マシュー・セントロウィッツ(リオオリンピック男子1500m金メダリスト)が今後について語る:アメリカ東部へ戻ること、全米記録を目指すこと、昨シーズンについて、そしてオーストラリア遠征について

リオオリンピック1500m金メダリストののマシュー・セントロウィッツに話を聞いたのは、かなり久しぶりだった。故障に悩まされた2017年シーズンは、ロンドン世界選手権1500m予選1組最下位という、残念な結果に終わっていた。

今年、世界室内選手権の1500m連覇ではなく、この冬を充電期間に充て、そしてオーストラリアとニュージーランドで3つのレースに出場する、という選択をした。また、ナイキ・オレゴン・プロジェクトのメンバーとして6年間過ごしたポートランドを離れ、彼が育った都市ワシントンD.C.への移住を決めた。

しかし、彼はこれからもオレゴン・プロジェクトのメンバーであることには変わりなく、コーチであるアルベルト・サラザールのメニューでのトレーニングを継続する予定である。それと同時に、父親であるマット・セントロウィッツと共にトレーニングを積むことになる。マット・セントロウィッツは、元5000m全米記録保持者であり、現在はディストリクト・トラック・クラブのコーチを務め、そして”Like Father, Like Son”の著者でもある。

2018年2月24日の夜、ロンドン世界選手権以降では初めてとなるレースを28歳のセントロウィッツは走った。ボストン大学で開催されたラストチャンス室内競技会での4×800mリレーに出場して1:49.0で走った。レース後に彼に話を聞くことができた。ワシントンD.C.に戻ることについて、アスリートとして常に学ぶ姿勢は大切だという彼の信条、そして“全米記録保持者”や“ダイヤモンドリーグ優勝”という肩書を手に入れたいという野望、などを語ってくれた。

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ジョナサン・ガルト(以下JG):ロンドン世界選手権以降、初めてのレースだね?

セントロウィッツ(以下MC):そうだね、長く時間が空いてしまったけど。

JG:感想は?

MC:ロンドン世界選手権後に、初めて走ったって感じだね。正直、いきなり決まったレースだったから身体も準備できていなかった。けど、楽しかったよ。オーストラリアに行く前に少しでもレースに出場できてよかった。

JG:トレーニングの状況はどう?最近はうまくいってる?

MC:年が明けてからは順調に進んでいるよ。身体の状態もいいし、きちんとしたトレーニングを積んでいる。年明けてからは、故障もしていない。東部に戻って、父親と一緒にトレーニングできる環境を楽しんでいる。冬の寒さもそんなに厳しくないから、それもいい点だ。オレゴンは雪が降っていると思うが、ワシントンD.C.は、23℃ぐらいの気温ですごくいい。

JG:室内シーズンを走らなかったよね。このレースが君にとっての室内レースだった。いつもは室内シーズンを走ると思うけど、今回のこの決断はどうして?

MC:簡単だよ。ただ自分が出遅れていたからだ。挫折も経験した。9月と10月は調子が良くて、ニューヨークで開かれた11月の全米5kmロード選手権の週に違和感を感じた。ハムストリングに違和感を感じて、足も痛めていた。だから少し休もうという感じだった。

そうしたら回復するまで、100%の状態になるまで少し時間がかかったって感じかな。気分は良くなかった、11月、12月と休んだからね。だから今年の室内シーズンは復帰するには少し早いと考えたんだ。2月のミルローズゲームも時期尚早だと感じた。だから、室内は出ないことにしたんだ。

だから、室内は全く走らない予定だった。でも東部に移って、ある程度まとまったいいトレーニングができたから、今回のレースに出てみようかと考えたんだ。今回のレースは楽しいイベントだった。父親のトラッククラブのメンバーと4×800mリレーに出場して、再スタートを切って前に進むという経験をすることができた。

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JG:昨年は故障があって、あなた自身もかなりフラストレーションがたまった年だったと思う。2017年シーズンから学んだことは?

MC:わからないな。もちろん何も学んでいないわけではない。リオオリンピックが終わってから、もっとやれたはずだけど、2016年シーズンのような成績(リオ金メダルなど)を残せなかった。トレーニングでいくつか新しい事に挑戦したりもした。ストレングス&コンディショニングの部分に関しては、少しだけ身を引いた。

リフティングとかかな。それをやることで身体を絞れると考えていた。ところが、ライバル選手たちはもっと細くて華奢(きゃしゃ)だった。自分は少し身体を大きく作りすぎた。だから、それを止めたら思った以上に効いたんだ。思い返してみれば、それが実験的に変えた部分かな。

色んな場所を訪れて友達に会ったりもした。リオオリンピックの前年なんかはそんなことはしない。だから、去年に比べれば集中できていなかった。2017年は挫折も経験して、後ろ向きになった。集中できた1年ではなかったね。

JG:来週にはオーストラリアに向かうね。

MC:もう1週間もないね、土曜日だ。すごく楽しみだよ。

JG:オーストラリアでのレースのスケジュールはどんな感じ?もうわかってるのかな?

MC:最初のレースは3月17日のシドニーだ。それから、ニュージーランドに向かって3月21日か22日にレースに出る。またオーストラリアに戻って、ブリスベンで3月28日のレースに出て終わりだね。だから、3レースを走ることになる。1500かマイルに出場する予定。それぞれのレースで身体を仕上げていく感じかな。アメリカでの屋外シーズンに向けて準備をしていくイメージだね。

JG:ワシントンD.C. に戻ったことについては、なぜポートランドを離れて東部に移ったのか?

MC:28歳になって、自分に何が必要か自分でわかる年齢になった。それが東部に戻るという選択だった。今年は特に各々がそれぞれのやり方で走った1年だった。ゲーレンは今やマラソンを走り、エリックは東海岸に戻り、自分がポートランドを離れるにはちょうどいい時期だと思った。ポートランドにいて少しマンネリになっていたし、家族や友人がいる東部に戻って今はハッピーだ。彼らに交じって合宿をしたり高地トレーニングをすることは、今自分が前に進むには必要なことだし、そこから自分に必要なものも得られる。

JG:エリックも戻ってきたのかい?

MC:そうだね、彼は主にポーツマス(ニューハンプシャー州、ジェンキンスの故郷)にいると思う。でも、彼も合宿に一緒に参加して、できるときはポートランドに戻っている。

JG:オレゴンプロジェクトに関してだけど、君が参加してから見ると変わったよね。モー・ファラーが去って、ゲーレンは今マラソンをやっている。君が東部に戻る決断を下したことと何か関係はあるのかな?クレイトン・マーフィーやヨミフ・ケジェルチャがオレゴンプロジェクトに参加したことは、何か君の決断に影響を与えたのかな?

MC:そうでもないかな。この決断をする前から、頭の片隅ではずっと東部に戻りたいと思っていた。さっきも言ったようにもう28歳になって、オレゴン大学とオレゴンプロジェクトの期間を合わせると10年以上オレゴンにいたことになる。自分のキャリアのこの分岐点で、アルベルトとは対等に話をして、これからも引き続きトレーニングを見てもらうことになっている。

東部に戻っても出来る限り電話で話して、常に同じプランでトレーニングを積むよ。シーズンに向けたビルドアップのトレーニングも知っている。定番のトレーニングも知っている。それぞれの考えの違いもあるかもしれないが、そういう時は2人の妥協点を見出すんだ。

父親がそばにいてトレーニングを見てくれる、ストップウォッチを持ってアドバイスをしてくれる環境というのは、自分にとっては最高の環境だ。自信を持ってそう言える。父親がいると、メンタル面でも支えてもらえる。彼と一緒にトレーニングをするのは本当に楽しいよ。それが自分には必要だと思ったし、そうすることで自分はもっと強くなれると思っている。小さなこと、基本的なものに立ち返って、トレーニングを楽しむよ。

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JG:アルベルトとトレーニングの話をして、実際に管理するのは君のお父さんということだね。

MC:3人で会話を重ねての共同作業だね。1からすべてをやり直すわけではない。1週間おきにペース走をして、毎週ロング走をする。アルベルトと父親が学生時代にやっていた600mブレイクダウン(距離を短くしていくスピードトレーニング)のような定番トレーニングもする。高校時代に父親と一緒にやっていたトレーニングや、アルベルトと一緒にやってきたトレーニング、それらを混ぜ合わせたトレーニングを行う。アルベルトは父親と自分を信頼してくれている。自分たちが正しい決断を下していると、信頼してくれている。

何回も言うけど、もう28歳だ。ゲーレンモーやもっと年上の選手たちはトレーニングの90%は自ら考えている。1週間の始まりに、その週にどんなトレーニングをするのかどうかをきちんと理解している。そういう感覚を持っていて、自分自身のトレーニングにもっと関わることができれば、それは凄く大きいことだと思う。

大学生でも大学を卒業した選手でも、どんな選手でも、自分に何が必要で、それがトレーニングを良くしてレースでも生きてくるということ、そういう感覚を持つべきだ。オレゴンプロジェクトにいる時から、自分のトレーニングには積極的に関わってきたつもりだ。だから、前に進むことに関して自信があるし、アルベルトと父親の2人が、自分のトレーニングに関わってくれるということは、すごくベストなことだと思っている。

JG:キャリアの第2段階に差し掛かっているような感覚かな?これからまだまだキャリアは長いと思うけど。

MC:キャリアの第2段階ということに関してはわからない。自分がキャリアの中のどの位置にいるのかわからない。最後の方かもしれないし、まだ真ん中かもしれない。見当がつかないよ。確実にわかっていることといえば、自分の目標が何か、自分がしたいことは何か、ということだ。もっと速く走りたいし、全米記録を破りたい。今はそこに向かってトレーニングしていて、そこに集中している。

JG:2018年の目標は?

MC:1マイルであっても1500mであっても、とりあえず全米記録を更新すること。記録の他には、全米代表に返り咲くこと。過去にできなかったトレーニングをする。ダイヤモンドリーグに出場して、いい記録で走りたい。レース中盤はいつもスピードが落ち込んでしまい10番手や8番手、7番手あたりになってしまう。今年は、序盤から積極的に強いレースをしていきたいし、そういうトレーニングをもう始めている。タイムトライアルよりも選手権タイプのレースに向いているようなトレーニングだ。

【インタビュー内容の動画】

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2018/02/matthew-centrowitz-move-back-east-trying-break-american-records-2017-season-upcoming-australian-trip/

 

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