセラシエの2人を中心としてその議論が展開されている。しかし、キプチョゲがトラックではなく(トラックでも金メダルを獲得しているが)マラソンにおいてこれまで多くの偉業を達成しており、この議論で重要な立ち位置となってきている。つまり、トラックではベケレゲブレセラシエに分があるが、マラソンにおいてはキプチョゲに分がある。

キプチョゲが今後マラソンで優勝し続けるならば、ある時点で、キプチョゲがマラソンで達成してきたことが評価されて、“史上最強の長距離選手”となり得る可能性がある。

キメットとキプチョゲのラップを比較

2014年ベルリンでの2:02:57と、今回の記録との比較でいえば、キプチョゲ はすべての地点で高速ペースを維持しているが、キメットは30 〜 35kmを14:10でカバーしている。

【ベルリンマラソン男子:上位25位】
1 エリウド・キプチョゲ(ケニア)2:01:39(世界新記録)
2 アモス・キプルト(ケニア)2:06:23
3 ウィルソン・キプサング(ケニア)2:06:48
4 中村匠吾(日本)2:08:16
5 ゼルセナイ・タデッセ(エリトリア)2:08:46
6 佐藤悠基(日本)2:09:18
7 Tsegay, Okubay (ERI) 02:09:56
8 上門大佑(日本)2:11:07
9 Canchanya, Wily (PER) 02:12:57
10 van Nunen, Bart (NED) 02:13:09
11 Da Silva, Wellington (BRA) 02:13:43
12 Da Silva Noronha, Vagner (BRA) 02:14:57
13 Cabada, Fernando (USA) 02:15:00
14 van Peborgh, Nick (BEL) 02:15:04
15 De Bock, Thomas (BEL) 02:15:19
16 村山謙太(日本)2:15:37
17 Martin, Brendan (USA) 02:16:26
18 Hicks, Malcolm (NZL) 02:16:28
19 Spence, Julian (AUS) 02:16:39
20 Martelletti, Paul (NZL) 02:17:29
21 Orta, Luis Alberto (VEN) 02:17:48
22 O’Hanlon, Gary (IRL) 02:19:06
23 Devos, Gerd (BEL) 02:19:14
24 Wuve, Berihun (ISR) 02:19:45
25 Threlfall, Brady (AUS) 02:19:53

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2018/09/greatest-ever-20139-eliud-kipchoge-crushes-world-record-win-2018-berlin-marathon/

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