(以下、カノーバコーチの書き込みより)
・ドーピングについて (レッツランの掲示板には、一部の欧州選手にドーピング失格者が多い事に厳しい意見を持っているファンが多い)
ソンドレは長い間ノルウェーの反ドーピング機関に協力しており、ケニアでも検査を受けた。WADA (世界アンチドーピング機関)の“居場所通達リスト”入るのは世界トップアスリートに限られているが、国内機関のリストについてはどうなっているのか?これは、人々がケニアについて話すことを拒否したのと同じ問題である。
ケニアのトップ選手はWADAとIAAFによって何回もテストされているが、昨年までケニアの国内の反ドーピング機関は事実上存在していなかった。
(※ 編集注、ケニアのトップクラスの選手以外はドーピングが比較的容易だった事を示唆している?)
欧州の全ての国では、世界トップ20にランクインしていないアスリートの大部分が、国内の反ドーピング機関によってテストされており、ノルウェーは反ドーピング機関が最も進歩している国の1つである。
・カノーバコーチがよく選手に行わせている“80 ~ 100m × 10の上り坂のスプリントトレーニング”はソンドレも行ったのか。また筋力トレーニングは?
上り坂のスプリント走は週1 〜 2回行なっている。私達はマラソン選手にウエイトトレーニングは行わせていない。コアと反応性を鍛える一部のジムセッションは行なっている。私はエンデュアランスアスリート (持久系スポーツ)のために、収縮性繊維よりも弾性繊維を鍛える事を好んでいる。
(※ 編集注、器具を使った筋力トレーニングではなく、バウンディングといったプライオメトリクストレーニングの事を指しているのだと思われる)
・マラソンよりも短い距離の種目の記録から予想されるマラソンの想定タイムについてのコメント (レッツラン掲示板にはしばしば計算オタクが現れる)
競技者が同じ期間に全ての種目の自己記録を更新する事ができれば、あなたの計算は完璧だと考えられるが、基本的に自己記録は長年のキャリアにおいて、それぞれ別の年に達成されている。
例えば1500mで3:33の自己記録 (2004年)を持っているエリウド・キプチョゲは、その記録は当時のスピード能力によって達成された記録であるが、現在彼は3:42ぐらいで1500mを走れるだろう。彼が今マラソンで出すことのできる仮の記録 (例えば2:02)はもって、短い距離の種目の想定記録は3:42 – 7:43 – 13:10 – 27:00 – 58:20 (1500m – 3000m – 5000m – 10000m – ハーフ)と考えられる。
短い距離の種目のタイムは、より長い距離の種目の潜在的な可能性について何らかの兆候を示すことはできる。特定のトレーニングはその距離 (種目)のスペシャリストを作り、ある方向へ進むと、反対方向の何かを致命的に失うことを忘れないでほしい。
また選手によって、生体力学的作用と、身体構造が異なる事も考慮しなければないらない。例えば5000mと10000mで同じタイムで走る2人の選手がいて、一方は身長180cm・体重70kg、もう一方は165cm・52kgだったとする。大柄なタイプはマラソンペースでの効率が悪く、最も重要なのはマラソンペースでのエネルギー消費を減らすことだ。(通常のハーフマラソンペースの95~96%)
ソンドレについて:彼は現在のトレーニング状況からみて1500mは3:45で走る事ができ、このタイムは彼にとって3000m7:45, 5000m13:10~15, 10000m27:30切りに値する。このタイムで、より長い距離の種目にも適した身体構造やメンタリティを備えているなら、フルマラソン2:06切り、欧州記録 (2:06:35)の更新は2020年までに見る事ができる。これが私が考える彼の将来の最大目標だ。
(※ 実際に2017年の福岡国際マラソンで2:05:48で走った)
・ソンドレの日常の食生活やストレッチや休養について
まず、休息はトレーニングの一部というのを理解しておく必要がある。
ソンドレは普通の食生活をしている。主にパスタや米、野菜や果物をたくさん。動物性たんぱく質はあまり摂らず (肉や卵)、牛乳だけはよく飲んでいる。
ストレッチについては、ソンドレ (と私が指導している全ての国のアスリート)は頻繁にしていない。あまりに多くのストレッチは時間の無駄というだけでなく、時にはマイナスになることすらある。なぜなら“静的ストレッチ”は反応性を低下させるからだ。彼はモビリティ (流動性)を高めるための“ダイナミックストレッチ”行なっている。
睡眠に関しては、ソンドレは毎日8~9時間の睡眠をとり、昼食の後に午後練習前の短い休憩 (およそ1時間)をとっている。
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福岡マラソンでモーエン選手を知りました!
20キロあたりからテレビで見てたのですが、パッと見1番いいフォームだったので「この人誰だろう?」と気になってました。
凄いポテンシャルの持ち主だったんですね。
若いのでこれからマラソン一本でいくのか、それともトラックの記録を伸ばしてゆくのか楽しみです。
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コーチとともにこれからの方針を決めると思いますが、まずは欧州選手権を目指すのか、ベルリンやシカゴ、ニューヨークなどのマラソンを目指すのかな注目されますね。東京オリンピックではリオオリンピックに続いてマラソンでの出場になると思いますが、かなり手強い存在となりそうです。
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