2018年のダイヤモンドリーグの開幕戦となったドーハ大会が終了し、次なる上海大会が土曜日に開催される。男子5000mは、今回の上海大会の1番の注目の種目になるだろう。ロンドン世界選手権覇者のムクター・エドリス、国際大会で3度の金メダルに輝いているハゴス・ゲブリウェト、そして今回初めて真剣に5000mに挑んでくる3000mSCのロンドン世界選手権、リオオリンピック王者のコンセスラス・キプルトという、そうそうたる選手たちとポール・チェリモが激突する。
しかし、男子1500mも注目せずにはいられない。バーミンガム世界室内選手権王者のサムエル・テフェラや、ロンドン世界選手権銀メダルのティモシー・チェリヨットが出場するからだ。コモンウェルスゲーム優勝のワイクリフ・キンヤマル(男子800m)やベアトリス・チェプコエチ(女子3000mSC)など、他の種目においても多くの注目選手が出場する。
短距離を見てみると、男子400mではスティーブン・ガーディナー、フレッド・カーリー、アイザック・マクワラが出場。三段跳のクリスチャン・テイラーも男子400mに出場する。女子100mハードルではケンドラ・ハリソンとブライアナ・マクニール。男子100mではロンドン世界選手権王者のジャスティン・ガトリンが出場。棒高跳では、サム・ケンドリックス vs. ルノー・ラビレニに対決。走幅跳にはルヴォ・マンヨンガ、そしてマリア・ラシツケネが走高跳に出場する。
男子5000m:ポール・チェリモが13:00切りを狙う
選手 | 国籍 | 自己記録 | 今季最高記録 |
Joel Ayeko | ウガンダ | ||
Birhanu Balew | バーレーン | 13:09.26 | |
ポール・チェリモ | アメリカ | 13:03.90 | |
ムクター・エドリス | エチオピア | 12:54.83 | |
Dejen Gebremeskel | エチオピア | 12:46.81 | |
ハゴス・ゲブリウェト | エチオピア | 12:47.53 | |
Abadi Hadis | エチオピア | 13:16.78 | |
Cornelius Kangogo | ケニア | 13:10.80 | |
Tamas Kazi | ハンガリー | ||
Davis Kiplangat | ケニア | 13:16.35 | |
コンセスラス・キプルト | ケニア | 13:47.5h | |
Stephen Kissa | ウガンダ | 13:13.00 | |
Vincent Letting | ケニア | 13:49.04 | |
Hongliang Liu | 中国 | 13:59.95 | |
Stewart McSweyn | オーストラリア | 13:19.96 | 13:19.96 |
Nibret Melak | エチオピア | ||
Alber Rop | バーレーン | 12:51.96 | |
Cyrus Rutto | ケニア | 13:03.44 | |
Stanley Waithaka | ケニア | 14:00.91 | 14:00.91 |
バーミンガム世界室内選手権覇者のヨミフ・ケジェルチャは出場しないが、それでも出場選手の顔ぶれは豪華だ。ロンドン世界選手権王者のムクター・エドリス、ロンドン世界選手権銅メダリストのポール・チェリモ、国際大会で3度金メダルと獲得しているハゴス・ゲブリウェト、そしてリオオリンピックと世ロンドン界選手権の3000mSCの王者のコンセスラス・キプルトが出場する。モー・ファラーがマラソンに転向し王者不在となった男子5000m、その空椅子に誰が座るのか、楽しみでならない。
エドリスは、昨年のロンドン世界選手権で実際にファラーを破って金メダルを獲得した。しかし、何がファラーを世界No.1の選手として知らしめているかというと、2011〜2016年もの長い間、トラックにおいて世界No.1の座にいたという事実である。IAAFのプロフィールによるとまだ24歳のエドリス(ファラーが初めて世界タイトルを獲った時より4歳若い)は、チャンピオンの座を維持し続けることができるのだろうか。
もしくは、ケジェルチャやチェリモ、はたまた他の選手が、その座を奪うのだろうか?2018年に1レース(2月フランスでの室内大会の3000mに出場し7:40の2位だった)しか走っていないエドリスにとっては、いい腕試しとなるだろう。
Embed from Getty Imagesチェリモは、彼がまだ成し遂げたことのない2つのことに挑戦しようとしている。ダイヤモンドリーグで優勝することと13:00を切ること。ダイヤモンドリーグ上海大会では、どちらも起こりうる。チェリモは室内シーズンでとても調子が良かった。ケジェルチャがバーミンガム世界室内選手権で優勝する1週間前に、室内3000mでケジェルチャを破っていた。しかし、チェリモはバーミンガムでの予選で失格となり、決勝を走る機会さえ与えられなかった。先週のペイトン・ジョーダン招待で1500mを3:40で走り17歳のヤコブ・インゲブリクトセンに負けたものの、他の1500mの選手には勝っている。
もし今回チェリモが優勝すれば、彼が13:00を切れる可能性はおおよそ50%ほどであろう。過去10回のDLにおいて、5人の選手が13:00切りの記録で優勝している。13:00切りは、チェリモにとって自己新記録というだけではなく(現在の自己記録は13:03.90)、長い間13:00切りが出ていなかったアメリカの5000mの暗黒時代に終止符を打つことができる。アメリカで最後に13:00を切ったのはバーナード・ラガトで、2013年9月6日のことである。それ以来、以下のことが起こっている。
- アメリカ人選手が4つのワールドマラソンメジャーズ(ボストン、シカゴ、ニューヨーク、ボストン)で優勝した。
- アメリカ人選手が、オリンピックと世界選手権の中長距離において合計15回メダルを獲得している。男子1500mのリオオリンピック金メダルと、ロンドン世界選手権女子3000mSCの1位2位も含まれる。
- マラソンの世界記録が2度更新された。
- エリウド・キプチョゲが8大会連続でマラソン優勝を果たした。
- エドワード・チェセレクがNCAAで17つのタイトルを獲得した。
リオオリンピックで銀メダルとロンドン世界選手権で銅メダルを獲得しているチェリモは、すでにアメリカ男子5000mの最強の選手の1人である。そして、確実に13:00を切れる実力を備えている。更に、昨年の全米選手権の圧倒的な走りを見ればわかるとおり、先頭に出ることを躊躇しない選手である。それにもかかわらず、チェリモの13:08.62という記録が昨シーズンのアメリカ人選手全体のシーズン最高記録であり、2008年以降では1番遅いアメリカ人選手全体のシーズン最高記録となっている。
しかし、これは誤解を生むものである。昨年アメリカ人の5000mの最高記録が13:08だったという事実は、アメリカの最強の選手であるチェリモが、選手権スタイルではない5000mの大会に2回しか出場していなかったからでもある。最初の大会はダイヤモンドリーグユージン大会で、チェリモが体調が良くなかったのにも関わらず13:10で走り切った。2回目の大会は、ダイヤモンドリーグファイナルチューリッヒ大会で失格になる前に走った13:06という記録である。今年は、屋外のトラックの世界大会がないので、チェリモはもっと良い記録を狙えるはずであり、土曜日には13:00切りの選手に仲間入りをできるだろう。
【アメリカ人選手で5000m12分台を達成している選手】
選手 | 自己記録 | 年 |
バーナード・ラガト | 12:53.60 | 2005年 |
クリス・ソリンスキー | 12:55.53 | 2010年 |
デイゼン・リツェンハイン | 12:56.27 | 2009年 |
ボブ・ケネディ | 12:58.21 | 1996年 |
マシュー・ テゲンカンプ | 12:58.56 | 2009年 |
ゲーレン・ラップ | 12:58.90 | 2012年 |
男子5000mのもう1つの見方は、リオオリンピック3000mSC王者のコンセスラス・キプルトが、彼のキャリアで初めて真剣に5000mに挑んでくるというところだ(2016年4月にエルドレッドの高地で13:47で走っている)。3000mSCの自己記録で8:00をもっている彼は、ペースが良ければ13分前半でゴールすることを楽しみにしている。
男子400m:今注目のスティーブン・ガーディナーがフレッド・カーリーとアイザックマクワラと対決
選手 | 国籍 | 自己最高記録 | 今季最高記録 |
Michael Cherry | アメリカ | 44.66 | 45.39 |
Javon Francis | ジャマイカ | 44.50 | 45.11 |
スティーブン・ガーディナー | バハマ | 43.87 | 43.87 |
Zhongze Guo | 中国 | 45.14 | 46.83 |
Abdalelah Haroun | カタール | 44.27 | 44.50 |
フレッド・カーリー | アメリカ | 43.70 | |
アイザック・マクワラ | ボツワナ | 43.72 | 44.35 |
Vernon Norwood | アメリカ | 44.44 | 45.82 |
クリスチャン・テイラー | アメリカ | 45.17 | 45.44 |
スティーブン・ガーディナーは先週のドーハ大会で43.87という今シーズン世界最高記録をたたき出した。シーズン序盤にしては素晴らしく記録である。事実、6月より前にこの記録より速く走った選手は、これまでにも2人しかいなかった。1人は、(もちろん)マイケル・ジョンソンであり、1997年4月に43.75のタイムを出した。もう1人は?フレッド・カーリーで、2017年5月の全米大学選手権の予選大会で43.70を記録した。そのカーリーは、この上海DLでガーディナーと対決する。
コモンウェルスゲームの王者、アイザック・マクワラ(ガーディナーが更新するまで44.35の今シーズン世界最高記録を持っていた)も出場する。そして、三段跳のスター選手クリスチャン・テイラーも参戦。テイラーは今年に2回400mを走っており、45.48と45.44の記録を出している。
女子100mH:ハリソン vs. マクニールの2度目の対決
選手 | 国籍 | 自己記録 | 今季最高記録 |
Dawn Harper-Nelson | アメリカ | 12.37 | 13.21 |
ケンドラ・ハリソン | アメリカ | 12.20 | 12.53 |
ブライアナ・マクニール | アメリカ | 12.26 | 12.43 |
Sharika Nelvis | アメリカ | 12.34 | 12.75 |
Isabelle Pedersen | ノルウェー | 12.75 | 12.82 |
Cindy Roleder | ドイツ | 12.59 | 13.00 |
Jasmin Stowers | アメリカ | 12.35 | 12.77 |
Nadine Visser | オランダ | 12.78 | 12.94 |
Shujiao Wu | 中国 | 12.72 | 13.42 |
ブライアナ・マクニールは、ドーハ大会でケンドラ・ハリソンを破ることができなかった。しかし、オリンピックチャンピオンであるマクニールは、何年もの間ダイヤモンドリーグにおいてどの選手よりもハリソンに迫っている選手である。マクニールは、7つ目のハードルまではリードするのだが、8つ目のハードル手前で勢いを失ってしまう。もしマクニールが勢いを失わずにいられれば、過去に1人しかできなかったことを成し遂げるチャンスがあるかもしれない。それは、ダイヤモンドリーグでケンドラ・ハリソンを破るということだ。
タイプミスをしたわけではない。ハリソンは2015年のダイヤモンドリーグモナコ大会で初めてDLを走って2位になった。ケンタッキーで行われた全米大学選手権で優勝した1か月後のことだった。それ以来、彼女はDLでは11戦11勝の完璧は走りを見せている。1回のハードルミスが命取りになる100mHという競技において、驚異的な安定感である。
ハリソン vs. マクニールの1回目の対決は素晴らしい試合だった。彼女たちは、2回目の対決でどんなレースを見せてくれるのか?
男子1500m:DL王者のティモシー・チェリヨットが若い選手を封じ込めにかかる
選手 | 国籍 | 自己記録 | 今季最高記録 |
Reuben Bett | ケニア | 3:39.82 | |
Bethwell Birgen | ケニア | 3:30.77 | 3:36.54 |
ティモシー・チェリヨット | ケニア | 3:29.10 | 3:34.84 |
Thiago Do Rosario Andre | ブラジル | 3:35.28 | 3:43.12 |
Ryan Gregson | オーストラリア | 3:31.06 | 3:37.00 |
アブディラッティ・イギデール | モロッコ | 3:28.79 | 3:36.59 |
Vincent Kibet | ケニア | 3:31.96 | 3:38.11 |
Cornelius Kiplangat | ケニア | 3:39.03 | 3:47.13 |
Yuxi Luo | 中国 | 3:44.35 | 3:49.32 |
Filip Sasinek | チェコ | 3:36.32 | |
Charles Simotwo | ケニア | 3:32.59 | 3:36.40 |
ジャスタス・ソゲット | ケニア | 3:32.97 | 3:35.71 |
クマリ・タキ | ケニア | 3:35.83 | 3:35.83 |
サムエル・テフェラ | エチオピア | 3:33.78 | 3:36.1h |
アマン・ウォート | エチオピア | 3:29.91 |
ティモシー・チェリヨットは2017年の男子1500mで2番目に良い記録を持っている選手である。2018年最初の4か月、その座を守っていた。コモンウェルスゲームではトレーニングパートナー(であり世界No.1の)エリジャ・マナンゴイに次いで2位に入った。オリンピックや世界選手権のファイナリストたちを負かしての2位だ。その結果、チェリヨットは今回優勝候補と目されているが、上海ではライバル選手がいそうだ。
Embed from Getty Images彼の1番のライバルとなるのが、エチオピアのサムエル・テフェラだ。彼は17歳だった昨年の夏に3:33のタイムを出し、3月のバーミンガム世界室内選手権で優勝した。テフェラは、4月22日にエチオピアの標高約2350mのアディス・アババでのエチオピア選手権で3:36で走ったばかりだ。
高地としては驚くべき記録であるが、もっとすごいことがある。テフェラは2位に2.6秒差をつけて優勝しており、2位に入ったのはタレサ・トロサだったのだ。トロサは、先週のドーハ大会の1500m(非グランプリ種目)で優勝した選手である。テフェラは今、乗りに乗っている選手だ。
(公式では)テフェラは、まだ18歳であるものの、彼が今後1500mで最強の選手になるだろうと期待しても、なんらおかしい話ではない。800mからマラソンを独占し続けている同じ東アフリカの隣国ケニアと違って、エチオピアは男子800mや1500mの中距離でケニアほど成功した選手は多くない。
世界選手権とオリンピックで、男子1500mでメダルを獲得したエチオピア人選手はたったの1人である。2009年のデレッセ・メコネンである。2008年と2010年に世界室内選手権のタイトルも獲得したメコネンは、現段階においてはエチオピアが誇る最強の1500m選手であるが、テフェラはすでに世界室内選手権のタイトルを獲得しており、彼がメコネンの3:32.18という自己記録を超えたとしても、なんら驚くことではないだろう(エチオピア人で3:30を切った選手はアマン・ウォートだけである)。
他の注目選手は、ジャスタス・ソゲット(先週のドーハ大会で3位)、世界ジュニア選手権王者のクマリ・タキ、そして世界室内選手権銅メダリストのアブディラッティ・イギデールだ。
男子800m:クレイトン・マーフィーとドリュー・ウィンドルがアメリカから遠く離れた地で対決
選手 | 国籍 | 自己記録 | 今季最高記録 |
Antoine Gakeme | ブルンジ | 1:44.09 | 1:47.25 |
ワイクリフ・キンヤマル | ケニア | 1:43.94 | 1:44.72 |
Jonathan Kitilit | ケニア | 1:43.05 | 1:44.64 |
Solomon Lekuta | ケニア | 1:45.4h | 1:46.16 |
マーチン・レワンドスキー | ポーランド | 1:43.72 | |
Junyi Ma | 中国 | 1:49.80 | |
ブランダン・マクブリッジ | カナダ | 1:43.95 | |
クレイトン・マーフィー | アメリカ | 1:42.93 | 1:47.22 |
Andrew Osagie | イギリス | 1:43.77 | 1:48.20 |
Bram Som | オランダ | 1:43.45 | |
Rynhardt van Rensburg | 南アフリカ | 1:45.33 | 1:46.15 |
ドリュー・ウィンドル | アメリカ | 1:44.63 |
このレースには才能持った選手が何人かいるが、今回の男子800mにあまり魅力を感じていないとしても仕方がない。2017年ロンドン世界選手権のファイナリストが1人だけ(ブランドン・マクブリッジ)で、先週のドーハ大会で上位5位までに入った選手は誰1人として上海大会を走らない。
セバスチャン・コーがIAAFのレーススケジュールを見直そうとしている理由の1つがこれだ。ドーハから、その8日後の試合のために上海まで移動する、これは選手にとっては大きすぎる注文なのだ。2週連続で同じ種目を走らないのは理にかなっているが、これはDLのポイントが加算できるレースだ。この大会に出て上位に入ればポイントが付与される。
Embed from Getty Imagesそうは言っても、速い選手は何人か出場する。ワイクリフ・キンヤマルは、先月のコモンウェルスゲームで優勝しているため、今回も優勝候補と見られている。ポーランドのマーチン・レワンドスキーは現在30歳であるが、バーミンガム世界室内選手権の男子1500mで銀メダルを獲得してからも調子は良さそうである。1:43の自己記録を持つブランダン・マクブリッジは、今シーズン初戦となる。
さらに、アメリカ人選手が出場するので、我々はこのレースととても楽しみにしている。ドリュー・ウィンドルは、室内800mを1:45.52で走り、更にバーミンガム世界選手権で銀メダルを獲得し、2018年は1つレベルを上げてきている。カーブがきつい室内800mを1:45.5で走れるならば、屋外であれば1:43台では走れるはずだ。ウィンドルが今年その記録に挑戦するのが楽しみだ。ウィンドルがDLを走るのは、公式にはこれが初めてとなる(昨年モナコDLを走っているが、非グランプリ種目だった)。
もう1人のアメリカ人選手は、クレイトン・マーフィーだ。彼は、2018年の2回の屋外レースで出したタイム1:47.22よりも速いタイムを今回狙っている。マーフィーにはその力が確実にある。その2回のレースは入りがすごくスローだったからだ。しかし、彼はドーハ大会では6位で優勝争いには全く絡むことができていない。マーフィーは、最初の1周を51~52秒(1:45~1:46のゴールペース)で走ることができるはずだが、彼がこの上海大会で勝負にでることができるかどうか、そこがポイントになってくる。
女子3000mSC:ベアトリス・チェプコエチはどのぐらい速く走れるか?
選手 | 国籍 | 自己記録 | 今季最高記録 |
Birtukan Adamu | エチオピア | 9:20.37 | |
Caren Chebet | ケニア | 10:06.29 | 10:06.29 |
Peruth Chemutai | ウガンダ | 9:27.72 | 10:05.26 |
Joan Chepkemoi | ケニア | 9:20.22 | 9:50.53 |
ベアトリス・チェプコエチ | ケニア | 8:59.84 | |
Fancy Cherono | ケニア | 9:46.27 | 9:46.27 |
Ann Gathoni | ケニア | 9:41.40 | 10:35.11 |
Viktoria Gyurkes | ハンガリー | 9:40.66 | |
Daisy Jepkemei | ケニア | 9:19.68 | |
ノア・ジェルト | ケニア | 9:03.70 | |
Maritu Ketema | エチオピア | 9:39.55 | |
Purity Kirui | ケニア | 9:17.74 | 9:25.74 |
Sarah Pease | アメリカ | 9:40.94 | 9:56.53 |
Caroline Tuigong | ケニア | 9:28.81 | 10:11.20 |
Shuangshuang Xu | 中国 | 9:56.40 | 9:56.40 |
Winfred Yavi | バーレーン | 9:22.67 |
先週のドーハ大会での男子3000mSCと同じく、上海大会の女子3000mSCは非グランプリ種目(上位に入ってもDLポイントが付かない)である。しかし、レッツランが選んだ2017年の女子3000mSCで世界No.1の選手、ベアトリス・チェプコエチが出場し、かつ9:03の記録をもつノラ・ジェルトも出場するから注目である。
ジェルトは2017年の終盤に9:05、9:03、9:04の記録を立て続けに出し、良い状態で2017年を締めくくっている(それ以前は彼女は9:15さえ切ったことがなかった)。しかし、チェプコエチは、今シーズン室内1500mを4:02.21で走り、コモンウェルスゲームでは1500mで銀メダルを獲得(屋外での自己記録は4:03.09)。2018年の幸先良いスタートを切っており、優勝を目指して今回出場する。
チェプコエチにとっては、今年初めての3000mSCのレースである。この種目の世界記録保持者でありオリンピックチャンピオンのルース・ジェベットがドーピング問題で出場停止の危機にさらされているが(彼女に対する処罰は公式にはまだ発表されていないが、彼女は1月以降レースに出ていない)、チェプコエチは女子3000mSCを独占できる力を備えている。彼女の力が、ここ上海から試されることとなる。
男子100m:ロンドン世界選手権王者のジャスティン・ガトリンが今年初めてのDLを走る。アジアのトップ選手がどう立ち向かうか?
選手 | 国籍 | 自己記録 | 今季最高記録 |
アンドレ・デグラッセ | カナダ | 9.91 | 10.15 |
ジャスティン・ガトリン | アメリカ | 9.74 | 10.05 |
ラミル・グリエフ | トルコ | 9.97 | |
桐生祥秀 | 日本 | 9.98 | |
Reece Prescod | イギリス | 10.03 | 10.39 |
蘇炳添 | 中国 | 9.99 | |
CJウジャー | イギリス | 9.96 | 10.08 |
謝震業 | 中国 | 10.04 | |
アイザイア・ヤング | アメリカ | 9.97 | 10.02 |
クリスチャン・コールマンが、すごく曖昧な“身体的問題”という理由から出場を取りやめる前から、今大会の男子100mをすごく楽しみにしていた。そうは言っても、男子100mはいつも大注目の種目であり、地元のファンは地元選手の優勝を待ち望んでいる。
中国記録保持者であり世界室内男子60mの銀メダリストである蘇炳添。もしくは、昨年の同大会で20.40という男子200mの中国記録(当時)を出した謝震業。この2人のどちらかの優勝を中国の陸上ファンは期待しているに違いない。
また、アジアのファンにとっては、この男子100mのレースはかなり注目のレースとなる。アジア生まれの10秒切りを果たした、歴代でたった2人の選手、中国の蘇と日本の桐生祥秀の対決が見られるからだ。昨年の上海大会には2人とも出場したが、桐生が失格になったため、今回が仕切り直しの1戦となり事実上の初の直接対決となる。
ロンドン世界選手権王者のジャスティン・ガトリンは36歳にしてまだまだ現役で、今年初のDLを走る。4月21日のグレナダのレースで10.05を記録している。現実的に考えて、出場選手の誰にでも優勝の可能性がある。アイザイア・ヤングは10.02でドレイクリレーを勝ち、CJウジャーはDL王者である。ラミル・グリエフはロンドン世界選手権200m王者であり、100mで9.97の自己記録を持っている。アンドレ・デグラッセも、2018年はまだ記録が出せていないが、強い選手である。
レッツラン記事
http://www.letsrun.com/news/2018/05/2018-shanghai-diamond-league/
ピンバック: 2020東京オリンピックまであと2年:中長距離種目の全米代表を独自予想・男子編その② (5000m, 10000m, マラソン) – LetsRun.com Japan