IAAF・U20世界選手権3日目:ジョージ・マナンゴイ(ケニア)がスリリングな競り合いを制する – 世界室内王者のサムエル・テフェラ(エチオピア)は5位でメダルを逃す

新聞の報道では、フィンランドのタンペレで行われているU20世界選手権(世界ジュニア選手権)の男子1500mは大会でも注目の種目とされており、決勝のレースは期待通りの白熱したレースとなった。

レースが終わり、U18世界選手権金メダリストのジョージ・マナンゴイ(ケニア)は、U20世界選手権金メダルの称号を自身の経歴に加えた。そして、 世界で最も若くしてサブ4マイラーとなったヤコブ・インゲブリクトセン(ノルウェー)は、U20世界選手権男子1500mにおいて16年ぶりに※非アフリカ系選手として銀メダルを獲得した。

(※モロッコ生まれの帰化選手=カタール人選手もアフリカ系選手としてカウント)

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エチオピアの世界チャンピオンのサムエル・テフェラ(エチオピア)は成す術なく最後に失速した。その通り、世界室内選手権で金メダルを獲得した – 4ヶ月前(世界室内)まではプロのレベルで活躍し、しかも今季は3:31.63で2位にランクインしているあのテフェラが、だ。テフェラは中盤からレースを動かし先頭に立ったが、最後の第4コーナーまでリードを保った後、ラスト100mで次々と交わされたため、U20世界選手権で5位にしか入れなかった。

たとえ、最後のキックにテフェラが欠けていても、最後の直線ではマナンゴイ、インゲブリクトセン、3:32を持つジャスティス・ソゲットによる激しい競り合いでラスト25mでの劇的なドラマで幕を閉じた。

レース結果と分析は下に記載するが、まずは以下の動画に劇的なラスト100mの競り合いを見ることができる。

 

【レース結果】

順位 BIB 選手 国籍 記録
1 458 ジョージ・マナンゴイ KENKEN 3:41.71
2 503 ヤコブ・インゲブリクトセン NORNOR 3:41.89
3 462 ジャスティス・ソゲット KENKEN 3:42.14
4 305 ジェイク・ヘイワード GBRGBR 3:43.76
5 265 サムエル・テフェラ ETHETH 3:43.91
6 563 Elzan BIBIC SRBSRB 3:44.65 PB
7 102 Oussama CHERRAD ALGALG 3:45.17
8 504 Sondre JUVEN NORNOR 3:45.40
9 264 Birhanu SORSA ETHETH 3:45.47
10 658 Cooper TEARE USAUSA 3:46.18
11 128 Callum DAVIES AUSAUS 3:46.35
12 498 Robin VAN RIEL NEDNED 3:48.65
通過記録

300m 46.64 ジャスティス・ソゲット(ケニア)
700m 1:51.61 サムエル・テフェラ(エチオピア)
1100m 2:48.10 サムエル・テフェラ(エチオピア)

 

【レースフル動画】

これは素晴らしいレースだった

このようなレベルの高いレースでは – もう一度言うが、世界室内王者でさえも5位にすぎなかった – このレースは素晴らしい決勝のレースに値するものだった。ラスト25mで金メダルを争う3人の競り合い以上にスリリングなものはない。このような凄まじいレースを展開した全ての選手に拍手を送る。

マナンゴイ兄弟は強烈なラストスパートを持っている

熱心な陸上ファンにとって、エリジャ・マナンゴイの登場は2015年に訪れ、マナンゴイはラスト35mで5位から2位への凄まじいスプリントをみせ北京世界選手権の男子1500mで銀メダルを獲得した。

これまでのジョージ・マナンゴイを見ていると、兄の北京でのレースと同じくラストが切れることは容易に想像できた。ジョージ・マナンゴイは実際には最終コーナではポケットされた状態で直線に入ったが、冷静に対処して外に持ち出し、ラスト100mでスプリントを爆発させた。 ラスト1周の52.87というラップは、特にマナンゴイがラスト100mでやっと切り替えたということを考えると、素晴らしいラスト1周だった。

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ジョージ・マナンゴイは17歳(正式にはヤコブ・インゲブリクトセンよりも2カ月若い)であるが、昨年ホームのケニア・ナイロビで行われたU18世界選手権のタイトルを獲得して以来、今日までほとんど無名の選手ではなかった。しかし、今日は彼のキャリアの中で最も大きな勝利を収めた。

そして、マナンゴイが世界で最も優秀な1500mの選手(シニアを含めて)として議論されるのかどうかの1つに、彼の自己記録の3:35.53がある。今日、彼は選手権レース(ペーサー無しの勝負)で素晴らしいスプリントを持っていることをみせたが、DLのサーキットで3:31または3:32のハイペースのレースで競り合える能力を持っているのだろうか。

忘れるなかれ、彼は5月31日のローマDLで3:41の14位に終わっている(彼のロンガイアスレチッククラブのチームメイトのティモシー・チェリヨットが優勝し、そこから10秒後にマナンゴイはフィニッシュした)。我々の予想では、ジョージ・マナンゴイが直近のDLレースで上位を走っていることは、それほど多くないだろうということである。彼は兄のエリジャに似た技術を持っている。

そして、エリジャは、北京世界選手権での銀メダルの後、DLサーキットでうまく走れるようになって以来、これまでずっと世界レベルの最高の位置を走ってきた。速いペースのDLレースで優勝するためには、ジョージにとってはあと1〜2年かかるかもしれないが(今年は誰もチェリヨットに近づくことはできなかった)彼のスプリント力は王者になるための資質を備えている。

ヤコブ・インゲブリクトセンの素晴らしい走り

残念なことにインゲブリクトセン兄弟にとってマナンゴイ兄弟は、昨年のロンドン世界選手権でエリジャフィリップを倒し、ジョージが今回ヤコブを破ったため、依然として劣勢となっている。

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しかし、ヤコブは1500mや3000mSC、5000mなどオールラウンドランナーであることを証明し続けているので、兄弟にとって劣勢であることはヤコブが失望しなければならない唯一のことである。

それを表すように、プリクラシックでは1マイルを3:52で走り、オスロDLではのロビー・アンドリュース(アメリカ)とクリス・オヘア(イギリス)のそれぞれの国内チャンピオンに接戦を見せ、さらに昨年は16歳にしてロンドン世界選手権に出場(3000mSC)。インゲブリクトセンは世界最高のランナーたちに対しても類稀なる才能を発揮してきた。

今日、彼は非常にエキサイティングなレースにおいて素晴らしいスプリントを見せた(彼のラスト1周の53.28はこのレースを勝つのに十分だったかもしれない)。インゲブリクトセンについての多くの話は、彼が今後どれくらい活躍できるかということにフォーカスしているが、彼にはすでに将来の活躍が約束されている。

有力選手として厳しいマークを受けながら走ることは本当に難しい

先日の1500mの予選を経て、テフェラは世界室内選手権の金メダリストとして、また自己記録のランキング1位としても、予想の紙面では本命に推されていた。結果として、彼はレース全体をコントロールしようと考えすぎていた可能性があり、それが彼の最後の失速に繋がったかもしれない。

テフェラは800mで先頭に出たが、選手権スタイルの1500m決勝では難しい選択をしなければならない(リスクを取らなければならない)瞬間がある。最も大きなリスクの1つとして:どれくらい“脚”を残してそのリードを保っていくか?

ソゲットはラスト500m過ぎで1度テフェラから先頭を奪いかけたが、それに触発されてテフェラは(結果的にそこで1度脚を使わされた)ペースをあげて1度目のスパートに入った。テフェラがそのまま逃げ切れる保証はなく(超スローペースの戦術的なレースで3:58で世界室内選手権で優勝したのだが…)、テフェラは多くのリスクを承知でラスト450〜300mの間で仕掛けていった。

テフェラの今回のレースぶりを見ると、2016年のリオオリンピック決勝のマシュー・セントロウィッツの優勝がどれほど印象的だったかを示している。※ワイヤー・トゥ・ワイヤーでいくことは多くのリスクをとる(自分自身にプレッシャーをかける)こととなり、ラスト1周のスパートに関してはスパートのタイミングや脚の使い方、ペースまでを頭に入れて計算する必要性がある(少なくとも実力が拮抗している選手権スタイルのレースにおいては)。

(※wire-to-wire:1500mでいえば、最初からの独走、もしくは中盤からのロングスパートで逃げ切ることを指す)

セントロウィッツがスポーツの最大のステージ=オリンピックの決勝レースで、それを実現できたという事実=戦略的レースでの優勝は、彼の勝利がアメリカの中長距離走の歴史における最大の賞賛となった1つの理由である。

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2018/07/george-manangoi-wins-thrilling-mens-1500-2018-world-u20-championships-world-indoor-champ-samuel-tefera-fails-medal-5th/

 

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