ヘイワードフィールド改修工事へ:アラン・ウェブ、マシュー・セントロウィッツ、ニック・シモンズ、クリスチャン・コールマン、ジェニー・シンプソンがヘイワードでの思い出のレースを振り返る

ご存知だと思うが、オレゴン大学のヘイワードフィールドが今年解体され、2021年ユージーン世界選手権に向けて改修されることになった。1919年に建てられたこの競技場は、1921年から多くの陸上競技会を開催してきた。全米学生選手権15回、全米選手権7回、全米オリンピック選考会6回、2014年世界ジュニア選手権、そして毎年開催されるプリフォンテーンクラシック(ダイヤモンドリーグユージーン大会)とオレゴン州高校選手権である。

多くのアメリカ人選手達が、この40年もの間にこのヘイワードフィールドで走ってきた。それは、多くの海外選手も同じである(プーマの選手だったウサイン・ボルトは、なんとヘイワードフィールドでは走ったことがない)。もちろん、ヘイワードフィールドの歴史を見ていくと、オリンピックチャンピオン達もこの場で走ってきた。エリウド・キプチョゲは3000m(7:35.55)、モー・ファラーは5000m(12:56.98)、ケネニサ・ベケレは10000m(26:25.97)をここで走った。

ヘイワードフィールドが解体されるまでに、あと1つ大会が残っている。今週末の全米学生選手権だ。最近のアメリカ人スター選手たちに、ヘイワードフィールドでに思い出を聞くのはすごく面白いと思って、この記事を書いた。

アラン・ウェブ:2001年プリフォンテーンクラシック 男子バウワーマンマイル

「お気に入りのレースは2001年プリクラシックのマイルでジム・ライアンの高校記録を破ったときだ。自己記録のペースかそれより速いペースで走ったのは、自分のキャリアの中でもこのレース以外なかった。自分のレースを走れたし、スパートするスタミナもまだ残っていた。ラスト1周、まるで自分がボクサーのように感じた。対戦相手は不思議なことに手錠でつながれていて、自分は力いっぱいパンチできる、そんな感じがした。パンチをして、全力で走った」

「その日の出来事は、全て素晴らしかった。勝ちはしなかったけど、世界記録保持者のエルゲルージと一緒にラスト1周を走れた。スタンドの最前列に行って観客とハイタッチを交わして、ヘイワードの観客たちのおかげで、更に素晴らしい日になった。この競技場で、過去にどれだけの素晴らしい選手達が走ってきたことかと思いを馳せた。ヘイワードフィールドは特別な場所だ」

【レース結果:2001年5月27日】

1 ヒシャム・エルゲルージ MAR 3:49.92
2 Kevin Sullivan CAN 3:51.82
3 バーナード・ラガト KEN 3:53.14
4 Adil Kaouch MAR 3:53.40
5 アラン・ウェブ USA 3:53.43 = 1マイル全米高校記録       
6 Hudson de Souza BRA 3:54.39
7 Graham Hood CAN 3:54.62
8 Bryan Berryhill USA 3:55.01
9 Youssef Baba MAR  3:55.10
10 Raymond Yator KEN 3:55.12
11 Martin Keino KEN 3:56.87
12 Daniel Zegeye ETH 3:57.92
13 Ibrahim Aden USA 4:01.27

ニック・シモンズ:2008年北京オリンピック全米選考会 男子800m

「ヘイワードフィールドでの一番の思い出は、2008年北京オリンピック全米選考会でゴールした瞬間だ。ヘイワードフィールドではいつもより速く走れて、強いライバル選手にも勝つことができた。でも、初めてオリンピックの全米代表になった時のことは、何にも代えがたい思い出だ。この瞬間のために、たくさんのものを犠牲にしてきて、たくさんの苦難と乗り越えなければならなった。それは、身体的にも精神的にもね。夢を叶えるためには、それは必要なことだった」

「それに加えて、故郷のユージーンで、自分の家族や友人の前で代表になれたということも、なおさら嬉しかった。オレゴンを拠点にしていたアンドリュー・ウィーティングクリスチャン・スミスも、この夜一緒に全米代表になれたことも、本当に嬉しかった。ヘイワードフィールドでの思い出に残るレースではなく、僕のキャリアにおいても1番思い出に残っているレースだ。ヘイワードフィールドが解体される日は、悲しいだろうな」

【レース結果:2008年6月30日】

1 ニック・シモンズ OTC/Nike 1:44.10
2 Andrew Wheating Oregon 1:45.03
3 Christian Smith OTC/Nike 1:45.47
4 Khadevis Robinson Nike 1:45.53
5 Lopez Lomong Nike 1:45.58
6 Duane Solomon U S C 1:45.78
7 Jebreh Harris Reebok 1:46.21
8 Jonathan Johnson Reebok 1:48.11

ジェニー・シンプソン:2009年プリフォンテーンクラシック 女子1500m

当時22歳、コロラド大学の大学生だったジェニー・バリンジャー(彼女の旧姓)は、このレースで全米大学記録を6秒以上更新し、4:00を切った3人目のアメリカ人女性選手となった。

「2009年の1500mだわ。私はプロ選手たちの中に迷い込んだ子どもみたいだった。大会側は私を出場させる理由はなかったけど、親切にも走るチャンスを与えてくれた。自分の1500mの将来に感謝するように走ったわ。ここでは、本当にたくさんの良い思い出があるわ」

【レース結果:2009年6月7日】

1 Gelete Burka ETH 3:59.89
2 ジェニー・シンプソン USA 3:59.90 = 1500m全米大学記録
3 Anna Willard USA 4:01.44
4 Christin Wurth-Thomas USA 4:01.72
5 Shannon Rowbury USA 4:03.92
6 Nuria Fernández ESP 4:04.75
7 Nancy Langat KEN 4:05.05
8 Meskerem Assefa ETH 4:05.99
9 Erin Donohue USA 4:06.70
10 Shalane Flanagan USA 4:06.91
11 Treniere Moser USA 4:10.73
12 Shayne Culpepper USA 4:15.18

マシュー・セントロウィッツ:2011年全米選手権 男子1500m

「2011年の全米選手権だね。まだオレゴン大学の学生として走っていた。初めて全米選手権で優勝したのがその年で、家族や友達、みんなスタンドで見てくれていた」

「信じられないと思うけど、その夜に初めて外に出かけてパーティーをしたんだ。まだ幼かったし、パーティーとは無縁の大学時代だったからね。その夜は酔っ払ってルーク・プスケドラに介抱してもらっていた。自分より先にパーティーから帰ったチームメイトに『外で遊ぶのはいつも楽しいのか?』って聞いたのを今でも覚えている。彼らは『全然楽しくなんてないさ』と言ったよ。そっか、それは良かったと思った。普通の大学生としての経験をしてこなかったと思っていたからね」

「だから、この勝利は思い出だ。バーナード・ラガトが2位で、彼は僕にインスピレーションを与えてくれていた選手だ。自分の目指していた選手を破ったというのは、大きな意味を持つ勝利だった」

【レース結果:2011年6月25日】

1 マシュー・セントロウィッツ Oregon 3:47.63
2 バーナード・ラガト Nike 3:47.96
3 Leonel Manzano Nike 3:48.16
4 Andrew Wheating Oregon TC Elite 3:48.19
5 William Leer Nike 3:48.20
6 David Torrence Nike 3:48.31
7 Lopez Lomong Nike 3:48.54
8 Dorian Ulrey Arkansas 3:49.02
9 Kyle Miller Nike 3:49.38
10 Jordan McNamara Oregon TC Elite 3:49.61
11 AJ Acosta Oregon 3:50.02
12 Evan Jager Oregon TC Elite 3:50.11
13 Michael Hammond Virginia Tech 3:55.69

エヴァン・ジェイガー:2012年ロンドンオリンピック全米選考会 男子3000mSC

当時23歳だったジェイガーは、2012年4月19日に人生で初めての3000mSCを走った。その2か月後、初めての全米タイトルとロンドンオリンピックへの出場権を狙って全米選考会を走っていた。

「3000mSCは、まだ自分の中では新しい種目だった。すごくクールな体験だった。初めてオリンピック代表になれて、人生における目標に気づくことができた。しかも、自分にとってまた新しい種目だった3000mSCで代表になれた」

「どんなレースになるか、自分でもわからなかった。最初の2レースは、そこそこ上手く走れたと思ったけど、実際には3000mSCの走り方をよくわかっていなかったし、オリンピック代表になれるかどうかもわからなかった。だから、優勝してオリンピック代表になれたのは、この競技をこの先も続けていくのに大きなきっかけになった」

【レース結果:2012年6月28日】

1 エヴァン・ジェイガー  Nike / Oregon TC Elite 8:17.40
 2 Donald Cabral  Nike 8:19.81
 3 Kyle Alcorn  Nike 8:22.17
 4 Donald Cowart Ragged Mountain Racing 8:27.49
 5 Benjamin Bruce adidas/McMillan Elite 8:29.61
 6 Max King Central Oregon Running Klub 8:30.54
 7 Daniel Huling Reebok 8:30.76
 8 William Nelson New Balance 8:32.21
 9 Cory Leslie Ohio State 8:33.94
 10 Augustus Maiyo Unattached 8:35.61
 11 Brian Olinger Reebok 8:37.93
 12 Joshua McAdams New Balance 8:41.10
 13 Craig Forys Michigan 8:46.81
 14 David Adams Team Nebraska 8:48.83

クリスチャン・コールマン:2017年全米選手権 男子100m

コールマンの2017年全米大学選手権は歴史的なものだった。水曜日の予選で、コールマンンゴニザシェ・マクシャの持つ9.89という全米大学記録を塗り替えた。その9.82というタイムは、コールマンを世界歴代9位タイの順位に押し上げた。その2日後、男子100mで優勝、その後行われた男子200mでも優勝したが、世界にその名を轟かせたのは男子100mの走りだった。

「ここでは良いレースをしてきたよ。このトラックでオリンピック代表になった、全米大学記録も出した。1つのレースに絞ることはできないな。男子100mでナショナルタイトルを獲ったレースかな。そのために練習をしてきて、夢見てきたことだった。大学でアメリカナンバー1になりたかった。僕にとって歴史的な大会だったし、そのレースが1番の思い出だと言えるね」

【レース結果(風速 -2.1):2017年6月9日】

1 クリスチャン・コールマン JR Tennessee 10.04
2 Cameron BURRELL JR Houston10.12
3 Christopher BELCHER SR N. Carolina A&T 10.19
4 Kyree KINGSR Oregon 10.20
5 Jaylen BACON JR Arkansas State 10.25
6 Nethaneel MITCHELL-BLAKE SR LSU 10.26
7 Senoj-Jay GIVANS SR Texas 10.29
8 Odean SKEEN JR Auburn 10.97

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2018/06/hayward-field-set-demolished-pros-alan-webb-matthew-centrowitz-nick-symmonds-christain-coleman-jenny-simpson-recall-favorite-races-hayward/

 

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