2018年のダイヤモンドリーグは、ドーハから約6760km移動し遠くアジアの地、上海に舞台を移して開催された。 ポール・チェリモはもう少しのところで、DL初勝利を逃し、男子800m、男子1500m、女子3000mSCでは優勝候補だったケニア人選手がそのまま勝利を収めた。スティーブン・ガーディナーは連勝を伸ばし、ケンドラ・ハリソンの連勝はストップしてしまった。オマー・マクレオドは王座に返り咲き、中国人選手が男子100mで健闘した。
男子5000m:ポール・チェリモはラスト400mで19回も後ろを振り返り0.02秒差で優勝を逃す
今回、非グランプリ種目である男子5000mはダイヤモンドリーグのポイントにはならないが、出場選手はダイヤモンドリーグにふさわしい選手が揃った。ポール・チェリモがDLで初めての勝利を収めるかのように思えた。しかし、エチオピア生まれ、現在はバーレーンの選手となったベルハヌ・バリュのラストスパートに屈してしまった。ラスト数メートルでチェリモをかわし、ベルハヌは13:09.64、チェリモは13:09.66でゴールした。
ペーサーの設定は13:00(2:36/km)。2km(2:37.37)地点では設定ペースから1秒遅れで進んでいた。しかし、ペーサーが抜けると、ペースが落ち次の2kmは2:39と2:46でラップを刻み、ここで13:00切りの望みは消えた。
結果として、残り2周でまだ11人の集団になっており、先頭でレースを支配するファラーの戦略を仕掛けようとチェリモが先頭で引っ張る。残り2周の時点では、エチオピアのアバディ・ハディスのバックストレッチの攻防にも負けず、12:15で最終周を迎えたチェリモ。チェリモの後ろでは8人もの選手が優勝を狙っていた。
ラスト200mまでハディスはチェリモの後ろについていたが、バリュがスパートで2位に浮上。ロンドン世界選手権王者のムクター・エドリスは9人の集団の後方におり、昨年のロンドン世界選手権の決勝で見せたようなラストスパートをすることができなかった。
最終コーナーに入りチェリモがラストスパートをかけるも、バリュと18歳のケニア人スタンリー・ワイタカがチェリモにつくかたちとなり、チェリモは冷静さを失ったか、後方の様子を伺うために何度も後ろを振り向くことになってしまう。
ホームストレッチの途中までは、チェリモはなんとか先頭で持ちこたえられるだろうと思ったが、バリュのキックは衰えず、チェリモは最後の力を振り絞るように走る。チェリモは外側に位置を移し、それによりバリュも外側に広がるかたちとなり結局4レーンでゴールすることになった。しかし、それでもバリュは13:09.64で優勝し、チェリモとの最後の争いに競り勝った。チェリモは13:09.66でフィニッシュした。
ロンドン世界選手権、リオオリンピックの男子3000mSCチャンピオンのコンセスラス・キプルトは優勝争いに参加もできず、途中棄権に終わった。
5000 Metres - Men 1 Balew , Birhanu BRN 13:09.64 2 Chelimo , Paul USA 13:09.66 3 Waithaka , Stanley Mburu KEN 13:10.14 4 Rutto , Cyrus KEN 13:10.79 5 Edris , Muktar ETH 13:10.98 6 Melak , Nibret ETH 13:10.99 7 Hadis , Abadi ETH 13:11.04 8 Rop , Albert BRN 13:12.72 9 Kiplangat , Davis KEN 13:13.55 10 Kissa , Stephen UGA 13:25.40 11 McSweyn , Stewart AUS 13:31.97 12 Ayeko , Joel UGA 14:08.39 Kangogo , Cornelius KEN DNF Kazi , Tamás HUN DNF Kipruto , Conseslus KEN DNF Letting , Vincent KEN DNF Liu , Hongliang CHN DNF Gebrhiwet , Hagos ETH DNS
チェリモは堅実な走りをしたがもう一度自分の走りを見直す必要があるだろう
Embed from Getty Imagesファラーのように先頭でレースをコントロールする戦略を使いたいのなら、自分の後ろの選手に不意を突かれるような動きで捉えられないように、自分の競争相手の位置を把握しておかなければならない。しかし、相手の位置を把握するのと、何度も後ろを振り返ることは、全く違うことだ。
我々がカウントした数だと、チェリモはラスト400mで19回も後ろを振り返っている。そのうちの12回はラスト200mでのものである。たったの0.02秒差で勝負がついたこのレース、これ程後ろを振り返ったチェリモは、それだけでかなりのタイムを犠牲にしたと思う。ある地点を超えたら、振り返るのを止めて、自分のキック力を信じて走らなければならない。
また、チェリモは第3レーンでフィニッシュするべきではなかった。これは2流選手のやりかたで、もしそれが続けば失格に相当することになる。
スタンリー・ワイタカはケニア男子5000mの救世主となるか?
最近ケニア勢が男子5000mで苦戦を強いられている。2016年リオオリンピックではケニア勢は決勝にさえ進出できなかった。昨年のロンドン世界選手権で決勝に残ったのは、たった1人だった(サイラス・ルットの13位)。18歳のスタンリー・ワイタカが、そんなケニアの救世主となりうるだろうか?ワイタカは昨年の世界ユース選手権男子3000mで銅メダルを獲得しており、5000mの自己記録が13:57で今大会に挑んできた。しかし、彼は13:10.14という記録で自己記録を大幅に更新し、初めてのDLで3位に食い込んだ。
チェリモが第1レーンから第3レーンに大きく逸れている間、ワイタカがもし第1レーンを走っていれば優勝できる可能性もあったかもしれない。しかし、ワイタカは残り115mでチェリモとバリュを捉えようと、第2レーンにふくらんで無駄な力を使ってしまった。結局、2人を捉えることはできなかった。彼にはまだトップ選手とのレース経験が少ないので仕方がないだろう。
世界トップの男子5000m選手の座はまだ空いている
今日優勝したベルハヌ・バリュは、昨年のロンドン世界選手権では12位だった選手だ。一方、ロンドン世界選手権王者のムクター・エドリスは今回5位に終わっている。モー・ファラーはいとも簡単に男子5000mのトップに君臨し続けたように見えるが、もうそれは簡単なことでななくなっている。
アメリカ人選手の13:00切りはまたもやお預けに
遅かれ早かれ、チェリモは13:00切りを成し遂げると思うが、今日のレースを見て、それがそんなに簡単ではないことがわかった。ペーサーがいなくなってからの残り3000~4000mのペースを引き上げる走りをしてくれるような選手が必要である。今回のレースでは誰も前に出たがらなかったのでペースが落ちてしまった。
男子1500m:ティモシー・チェリヨットが今季世界最高記録をマークしサムエル・テフェラを破る
男子1500mは、バーミンガム世界室内選手権王者の18歳サムエル・テフェラと、ロンドン世界選手権銀メダリストの22歳ティモシー・チェリヨットの戦いになると予想していたが、全くその通りになった。最終的には、チェリヨットが3:31.48の今季世界最高記録で接戦を制し、テフェラは自己新記録で3:31.63の2位に入った(それまでの自己記録は3:33.78)。アブディラッティ・イギデールが3:32.72で3位に入った。
Embed from Getty Imagesテフェラは800m(1:54)地点で先頭におり、ラスト1周の鐘の段階(2:37)でもトップを走っていた。その後ろにイギデールとチェリヨットがついていた。しかし、チェリヨットが非公式ではあるがラスト1周を52.4(ラスト200mは26.5)のラップで走り、残り30mでテフェラを抜き去った。
1500 Metres - Men Pts 1 Cheruiyot , Timothy KEN 3:31.48 8 2 Tefera , Samuel ETH 3:31.63 7 3 Iguider , Abdelaati MAR 3:32.72 6 4 Simotwo , Charles Cheboi KEN 3:33.54 5 5 Soget , Justus KEN 3:34.33 4 6 Wote , Aman ETH 3:34.43 3 7 Andrè , Thiago BRA 3:35.40 2 8 Birgen , Bethwell KEN 3:35.95 1 9 Kibet , Vincent KEN 3:36.44 10 Gregson , Ryan AUS 3:36.94 11 Taki , Kumari KEN 3:37.66 12 Sasínek , Filip CZE 3:41.24 13 Luo , Yuxi CHN 3:45.68 Bett , Reuben KEN DNF Kiplangat , Cornelius KEN DNF
新たな1500m選手の誕生はエチオピア陸上界にとって良いニュースである
エチオピア勢は5000mや10000m、マラソンにおいて歴史的に素晴らしい記録を残してきたが、中距離に関しては、特に男子中距離の成績は芳しくなかった。3:31.00を破ったことがあるエチオピア人選手は、これまでに1人しかいない。テフェラの今日の記録3:31.63は、エチオピア歴代4位の記録となった。アメリカと比較すると、アメリカ人選手は6人が3:31.00を切っている。テフェラがアメリカ人選手としたら、アメリカ歴代9位の記録となる。
テフェラは上海で自己ベストを出して2位でゴールした。ケネニサ・ベケレが11年前、1500mの自己記録を出して2位でゴールしたのも、上海だった。
【男子1500mエチオピア歴代6傑】
- 3:29.91 アマン・ウォート 2014年 モナコ(世界歴代31位)
- 3:31.13 ムルゲタ・ウォンディム 2004年 ヒューズデン(世界歴代64位)
- 3:31.45 メコネン・ゲブレメドヒン 2012年 ヘンゲロ(世界歴代75位)
- 3:31.63 サムエル・テフェラ 2018年 上海(世界歴代88位)
- 3:32.18 デレッセ・メコネン 2009年 モナコ(世界歴代115位)
- 3:32.35 ケネニサ・ベケレ 2007年 上海(世界歴代119位)
男子800m:ケニアのキンヤマルとキティリトがレースを独占。マーフィーはシーズンベストを更新しウィンドルは失敗レースに終わる
ケニアのジョナサン・キティリトとワイクリフ・キンヤマルが男子800mの主役だった。コモンウェルスゲームケニア選考会の優勝者(コモンウェルスゲーム決勝では6位)のキティリトと、キンヤマル(コモンウェルスゲーム優勝)は、今季1:46を切っている唯一の選手であり、その力を見せてくれた。
400mを51.20で走るペーサーのブラム・ソムには誰もついていかず、残り1周でかなり差が開いていた。残り300mでペーサーが抜けると、先頭にたったのはキティリトだった。残り200mで後方集団と更に差を広げ、ゴールでも差は広がるばかりであった。キンヤマルが少し遅いスパートをかけるまではキティリトが先頭を走っていたが、ゴール手前でキンヤマルがキティリトを捉え、キンヤマルがそのまま1:43.91でゴールした。キティリトも1:43.95と、1:44を切ってゴールした。
マーチン・レワンドスキーが1:45.41と少し遅れて3位でゴール。アメリカのクレイトン・マーフィーは1:47.22というシーズンベストを大幅に更新する1:45.97の6位でフィニッシュ。バーミンガム世界室内選手権銀メダリストのドリュー・ウィンドルは、夜のレースにもかかわらずサングラスを頭につけたままレースに挑み、ラスト1周の鐘の段階ではマーフィーの前に位置していたが、ラスト1周でタイムを縮めることができず1:47.77の10位に終わった。
男子800mは今年、若手の争いになるのか?アメリカに拠点を置くケニア人選手 vs. キティリトとキンヤマルという構図になるか?
キティリトとキンヤマルは2018年調子が良く、これまで一緒にレースを戦ってきている(コモンウェルスゲームケニア選考会、コモンウェルスゲーム、そして今日の上海DL)。しかし、今季最高記録を持っているのはUTEP(テキサス大エルパソ校)のマイケル・サルニで、彼はドーハDLで優勝したエマニュエル・コリルと共に練習をしている。
800 Metres - Men Pts 1 Kinyamal , Wycliffe KEN 1:43.91 8 2 Kitilit , Jonathan KEN 1:43.95 7 3 Lewandowski , Marcin POL 1:45.41 6 4 Gakeme , Antoine BDI 1:45.73 5 5 McBride , Brandon CAN 1:45.78 4 6 Murphy , Clayton USA 1:45.97 3 7 Osagie , Andrew GBR 1:46.36 2 8 van Rensburg , Rynardt RSA 1:46.57 1 9 Lekuta , Solomon KEN 1:47.51 10 Windle , Drew USA 1:47.77 11 Ma , Junyi CHN 1:50.00 Som , Bram NED DNF
デイビット・ルディシャを追い抜くか?
レース後、キンヤマルはこのように語った。
「デイビッド・ルディシャと同じ村の出身なんだ。彼はずっと僕の見本となっている。彼の後を引き継ぐよ」
ドリュー・ウィンドルは失敗レースに
1年前までは、世界の舞台においてドリュー・ウィンドルが一体何者なのか知る者はほとんどいなかった。DLの舞台に立つこともなかった。しかし、今や彼もバーミンガム世界室内選手権銀メダリストであり、DLファイナリストになることに焦点を絞っている(NBCSN放送のジョシュ・コックスによると)。
しかし、今日のレースは彼にとっては失敗に終わり、観客は夜のレースなのになぜ彼が頭にサングラスをつけているのか知りたがったことだろう(確かにブルックスは今年ROKAと契約をしたが、夜のレースで、頭にサングラスをつける必要はないはずだ)。
サングラスは邪魔だったと思う。ウィンドルはDLで記録を出せると思っており、少し力み過ぎたのかもしれない。ウィンドルは必ず復活すると思うが、クレイトン・マーフィーの調子を見ると、全米選手権で勝つのはそう簡単なことではないだろう。
女子3000mSC:ノラ・ジェルトがラストのハードルで滑ってしまいベアトリス・チェプコエチが優勝
記録だけで見ると、今回の女子3000mSCは、2017年世界No.1のベアトリス・チェプコエチとケニアのライバル、ノラ・ジェルト、2人の戦いだと目された。彼女たちの自己記録は、他の出場選手を比べても圧倒的に速い(チェプコエチが8:59、ジェルトが9:03。他の出場選手で9:17を切っている選手はいなかった)。そして、レースはその予想通りに進んだ。序盤から2人が他の選手を引き離し、レースはほぼ2人での争いになった。
Embed from Getty Imagesラスト1周の鐘がなる前まで(7:56)はチェプコエチが引っ張り、そこからジェルトが前に出る。しかし、すかさずチェプコエチも反応し、第1コーナーで再び前に出る。最後の水濠までこの並びで走り、ジェルトがチェプコエチの外側を抜かそうと試みるも、チェプコエチが持ちこたえる。最終コーナーで、ジェルトがインサイドに入り、最後の障害でチェプコエチと並ぶ。
しかし、不幸な出来事がジェルトに起こる。最後の障害で、濡れたトラックの犠牲になってしまったのである。チェプコエチを抜かそうと残り50mの最終障害を飛越したが、着地後滑ってバランスを崩して転倒してしまったのである。彼女の優勝の望みはここで消えてしまった。
チェプコエチは9:07.27の今季最高記録で優勝を果たし、ジェルトは9:09.30の2位に入った。
3000 Metres Steeplechase - Women 1 Chepkoech , Beatrice KEN 9:07.27 2 Jeruto , Norah KEN 9:09.30 3 Jepkemei , Daisy KEN 9:15.56 4 Chepngetich , Roseline KEN 9:21.05 5 Kirui , Purity KEN 9:21.34 6 Chepkemoi , Joan KEN 9:22.85 7 Chemutai , Peruth UGA 9:22.94 8 Yavi , Winfred Mutile BRN 9:44.02 9 Chebet , Caren KEN 9:46.58 10 Cherono , Fancy KEN 9:47.48 11 Gathoni , Ann KEN 9:47.71 12 Adamu , Birtukan ETH 9:48.38 13 Xu , Shuangshuang CHN 9:55.56 14 Ketema , Maritu ETH 10:05.61 15 Pease , Sarah USA 10:08.39 Gyürkés , Viktória HUN DNF Tuigong , Caroline KEN DNF
このコンディションでの9:07は良い記録であるが、チェプコエチが考えているのは世界記録である
女子3000mSCのレベルは、ここ何年間で飛躍的に伸びている。その中には、PED(能力向上薬)のドーピング検査で陽性反応が出たルース・ジェベットの件も含まれており、この事案の闇はまだまだ深い。チェプコエチは、昨年のDLファイナル(チューリッヒ大会)で8:59の記録を出しており、今日の上海DLでは、理想とは程遠い雨のコンディションで9:07で走った。
しかし、チェプコエチは今日の記録には全く満足していなかった。彼女が目指していたのはもっと上のレベル、ジェベットの8:52.78という世界記録なのだ。
「タフなレースでした。スタート前に雨が降っていて、湿気もあったので呼吸がきつく調子も悪かった。でも雨だからといって、自分のプランを変えたくはなかった。頭にあったのは世界記録。でも少し混乱してしまったわ。練習を積んで調子がいいのは知っていた。レース環境が良ければ、もう1度世界記録を狙いにいく」
チェプコエチはこのように語った。
次のDLの女子3000mSCは5月31日のローマDLで開催される。上海よりかはコンディションは良いと予想される。
男子400m:スティーブン・ガーディナーが大会記録で優勝
スティーブン・ガーディナーが感じていたプレッシャーは、先週のドーハDLより大きかったであろう。しかし、彼はまた優勝を果たし、また44.00を切る記録を出し(今回は43.99、先週は43.87)、そしてまた大会新記録も出した。トップ3に入った選手はドーハDLと同じだったが、その順位の並びは違った。アイザック・マクワラが44.23の2位(先週は44.92)、アブダレラ・ハロンが44.51の3位(先週は44.50)だった。アメリカのフレッド・カーリーは44.71で4位だった。
400 Metres - Men Pts 1 Gardiner , Steven BAH 43.99 8 2 Makwala , Isaac BOT 44.23 7 3 Haroun , Abdalleleh QAT 44.51 6 4 Kerley , Fred USA 44.71 5 5 Taylor , Christian USA 45.24 4 6 Cherry , Michael USA 45.60 3 7 Norwood , Vernon USA 45.82 2 8 Guo , Zhongze CHN 47.04 1 9 Francis , Javon JAM 47.06
女子100mH:ケンドラ・ハリソンの連続勝利は途切れた
世界記録保持者であるケンドラ・ハリソンのダイヤモンドリーグ11連勝は途絶えてしまった。ハリソンとシャリカ・ネルヴィスはレース序盤ほぼ並んで走ったが、ハリソンは7個目のハードルで足をかけ失速。しかし、優勝したのもオリンピック王者のブライアナ・マクニールだ。彼女はレース序盤少し出遅れていた。
100 Metres Hurdles - Women Wind: +0.9 m/s Pts 1 McNeal , Brianna USA 12.50 8 2 Nelvis , Sharika USA 12.52 7 3 Harrison , Kendra USA 12.56 6 4 Stowers , Jasmin USA 12.71 5 5 Pedersen , Isabelle NOR 12.76 4 6 Visser , Nadine NED 12.81 3 7 Roleder , Cindy GER 12.81 2 8 Harper-Nelson , Dawn USA 12.94 1 9 Wu , Shujiao CHN 13.08
ハリソンが負けたということは、彼女にとっては良かったことなのかもしれない。過去、彼女はオリンピック / 世界選手権以外の大会(主にDL)では成績を出していたが、オリンピック / 世界選手権では苦戦を強いられてきた。今回のようにダイヤモンドリーグに出場し始めると、プレッシャーを感じるので、今後キーとなってくるオリンピック / 世界選手権をどう戦うかを学ぶべきである。
男子100m:イギリスのリース・プレスコッドが番狂わせを起こす
レースを走る理由は誰にでも一つはある。リース・プレスコッドは中国人選手1人(10.03)を除くと、1番遅い自己記録の持ち主だった。レーンは第8レーン。そんな彼がロンドン世界選手権王者のジャスティン・ガトリンを含むフィールドを、驚かせたのだ。
レースは雨の中行われた。ガトリンは優勝争いには絡むことができなかった。中国の蘇炳添が素晴らしいスタートを切り、レース中盤までリードする。しかしその後、イギリスチャンピオンで昨年のロンドン世界選手権では決勝進出を果たしたプレスコッドが第8レーンから自己記録で、フィニッシュラインぎりぎりで優勝をもぎ取った。
ガトリンははるか後ろ10.20の7位(今季ベストは10.05)に終わり、アンドレ・デグラッセは10.25の8位に終わり、2018年はまだまだ苦戦している。
プレスコッドは雨のレースを楽しんだ。
「今夜の雨を見たとき、“よし”と思った。練習しているイギリスのイースト・ミッドランズはいつもこんな天気だからね。僕にはぴったりのコンディションだった。自分のレースをすれば勝てると思っていた。ダイヤモンドリーグの舞台で、最高に幸せだよ」
Embed from Getty Images日本の桐生祥秀は10.26の9位に終わった。
100 Metres - Men Wind: -0.5 m/s Pts 1 Prescod , Reece GBR 10.04 8 2 Su , Bingtian CHN 10.05 7 3 Xie , Zhenye CHN 10.17 6 4 Ujah , Chijindu GBR 10.18 5 5 Young , Isiah USA 10.18 4 6 Guliyev , Ramil TUR 10.20 3 7 Gatlin , Justin USA 10.20 2 8 De Grasse , Andre CAN 10.25 1 9 Kiryu , Yoshihide JPN 10.26
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