ダイヤモンドリーグオスロ大会:女子3000mSCでハプニング、男子1マイルでエリジャ・マナンゴイが順当勝ち、男子1500mで地元ノルウェーのヤコブ・インゲブリクトセンが自己新記録も敗れる

2018年のダイヤモンドリーグシリーズは、美しい街オスロに場所を移し、風光明媚で季節外れに暖かい木曜日の夜に、ビスレットゲーム(ダイヤモンドリーグオスロ大会)が開催された。ノルウェーのインゲブリクトセン兄弟、男子マラソン欧州記録保持者のソンドレ・モーエン(彼の出身地ノルウェーは、陸上界において力を伸ばしてきている)など注目選手がいたが、今夜のレースではビッグスターが勝利を収めることはなかった。

その代わりに、注目は女子3000mSCへと集まった。障害の高さが男子の高さに合わせられており、それが原因となって何人かの選手が障害にぶつかってしまった。

しかし、他の競技は特に問題なく進行した。エリジャ・マナンゴイが、スローペースで戦略的なレースとなったドリームマイルで優勝、キャスター・セメンヤはもちろん女子800mで優勝、クリス・オヘアは、あまりレベルが高くなかった男子1500mで(優勝候補ヤコブ・インゲブリクトセンを破り)優勝した(ロビー・アンドリュースは3:36.05で走った)。

他の競技では、女子100mではディナ・アッシャー = スミスがイギリス記録を更新したが、ミュリエル・アウレには負けている。世界チャンピオンのラミル・グリエフが男子200mで19.90のタイムで優勝し復活を印象付け、アブデラマン・サンバは男子400mで優勝、男子10000mではペーサーだったドミニク・キプタラスがそのまま28:05.34で優勝した。

女子3000mSC:障害が男子の高さに設定されていたという事態が発生

今回のオスロ・ビスレットゲームの女子3000mSCで、第2コーナーの障害が男子基準の36インチに設定されていたという重大なミスが起こった。女子用の障害の高さは30インチである。

大混乱が起こった。まだ多くの選手が集団で走っているハードル飛越が始まる1周目(正確には2周目)、最初の集団は障害に引っかかることなく飛越できたが、後方集団の選手は、飛越に手こずり、障害に足を引っ掛けてしまう選手、お腹からぶつかってしまう選手もいた。

怪我するリスクを避けるため、2018年コモンウェルスゲーム金メダリストで、ジャマイカのアイシャ・プロートは障害飛越の前に完全に止まり、手を使って身体を引き上げていた。ロンドン世界選手権銀メダリストのコートニー・フレリクスもまた、この高すぎる障害を前にスピードを落とさなければならなかった。

アメリカのロンドン世界選手権金メダリスト、エマ・コバーンは問題なく障害を飛越できたが、彼女は即座に手を振るジェスチャーをして、スタンドの人に障害の高さが違うことを知らせようとした(レース後のコバーンのコメントによると、彼女は夫でコーチのジョー・ボスハードに知らせようとしていた)。

残念なことに、大会関係者は次の周も障害の高さを直すことができなかった。その次の周に障害の外側半分を女子用の高さである30インチに調節し、選手が近づいてきていたために、内側は36インチのままレーンの内側に入れた。選手はうまく30インチに調節された障害の外側を飛越した。写真のように、障害の内側部分はトラック内に入っている。

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障害の外側が女子の高さであるのに対して内側は男子の高さになっている

レースの後半は、障害は正しい高さに直された。

レース結果はというと、この混乱が少なからず影響したようだ。レースはコバーンとケニアの2016年リオオリンピック銀メダル、2017年ロンドン世界選手権銅メダルのヒヴィン・キーエンの戦いになった。

ペーサーが1000mを3:01.80で通過した後、ペースは遅くなりコバーンが先頭に立つ。ペーサーは1800m地点あたりで走るのを止め、コバーンは2000m地点を6:09.42で通過。コバーンはラスト1周の鐘が鳴るまで先頭を引っ張ったが、フィニッシュラインを過ぎる手前でキーエンコバーンの前に出る。

最終障害に入るところまでは、キーエンは数メートルほどコバーンからリードしていたが、ゴール手前で少しペースが落ちてしまった。しかし、コバーンはわずか0.07及ばず9:09.70の2位、キーエンは9:09.63で優勝した。

ドーハDLで3位(ローマDL7位)だったケニアのデイジー・ジェプケメイが9:16.87で3位に入った。間違った高さの障害の跳躍に苦労したフレリクスであったが、順位を上げ9:20.84の4位に入り、2018年の3000mSCの最初のレースを終えた。

大会側により重大なミスであったがコバーンは3000mSCマスターの実力を見せた

エマ・コバーンは、障害の高さが高すぎることにすぐさま気付いた。そのことは、彼女がなぜ3000mSCで優れた選手であるかを示している。彼女のハードリング技術は素晴らしい。出場選手の中の何人かは、跳躍の度にコバーンに差をつけられた。

高い障害を飛び越えるために、高く跳びすぎてしまうからだ。その選手たちは、恐らく障害が高すぎるということにさえ気付かなかったであろう。幸いなことに、怪我をした選手もいなかった。

コバーンの夫で、彼女のコーチであるジョー・ボスハードがトラックに入ってハードルの高さを直すよう促すまで、障害の高さは修正されなかったと、コバーンはレース後に話した。

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アイシャ・プロート(右端)はいつもより高いハードルの高さに戸惑い止まってしまう

コバーンは今回の混乱について、レース後にコメントを残した。

「3回も男子の高さの障害を跳躍しなければならず、かなりストレスを感じた。手で合図を送ったが、夫がトラックに出てきて大会側に申し出るまで、障害の高さは修正されなかった。混乱したけど、冷静になるよう努め、できるだけ気楽な気持ちになるように試みた」

「ストレスを感じたのでペースも遅くなってしまったが、今日のレースは正しい方向へのステップとして捉えている。自分のミスからローマDLの最後の水濠で転倒したが、今日は自分のミスではない。これからも練習を積み、今日のことは忘れようと思う」

「またここに戻ってきて、次は完璧な夜にして9:00切りをしたいけど、できればモナコDLで9:00を切りたい」

フレリクスにとってはちょうどいいシーズン幕開け

今日のレースはコートニー・フレリクスにとって今シーズン初の3000mSCだった(彼女は今年に入ってから2回しかレースに出場していない。2月の全米クロスカントリー選手権で4位、4月20日の1500mでは自己新記録の4:14.62)。彼女にとっては、これまでで1番良いシーズン初めのレースだった。

昨年、ロンドン世界選手権で銀メダルを獲った年、彼女のシーズン初戦はドーハDLで9:54だった。彼女はこの時体調を崩していたが、2回目のレースとなったプリクラシックで9:19.09で走った。

今日の記録はそれより少し遅かったが、バックストレッチで36インチの障害(男子の高さ)があったせいで、タイムロスをしている。彼女の過去のシーズン初戦の最高記録は、2016年5月1日の9:29.31だ。

【レース結果】
1 ヒヴィン・キーエン KEN 9:09.63
2 エマ・コバーン USA 9:09.70
3 デイジー・ジェプケメイ KEN 9:16.87
4 コートニー・フレリクス USA 9:20.84
5 アイシャ・プロート JAM 9:23.33
6 Yavi , Winfred Mutile BRN 9:27.76
7 Grøvdal , Karoline Bjerkeli NOR 9:29.94
8 Kirui , Purity KEN 9:39.23
9 Clarke , Rosie GBR 9:42.80
10 Adamu , Birtukan ETH 9:58.48
Gathoni , Ann KEN DNF
Tuigong , Caroline KEN DNF

男子ドリームマイル:エリジャ・マナンゴイがレースの主導権を握り優勝

ペーサーは409mを57.30で通過し、高速レースを予想させた。しかし、誰もペーサーにはついていかず、ペーサーは他の選手と大きく差をあけて走っていた。後方の選手は、バーレーンのサディク・ミクウ、ロンドン世界選手権メダリストのエリジャ・マナンゴイフィリップ・インゲブリクトセン(シーズン初レース)の順で走ったいた。

驚いたことに、809mを過ぎてもペーサーのジャミ・ウェブと後方には5秒もの差がひらいていた。後方集団の選手は2:03で809mを通過。37年前のオスロで、トム・バイヤーズがレースをかっさらっていったかの有名な展開を、ウェブがやってしまうのか?

そうではなかった。ペーサーであるウェブは走るのやめ、マナンゴイが先頭に。3周目でマナンゴイがわずかにスピードをあげ、3:02.17でラスト1周の鐘を聞く。しかし、昨年のオスロDLの優勝者ジェイク・ワイトマンマナンゴイのすぐ斜め後ろに上がってきて、誰が優勝するかまだわからない状態に。しかし、マナンゴイは自分の持つラストのスプリントを熟知しており、そのまま先頭を走り続け優勝を果たした。

Embed from Getty Images

マナンゴイはバックストレートでペースを上げ、集団後方にずっと潜んでいたヘンリック・インゲブリクトセンが外側から追い上げ3位に入った。彼の弟のフィリップは、マナンゴイとケニアのベスウェル・バーゲンに完全に挟まれてしまった。最終コーナーでスピードに乗ったマナンゴイに追いつける者は誰もいなかった。

マナンゴイが後続を引き離しにかかると、フィリップとの差は更に広がったが、フィリップの後ろでもっと挟まれていたのはミクウだった。ミクウは最終コーナーを曲がるとスペースを見つけ、マナンゴイに必死に追いつこうを最後の追い上げを見せるが、マナンゴイはラスト400mを54.68で走り、ラストの強さを証明した。彼の優勝記録は3:56.95。

ミクウは3:57.10の2位でゴールし、この2人の走りが突出したレースとなった。スローペースのレースではあったが、出場した11人の選手全員が3分台の記録で走り終えた。

【レース結果】
1 エリジャ・マナンゴイ KEN 3:56.95
2 Mikhou , Sadik BRN 3:57.10
3 Tolosa , Taresa ETH 3:57.92
4 Ingebrigtsen , Filip NOR 3:57.97
5 Essalhi , Younéss MAR 3:58.00
6 Ingebrigtsen , Henrik NOR 3:58.46
7 Gregson , Ryan AUS 3:58.47
8 Birgen , Bethwell KEN 3:59.10
9 Wightman , Jake GBR 3:59.15
10 Taki , Kumari KEN 3:59.20
11 Andrè , Thiago BRA 3:59.87
Webb , Jamie GBR DNF

記録は良くなかったが世界王者のエリジャ・マナンゴイが自分の作戦を試すには良い機会となった

マナンゴイと彼のコーチ、バーナード・オウマは速いペースで走るのを好むが、今日の3:56という記録にがっかりしている訳ではなかった。マナンゴイは、レースでの即座の判断のもとに先頭に位置し、そのまま優勝したからだ。多くのマイル選手が先頭を走りたがらない(後続の選手の目標にされるので)が、強い自信があるのであれば、スローペースのレースで終盤までに先頭に位置することは、良い戦略になる。

その1つの例が、2016年リオオリンピック決勝のレースである。そして、今日オスロでも似たようなレース展開となった。レースが終わる頃には、マナンゴイミクウが出場選手の中で速い選手だということは明らかになっていた。しかし、マナンゴイはラスト2周においては最短距離(先頭で常にレーンの内側をキープしていた)を走ることができたし、自らの位置取りについて心配する必要はなかった。

一方、ミクウはラスト1周でスパートするために(ポケットされていたので外側に出る必要があり)ポジションを取りに行かなければならず、やっと集団から抜け出せた時(前が開いた時=ラスト100m)には、マナンゴイに追いつくのは遅かった。

直近2回の世界選手権でメダルを獲得しているマナンゴイは、既に一流選手であるが、自分が得意としない展開のレースを経験することは良いことだし、今回の最初の2周のスローペースはマナンゴイが普段から慣れている速さではなかった。様々な展開のレースを経験すればするほど、その展開が次に訪れた際に、上手く対応することができるようになる。

「ドリームマイルで優勝できて特別な気持ちだ。次ももう1度勝ちたい。いとも簡単に勝ったように見えるけど、難しくレースだった。どんなペースでも対応できる。ラスト100mは積極的に走りたいと思っていた」

レース後、マナンゴイはこのように話した。

全てのダイヤモンドリーグのレースにペーサーは必要なのか?

今回のレースは高速レースとならなかった、見ていて面白いレースだった。最近、選手がペーサーについていくかどうかは50%の割合である(最初の200mでペーサーが飛ばし過ぎてしまう場合もあるが)。自然と疑問が浮かんでくる。ダイヤモンドリーグの全てのレースには、果たしてペーサーが必要なのであろうか?

答えは恐らく「必要ない」である。モナコDLのように、出場選手の全員が速い記録を狙っている大会では、ペーサーは必要になってくる。しかし、そうではない大会でのペーサーの役割は少なく、選手の戦略を時には邪魔してしまうのでは、と言われてもおかしくない。

今になって起きた議論ではないが、オスロDLでペーサーに誰もついていかなかったことを考えると(女子3000mSCだけが、唯一ペーサーについていったレースだった)、※もっと考えていかなければならない事柄だと思う。

(※トラックとロードは違えども、世界6大マラソンにもペーサーのいないボストンマラソン、シカゴマラソンやニューヨークシティマラソンがあるように)

男子1500m:クリス・オヘアがラストのスプリントでロビー・アンドリュースとヤコブ・インゲブリクトセンを破る

非DL種目の男子1500mは、誰もペーサーについていかない中、地元ノルウェーの天才ヤコブ・インゲブリクトセンが序盤から先頭を走った。最初の400m(インゲブリクトセンは58秒通過、ペーサーの約13m後ろ)、インゲブリクトセンが一直線に並んだ後方集団を引っ張っていた。クリス・オヘア、アメリカのパット・キャシーロビー・アンドリュースが、それぞれ2、3、4番手の位置を走っていた。

800mでもその順番は変わらず、ラスト1周の鐘がなりインゲブリクトセンはまだ先頭を走っていたが、7人の選手がインゲブリクトセンを抜こうと戦闘態勢に入る。その後ペースは少し落ちるも、ラスト200mの段階で誰もインゲブリクトセンを抜こうとする選手はいなかった。しかし、オヘアは後ろから追い上げ、最終コーナーでインゲブリクトセンを捉えた。

しかし、インゲブリクトセンも諦めず、ロビー・アンドリュースも最後のスプリントをでゴールになだれ込む。3人の選手がラストの直線で競ったが、アンドリュースオヘアとの差を詰め切ることができなかった。インゲブリクトセンも、最後はオヘアアンドリュースに挟まれる形になってしまった。オヘアがゴール前の接戦を制し、3:35.96でフィニッシュ、その後ろでアンドリュースが3:36.05、インゲブリクトセンが3:36.06でゴールした。インゲブリクトセンは自らの持つ※17歳世界最高記録を更新した。

(※年齢詐称があるアフリカ勢を除いたもの

【レース結果】

1 クリス・オヘア GBR 3:35.96
2 ロビー・アンドリュース USA 3:36.05
3 ヤコブ・インゲブリクトセン NOR 3:36.06
4 Akankam , Hicham MAR 3:36.94
5 Casey , Patrick USA 3:37.06
6 Elkaam , Fouad MAR 3:37.14
7 Berglund , Kalle SWE 3:37.40
8 Williamsz , Jordan AUS 3:38.21
9 Heyward , Jake GBR 3:39.84
10 Rogestedt , Johan SWE 3:40.81
11 Tiouali , Mohammed Ayoub BRN 3:40.84
12 Weinans , Valentijn NED 3:45.17
King-Clutterbuck , Dale GBR DNF
Koros , Bernard KEN DNF

クリス・オヘアの印象的な走り

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プリクラシックで4位に入り強い印象を残したインゲブリクトセンは、地元開催のこのレースで優勝候補であった。アンドリュースが最終コーナーで外側に広がった時に、アンドリュースは勝てない、アメリカチャンピオンがここで勝つのは難しいだろうと思ってしまった。しかし、ラスト100mの走りが素晴らしかったのは、ミルローズゲームのワナメイカーマイルチャンピオンのオヘアだった。実力のある選手が何人かいる中、見事勝利をもぎ取った。

「ドリームマイルには招待されなかったから、自分自身の力を証明したかった。証明してみせたよ」

オヘアはこう話した。

アンドリュースのコーチのジェイソン・ヴィジランテは教え子の走りに満足の様子

アンドリュースの最近の2レースはあまり良いものではなかった。5月19日のアディダス・ブースト・ボストンゲームスの800mで1:47.78の6位、6月1日にスペインでの800mで1:49.27の5位。しかし、コーチのジェイソン・ヴィジランテはトレーニングが順調に進んでいることを知っていたので、その結果が今夜のレースで発揮されたということだろう。

「良い走りだったと思う。ここ何か月かはずっと良い練習ができていて、レースへ向けた調整も良かった。とても嬉しいよ。この早い段階で3:36が出たということは、これからもっと良くなるだろう」

ヴィジランテはレッツランにこのように話した。

アンドリュースが2012年に出した自己記録の3:34.78を更新するには、もう少しやるべきことがあるだろう。アンドリュースは自己記録更新を狙ってはいるが、一方でヴィジランテは日々進化していくことを望んでいるようだ。

「大きな目標は進化し続けること。今年は世界選手権orオリンピックがないので注意深くならなければ。辛抱強く、練習を積み重ねることだ」

アンドリュースの調子が良く、良い走りができ、走ることを楽しんでいる。僕も幸せは気持ちだ」

そうヴィジランテは述べた。

女子800m:セメンヤが24連勝

2018年、キャスター・セメンヤのトラックの走りに関しては、もはや何の疑問もない。セメンヤはラスト100mで後方を引き離し1:57.25で優勝、800mで24連勝。セメンヤが800mで負けたのは、2015年9月が最後だ。

キャスター・セメンヤを取り巻く問題は別のところにある。IAAFの高アンドロゲン症に関する新ルールが、果たして本当に11月1日から施行されてしまうのかどうかだ。1番気になるのは、それまでに、セメンヤはどれだけ勝利を積み上げることができ、どれだけ速く走ることができ、そして1500mまで距離を伸ばして、そこでもレースを支配することができるかどうか、ということだろう。

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直近3年の間でセメンヤを破るのに1番近い選手と言われているフランシン・ニヨンサバは、400m通過でセメンヤと近い位置におり、それぞれ58.0と58.1で通過、ペーサーはその前で57.52で400mを通過した。セメンヤは右足に黒のテーピングをしており、彼女は現在100%の状態なのだろうか、と心配した人もその答えはラスト100mでわかった。

この時点ですでにニヨンサバに差をつけていたセメンヤは、ラスト100mのさらなるスパートで後方を突き放し2位に1.32差をつけて優勝。ラスト100mは13.35で走った。ニヨンサバは、ハビタム・アレムの強烈なスパートをなんとか阻止し、0.01差で2位を死守し記録は1:58.57だった。アメリカのブレンダ・マルティネスは2:00.74のシーズンベストを出して6位だった。

【レース結果】

1 キャスター・セメンヤ RSA 1:57.25
2 フランシン・ニヨンサバ BDI 1:58.57
3 Alemu , Habitam ETH 1:58.58
4 Jepkosgei , Nelly KEN 1:58.96
5 Muir , Laura GBR 1:59.09
6 Martinez , Brenda USA 2:00.74
7 Büchel , Selina SUI 2:00.78
8 Hynne , Hedda NOR 2:01.46
9 Elvemo , Yngvild NOR 2:01.65
10 Lindh , Lovisa SWE 2:02.49
Bibik , Olha UKR DNF

非公式であるがアレムのラスト100mの追い上げはセメンヤのラスト100mよりも速かった

今年トラックでセメンヤが800mで負けたところを見ていないが、もしそれを期待している人がいるのならば、アレムのラスト100mの記録12.8は、セメンヤの13.5よりも速かった。セメンヤの目標は勝ち続けることだ。

「1周目はもっと速いペース、57秒ぐらいを期待していた。そうすれば簡単に1:55台は出せると。でも、そういうペースにならなかった。速いペースで走れる準備はあったけど、1:57は悪くないタイム。もちろん、レースで勝てることを楽しんでいる。パリDLで800mをこれから走って、ローザンヌDLで1500m、そしてもう1回800m。今年のメインの目標は、ダイアモンドリーグのトップになって、全てのレースで勝つこと」

ローラ・ミューアは自己記録の1:58.69に0.40及ばずだった。

「良いレースで私自身、良い走りができたけど、自己新記録を狙っていた。今日の記録は自己2番目の記録だけれども。1:58で走りたいと思っていたけれど、2周目のペースも遅くなってしまった。でも、今日の走りには満足。まだシーズン序盤だし、8月のベルリンでの欧州選手権がメインの目標だから。競技日程の関係で800mと1500mの2連覇を狙うのは不可能だけど、どちらのレースに出るかはまだ決まっていない。次は、ストックホルムDLで1500mを走るわ」

男子10000m:ペーサーのキプタラスが優勝

ハーフマラソン60:07、ロード10km 28:17の記録を持つドミニク・キプタラスが今回ペーサーとして起用された。8000mまでペーサーの任務をこなした彼は、調子が良かったのかそのままレースにとどまり、オーストラリアのスチュワート・マクスウィンと、スイスのジュリアン・ワンダースと競い合って優勝した。ちなみにオスロDLで10000mが開催されたのは1997年以来のことだ。

男子マラソン欧州記録保持者のソンドレ・モーエンも出場していたが、コーチのレナート・カノーバがレッツランの掲示板で予想した通り、28:37という記録で5位に終わった。

『今現在は、ソンドレの状態よりジュリアンの状態の方が良い。ジュリアンはここ何か月かで調子を上げている。それでも、昨シーズンの後半の調子まではまだ戻れていない。

しかし、1番の問題は気温。レースが行われる時間(午後7:10)、気温は24℃からレースの終わりは26℃まで上がる予報。ドリームマイルが行われる午後9:50頃には、気温は28℃まで上がり続ける予報で、これは中々興味深い。この時期のオスロにしては異常な程の気温である。ケニアで起こったことを考えると(2か月間雨が降り続いた)、過去5年間で世界の気候が変わっていないと考えているような人間はトランプ大統領だけだろうね』

(※レッツラン掲示板のレナート・カノーバのレース2日前の書き込みより)

【レース結果】

1 ドミニク・キプタラス KEN 28:05.34
2 スチュワート・マクスウィン AUS 28:05.37
3 ジュリアン・ワンダース SUI 28:07.15
4 Talbi , Zouhair MAR 28:31.73
5 ソンドレ・モーエン NOR 28:37.92
6 Vedvik , Marius NOR 29:13.27
7 Negash , Weldu NOR 29:21.23
Gabius , Arne GER DNF
Meucci , Daniele ITA DNF
Nilsson , David SWE DNF
Øygard , Eivind NOR DNF
Petros , Amanal GER DNF
Svela , Per NOR DNF
Vernon , Andy GBR DNF

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2018/06/womens-steeple-barrier-set-mens-height-oslo-bislett-games-chaos-ensues/

http://www.letsrun.com/news/2018/06/2018-bislett-games-recap-elijah-manangoi-wins-tactical-mile-jakob-ingebrigtsen-beaten-1500-abderrahman-samba-amazes/

 

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  1. ピンバック: 世界最高の1500mのトレーニンググループの秘密:マナンゴイ、チェリヨット、コーチのバーナード・オウマがいかにしてRACを最強のチームに変えたのか? – その1 – LetsRun.com Japan

  2. ピンバック: 世界最高の1500mのトレーニンググループの秘密:マナンゴイ、チェリヨット、コーチのバーナード・オウマがいかにしてRACを最強のチームに変えたのか? – その2 – LetsRun.com Japan

  3. ピンバック: 世界最高の1500mのトレーニンググループの秘密:マナンゴイ、チェリヨット、コーチのバーナード・オウマがいかにしてRACを最強のチームに変えたのか? – その3 – LetsRun.com Japan

  4. ピンバック: 世界最高の1500mのトレーニンググループの秘密:マナンゴイ、チェリヨット、コーチのバーナード・オウマがいかにしてRACを最強のチームに変えたのか? – その4 – LetsRun.com Japan

  5. ピンバック: 世界最高の1500mのトレーニンググループの秘密:マナンゴイ、チェリヨット、コーチのバーナード・オウマがいかにしてRACを最強のチームに変えたのか? – その5 – LetsRun.com Japan

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