女子マラソン世界記録の2:15.25:ポーラ・ラドクリフのトレーニングメニュー 

「身体の声に耳を傾けることは、とても大切です」 – ポーラ・ラドクリフ

  1. 彼女のメイントレーニングは朝に行われ、1週間で4回のポイント練習。
  2. 典型的なトレーニングの例としては、目標としているマラソンのレースペースでの、1時間超のテンポ走(ペース走)。
  3. 負荷の大きいトレーニングの後には、アイシング(可能な限りは全身や半身浴)のケアを怠らなかった。
  4. トレーニング終了後30分以内に良質な食事を摂取する。バナナ、シリアル、果物、お米、サーモン、トースト、ピーナッツバターなど。
  5. ほぼ毎日、午後2時には昼寝の時間を確保するようにしていた。昼寝の時間は約2時間。午後5時からその日の2回目のトレーニングを行い、内容は主に走行距離に特化したものであった(質は高くない)。
  6. 1週間の走行距離は大体200kmに達したところで、それ以上距離を増やすのは意味がないと彼女は信じていた距離ではなく“質”を上げるのが自分にとって良い方法である、というのは彼女の考えだ。
  7. 彼女は8日周期(1週間 = 7日周期でないでトレーニングを行っていた。2回の距離走、1日おきにポイント練習、そして休養日。
  8. 体幹トレーニングは必須で、毎晩体幹のエクササイズを行っていた。

 

「アスリートとしてのプレッシャーは、自分の中からやってくる。自分が何をしたくて、何ができるか、全部自分自身が知っている」 – ポーラ・ラドクリフ

 

【女子マラソン世界記録 – 2:15:25, 2003年ロンドンマラソン】


 

【補足】

Embed from Getty Images

モー・ファラーはオレゴンプロジェクトを離れ、ポーラ・ラドクリフの夫で、彼女の現役時代のコーチであったゲイリー・ラフに現在師事しており、イギリスで生活をしています

2011年ケニアのイテンの土トラック。一番後ろがラドクリフ

イギリス代表チームは、雪が積もる冬の間に度々ケニアのイテンで代表合宿を行うなど、昔から高地トレーニングを重視しておりラドクリフファラーはこのイギリス代表合宿でかねてから交流がありました。高地トレーニングは中長距離選手のトレーニングとして現在では一般的ですが、イギリスという高地を持たない国のファラーラドクリフたちが積極的に高地トレーニングを行っている背景が見えてきます。

(イギリスはベン・ネビス山の1345mが最高峰)

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ファラーの現在のコーチはゲイリー・ラフ(右)です。ファラーは、アルベルト・サラザールのメニューの時からすでにエチオピアやイテンで自らでトレーニングパートナーを募って個人での高地合宿を行っていますが、ゲイリー・ラフのメニューに変わってからも、ファラーはエチオピアで高地合宿をしています。

また、ファラー「身体の声に耳を傾けることは、とても大切です」というラドクリフの言葉同様に、休養の大切さを多くのインタビューで語っています(昨年の来日の際にもインタビューでそう話していました)。

上に記したラドクリフのマラソントレーニングは、週に200km以上走ることはほとんどなく、2017年の福岡国際マラソンで欧州記録(2:05:48)を樹立したソンドレ・モーエンのように年間を通じて非常に質の高いトレーニングを継続しているのが特徴です。

【ラドクリフのマラソントレーニングのまとめ】

① イーブンペースで走らない
② 走行距離は週200km以上は増やさない
③ ベースは高地練習でジョグが速い
④ 起伏の多いところで走り込む
⑤ ボリュームのあるトレーニングを年間通して消化
⑥ LT値を超えるペースでの10〜20kmのトレーニング
⑦ ジョグがかなり速い
⑧ 脈拍で疲労度を確認する
⑨ 高負荷トレーニングの後はアイシング
⑩ トレーニング終了後30分以内に良質な食事を摂取
11 ほぼ毎日昼寝をする

など。

① 〜 ⑥:トレーニングについて

⑦ 〜 ⑩:リカバリーについて

今年の3月にイギリスのエクセター大学のアンディ・ジョーンズ先生(Nike Breaking2のスペシャルチームの運動生理学の主任)が筑波大学に来て発表した時にも「ラドクリフのジョグはメチャクチャ速い」と。

そしてLT値以上での10〜20kmのトレーニングがかなり重要と話していました。

 

最後に、モーエンを指導する世界最高のマラソンコーチのレナート・カノーバの言葉を引用します。ラドクリフのマラソントレーニングに共通する部分は多いはずです。

  1. 休息はトレーニングの一部というのを理解しておく必要がある。
  2. アスリートにとって最も重要なルールの1つは「既に得たものを失ってはいけない」ということ(積み上げていく過程で基本を失ってはいけない)
  3. 最高のランナーの競技活動は1年中続き、最も重要な選択は、すべてのシーズンの期間中に高いレベルのトレーニングを維持することである。
  4. 近代的なトレーニングの方法論的な指標は、選手のキャリアを通して、高い質のトレーニングの量(ボリューム)を増やすことである(それは“質の低いボリューム”ではなく、また“高い質の短い距離の練習”ではない)

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