2016年のリオオリンピック男子1500m金メダリストのマシュー・セントロウィッツは、世界室内選手権男子1500mのタイトル(2016年ユージン金メダル)を守るどころか、この3月上旬にイギリスのバーミンガムで開催される世界室内選手権への出場をかけたアメリカの室内シーズン自体を回避し、オーストラリアに向かうと、彼の父親であるマット・セントロウィッツが明かした。彼の息子であるマシュー・セントロウィッツは、コーチであるアルベルト・サラザールとともに、この決断を下したという。
セントロウィッツは今後、オーストラリアにて約1ヶ月を過ごし、可能であればニュージーランドにも滞在する予定である。
©2016 Photo Run / LetsRun
「2月か3月にはオーストラリアで練習を開始する」
と、父親のセントロウィッツは述べ、息子は100%の体調であることも付け加えた。
オーストラリアでは、ゴールドコーストでコモンウェルスゲーム(英連邦大会)が4月4〜15日に開催される。コモンウェルスゲームの前哨戦として位置づけられているシドニー陸上グランプリが3月17日に開催され、3月22日にはブリスベンで、オーストラリア夏期陸上グランプリ、3月28日にはクイーンズランド・トラック・クラシックが開催される。セントロウィッツがどのレースに出場するかは今のところ不明である。
セントロウィッツが、アメリカの室内シーズンを差し置いてオーストラリアに行くことは彼のプロのキャリアにおいて異例のことである。彼が2011年の秋にプロになって以来6シーズンのうち、5シーズンを室内競技で走り、2014年シーズンの1シーズンはウイルスにかかったので室内競技には出場していない。
28歳のセントロウィッツは、2017年の秋にオレゴン大学の授業を受けたが、2007〜2011年に彼が指導を受けたオレゴン大学のアンディ・パウエルコーチとともにオレゴン大学のクロスカントリーチームのサポートを行った。
(※オレゴンプロジェクトがあるポートランドと、オレゴン大学があるユージンは200km弱離れている。セントロはオレゴン大学が出場したクロスカントリーレースに姿を現している)
もう一つ他のニュースは、父親のマット・セントロウィッツが「ポイント・ロード・プロダクション」と共同プロデューサーのビリー・ラフテリーとテイリー・マッターンとともに、彼が出版した“Like Father, Like Son: My Story on Running, Coaching and Parenting”(「この父にしてこの子有り―走ること、コーチ、子育てについての私の話)を映画にするために、共同で準備を進め始めた。
この本は、ニューヨークのブロンクスの低所得者住宅である「プロジェクト」で生まれ育ち、その貧困から抜け出した(父親の)マット・セントロウィッツが、その後いかにして2度のオリンピック全米代表となり、男子5000m全米記録保持者になったかを描いている。
そのことについては過去にこの記事(伝説的アスリートであり、父親でもありコーチでもある、マット・セントロウィッツが 自叙伝を出版)で述べたので興味のある方はぜひ一読戴きたい。
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