Wilson Kipsang attempts Tokyo Marathon win two years in a row.
ウィルソン・キプサングがケニアからやってきた! 一ヶ月後に迫った2月25日の東京マラソン2018に前回王者として2連覇に挑むキプサング。“adizero SPEED SUMMIT 2018”のゲストとして来日し、本日、東京マラソン招待選手の記者会見に出席しました。
©2018 SushiMan Photography
私が彼と会うのは今回で3回目になりますが、彼はいつも気さくでユーモア溢れる人物だと思っています。また、世界の歴代の優秀なマラソン選手として、世界記録を出したことがあるだけでなく、特にその安定感が抜群なところはエリウド・キプチョゲと似ており、その安定感は他の選手の比にならないレベルであると、彼のレースやトレーニングを直接見て実感しています。
東京マラソン2018の目標は“大会記録の更新”
今年の東京マラソンでは大会記録=日本国内最高記録である、
「2時間03分58秒の更新が目標」
と、本人は語っています。その他のアフリカ勢や設楽悠太(ハーフマラソン日本記録保持者)などの実力者が出場しますが、2時間3分台のタイムで彼が走れば優勝は確実でしょう。
また、今回は世界記録を狙わない見込み(この1ヶ月のトレーニング状況でそのプランが大きく変わることはないでしょう)です。それによって前半のペースが昨年よりも少しだけ落ち着くことでしょう。また、
「イーブンペースで走り切るのが理想」
ともコメントしており、61分35〜45ぐらいで前半のペース配分をするのでは、と私はふんでいます。(※確証はありません)
今回の東京マラソンは彼のトレーニングパートナーがペーサーとして起用されるので、コンディションが悪化しない限り、ペースが著しく乱れることはないでしょう。
また、話題のサブ2シューズも、昨年よりもアップグレードしてこの東京の42.195kmを駆け抜けることとなります。そのようなことからも彼の走りにより注目が集まります。
©2018 SushiMan Photography
©2018 SushiMan Photography
この土曜日はAdidas Runners Tokyoのセッションに参加し、翌日は“adizero SPEED SUMMIT 2018”参加しその軽やかな走りを披露しました。
©2018 SushiMan Photography
©2018 SushiMan Photography
日本で見る前にケニアで見る
昨年、私は東京マラソンの8週間前にケニアに行って実際にキプサングのトレーニングを見ています。彼は標高2400mのケニアリフトバレー州北部のイテンに住んでいますが、トレーニングの内容ごとに練習場所を変え、標高を微妙に変えています。
©2017 Chikara Yanada
これは彼らが山上り走をしている時の写真で、私も車から降りて一瞬だけ一緒に走らせてもらいました。朝6時前から走り出し、この山道にはほとんど人がいないのですが、それでも時折、中年の男性や、それよりも山奥のところでは小学生ぐらいの女の子が1人で歩いていたりと、不思議な気配を感じさせてくれました。
トレーニングの内容自体は、すごく良いものだと感じています。日本でこの山上り走でもすれば、強化合宿のメニューのようですが、山に住む彼らにとっては割と日常的なメニューなのです。そういうことを現地では感じ取れます。
©2017 SushiMan Photography
土トラックでのスピードセッションは1000m × 10
※ペースは2分50〜45秒、リカバリーは90秒ぐらい(正確にはかっていないのでうる覚えです)のwalk
©2017 SushiMan Photography
ここは標高2400m、しかも土です。日本の平地でやれば2分44〜39秒ぐらいの負荷のインターバルトレーニングでしょう。彼はトラックの選手ではありませんが、それぐらいのスピードはあります。このペースで10本走れるトラックの選手は多くいるでしょうが、このペースで10本走れるマラソン選手はアフリカ以外で一体どれぐらいいるでしょうか?
それは6大メジャーマラソン(東京、ロンドン、ボストン、ベルリン、シカゴ、ニューヨーク)の結果を見れば明らかです。
©2017 SushiMan Photography
そういうことは自分の目で直接見て、肌で感じないと実はなかなかわかりづらいものです。日本で見る前にケニアで見る。そうすることで、彼の昨年の結果に、特に驚きというものはありません。しかし、最大の称賛と尊敬を彼には常に持っています。きっとこの写真の彼らも未来のスターとなるのでしょうか。
©2018 Tsukasa Kawarai
こちらは、昨年3月に発売された月刊陸上競技で私が書かせていただいたキプサングのケニア密着特集記事です。というわけで、今回本人から一年越しのサインを戴きました。この記事を彼に見せたら喜んでくれました。
東京マラソンは、まだ1ヶ月先のレースとなりますが、キプサングは一旦ケニアに帰国して調整を行い、再び来日します。レース巧者の堂々たる世界レベルのマラソンをぜひ楽しみにしておいて下さい。
レッツラン・ジャパン編集長:SUSHI MAN