2018年ヒューストンハーフ女子:空前絶後の高速レースはモリー・ハドルが全米記録を12年ぶりに更新する67:25で7位に入る

モリー・ハドルはヒューストンハーフで67:25で7位に入り、2006年以来やぶられていなかった、ディーナ・カスターの67:34という女子ハーフマラソンの全米記録を12年ぶりに更新した。レースは、2017年ベルリンマラソン2位のエチオピアのルティ・アガが66:39で優勝した。

2018 Houston Marathon Weekend

©2018 Photo Run

トラック10000mの全米記録保持者で33歳のハドルは、スタートから先頭集団について積極的に攻め、今回の全米記録更新を成し遂げた。カスターの元全米記録は5km平均が16:00.8のペースだったが、ハドルは最初の5kmを15:48で入り、10km通過は31:34(この5kmは15:46)、15km通過47:29(この5kmは15:55)で走った。15km地点で47:29というのは、66:29ペースだった。

16kmを過ぎると、ハドルはさすがに先頭集団から離れてしまうが、全米記録より遅れることなく持ちこたえ、20kmを63:48で通過。最後の1.0975kmを5km16:29ペースで走り、67:25でフィニッシュ、全米記録更新を成し遂げた。先頭集団のペースが速かったので、ハドルは、カスターの持つ10マイル(カスター:51:30/ハドル:50:52)と20km(カスター:1:04:07/ハドル:1:03:48)の全米記録も同時に更新した。

ジョーダン・ハセイは、先頭集団についていかなかったが、それでも68:38で走り、昨年のヒューストンよりも2秒速いタイムでゴールした(ハセイの自己ベストは67:55)。

ここで言及しなければならないのは、ハドルの記録は全米記録ではあるが、アメリカ人の女性選手では一番速いタイムではないということだ。2007年グレート・ノースランにてカラ・ガウチャーが66:57で走ったが、下り勾配のコースのため非公認記録となっている。

モリーおめでとう!

2018 Houston Marathon Weekend

©2018 Photo Run

期待通りの結果となったレースだった。世界から強豪選手が集まり、そしてハセイハドルの直接対決。何より全米記録更新、すべて期待通りのレースとなった。

ハドルが全米記録を出しながらも順位は7位に終わったのは、彼女の前でゴールした選手が素晴らしい選手ばかりだったということを心に留めておいて欲しい。下記にその選手たちを紹介をする。

2018 Houston Marathon Weekend

©2018 Photo Run 優勝したエチオピアのルティ・アガ

  1. ルティ・アガ – 23歳の彼女は、マラソン自己記録2:20:41、2017年のベルリンマラソン2位。
  2. キャロライン・チェプコエチ – 23歳の彼女は、2017年のファルマウス・ロードレースの王者で、トラックではブリュッセルDL決勝で、5000mの自己記録を14:51から14:27に大幅に伸ばした。
  3. メアリー・ワセラ – 29歳の彼女は、2016年のヒューストンハーフを66:29で走った。このタイムはそれまでのアメリカのハーフマラソンで最も速いタイムだった。
  4. ブゼ・ディリバ – 23歳の彼女は、2013年モスクワ世界選手権の女子5000m決勝で、19歳にして5位に入った。彼女は2017年のサンクスギビングデイ – 感謝祭のマンチェスター・ロード・レースでハドルを破った。
  5. エディス・チェリモ – 31歳の彼女は、2017年の10月にカーディフハーフを65:52を走るまではほとんど無名だった。その記録はイギリスのレースでは歴代7位の好記録だった。
  6. エウニース・チュンバ – バーレーン代表の24歳の彼女は、2017年の9月にコペンハーゲンハーフを66:11で走った。彼女はまた、昨年4月のロッテルダムマラソンを2:24:27で走った。

ハドルは厳しい状況を知りながらも自分を信じて走った

2018 Houston Marathon

©2018 Photo Run

レース前はハドルハセイの全米記録更新への挑戦について焦点を当てたが、ハドルはレースで勝つことが難しいと知っていた。

「自分は65分台で走れる選手じゃないから、何位でゴールするかについてはもっと現実的にならないといけないわ」

それにも関わらず、彼女は自分の限界を押し上げるチャンスを積極的に掴みにいき、序盤からかなりのペースで押していった。そのツケが後半にくることを知りながら。

「オーバーペースだとわかっていたわ。次第にペースが落ちていくのも知っていたけど、自分の限界がどこなのか、それを感じるのは楽しかった」

ハドルがペースを1マイル5:14(1km3:16ペース)に落とすと、順位は11位まで落ちた。それまでは“5:05~5:08ペース(1km3:10〜12ペース)で走っていた”と彼女は答えてくれた。

「10マイルまではすごくいい走りが出来ていたけど、集団から離れてしまった」

“全米記録更新できるかどうか少し不安に思った”とのことだが、それでもゴールまで精一杯駆け抜け、全米記録を9秒更新した(同時に10マイル全米記録を38秒、20km全米記録を19秒、それぞれ更新した)。

ディーナの記録をやぶることは特別なことである

トラック5000mの元全米記録保持者であり、現10000mの全米記録保持者であるハドルは、

「ハーフマラソンでディーナの記録を抜けたことは本当に特別なことです」

と、語った。

ディーナの記録をやぶったということは本当に意味のあることです。マラソンの全米記録を持っているディーナと同じ場所にこれたことは、自分にとって大きな自信になります」

次なるハドルの目標は、ボストンマラソンでの優勝だ。ハセイ、デジ・リンデン、シャレーン・フラナガンなどアメリカの選手たちが、同じ“優勝”を狙って出場する。

「それぞれの選手が違った立場でボストンマラソンに挑んでくる」

と、ハドルは語った。リンデンはボストンでの好走実績があり、ハセイは既に昨年実績のあるニューカマーとして名を売った。フラナガンは地元のヒーローだ。ハドルは、トラックで磨いてきたスピードを持っている。フラナガンがニューヨークで優勝したのを目の当たりにして、

「アメリカ人選手でも優勝できるんだ、ということを思い出させてくれた。すごく興奮した」

と、彼女は話した。ヒューストンに向けての準備として、ハドルは筋力強化に取り組んだが、これからは92日後のボストンに向けたマラソントレーニングを始める。ハドルのエージェントであるレイ・フリンはレース後に、

「ハドルは風邪をひいていた」

と、明かし、

「レース終盤にその影響が出てしまったのでは」

と、語った。

ジョーダン・ハセイはこの一年進化してきた「ボストンでの優勝が目標です」

昨年、ハセイはこのヒューストンハーフを68:40で走り、多くの注目を集めた。彼女は今日68:38で走った。レース後、コーチであるアルベルト・サラザールが、“今日は気温が低いのでタイムもそこまでは望めないだろう”と、言っていたことを明かした。

「本当に嬉しかった。思ったよりも調子よく走れました」

シカゴマラソン後に3週間の休養をとったため、今回のヒューストンに向けては7~8週間しか練習しなかたことに関しては、彼女は何も語らなかった。結果よりも、そこまでの努力や想いを強く感じたと語っていたのが印象的だった。

「努力してこれたことが嬉しい。すごく心地いい気持ちです。ボストンが一番大きな目標です。自己新記録が出たり、全米記録を出せたり、今日はもしそんな素晴らしい一日だったら… でも、それは今日じゃなかっただけ。落ち込んではいないし、今日はそれでOKです」

昨年のヒューストンの後、ハセイは2つのマラソンで素晴らしい成績を残した。1年前は想像もできたかったぐらい、彼女は今ボストンマラソンで優勝することに集中している。

「ボストンで優勝したいです。それが目標です。今日、自分にそう言い聞かせてました。ボストン、ボストン、ボストン…って」

4人のアメリカ人選手(ハセイ、ハドル、リンデン、フラナガン)が“優勝する可能性は自分にとって現実的”と、信じている。今日のレースで、ハセイはタイムにはそこまでこだわりをもっていなかった。それでも、自身2番目に速いタイムを出した。そして、昨年シカゴマラソンで2:20:57で走った1カ月前、フィラデルフィアハーフを70:42で走ったこと(それほど速くないタイムであったこと)を、ここに記しておこう。

【女子総合結果】

top-30-houston-women-finish

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2018/01/molly-huddle-breaks-american-record-2018-aramco-houston-half-marathon/

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2018年ヒューストンハーフ女子:空前絶後の高速レースはモリー・ハドルが全米記録を12年ぶりに更新する67:25で7位に入る」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 2018年ヒューストンハーフ男子:ジェイク・ロバートソン(ニュージーランド)が強豪揃いのレースをラスト3kmからのスパートを決め60:01で制する – LetsRun.com Japan

  2. ピンバック: 世界のメジャーハーフマラソン14撰 – LetsRun.com Japan

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