ニューヨークシティマラソン女子展望:メアリー・ケイタニーの4連覇なるか?それともエドナ・キプラガトかシャレーン・フラナガンが待ったを掛けるのか

日曜日のニューヨークシティマラソンの女子は、メアリー・ケイタニーが勝利すれば、彼女はニューヨークシティを4回優勝した2番目の女子選手(伝説的なニューヨークシティマラソンでの9勝を誇るグレテ・ワイツに続いて)になる。

一方で、エドナ・キプラガトが優勝した場合、ノルウェーのイングリッド・クリスティアンセンが1989年に達成して以来の、ボストンマラソンとニューヨークシティマラソンを同一年に優勝を達成した女子選手になる。

アメリカ人のシャレーン・フラナガンが優勝した場合、彼女は女子選手としては40年ぶりにニューヨークシティマラソンのタイトルをアメリカにもたらすこと(そして2006年のディーナ・カスター以来では初めてアメリカ人選手がWMMのタイトルを獲得する)となるだろう。

その他の選手が大金星をあげれば、それはそれでビッグニュースとなるだろう。

【2017ニューヨークシティマラソン女子招待選手】

名前 国籍 自己記録 備考
メアリー・ケイタニー ケニア 2:17:01 ←世界歴代2位
エドナ・キプラガト ケニア 2:19:50 37歳にしてボストン優勝、ロンドン世界選手権銀メダル
マレ・ディババ エチオピア 2:19:52 欠場
ブズネシュ・デバ エチオピア 2:19:59
2011、2013のニューヨーク優勝、2014ボストン大会新で優勝
シャレーン・フラナガン アメリカ 2:21:14
マラソンデビューは2010ニューヨークで優勝と20秒差の2位。リオオリンピック6位以来のマラソン
マミツ・ダスカ エチオピア 2:21:59
Christelle Daunay フランス 2:24:22
Jessica Augusto ポルトガル 2:24:33 2017ハンブルグマラソン優勝、ロンドンオリンピック6位
長尾 薫 日本 2:26:58
Miranda Boonstra オランダ 2:27:32
ダイアン・ヌクリ ブルンジ 2:27:50 2017ボストンマラソン9位
Emma Quaglia イタリア 2:28:15 モスクワ世界選手権6位
Kellyn Taylor アメリカ 2:28:40 リオオリンピックアメリカ選考会6位
Adriana Da Silva ブラジル 2:29:14
ステファニー・ブルース アメリカ 2:29:35 世界クロカン22位(非アフリカ系1位)
Eva Vrabcova チェコ 2:29:56 ロンドン世界選手権を自己新で14位
Ayantu Dakebo エチオピア 2:30:06
Aliphine Tuliamuk アメリカ 2:34:44
ベッツィー・サイナ ケニア 記録無し(東京マラソンで途中棄権)
リオオリンピック10000m5位30:07

他の選手を優勝候補に挙げる必要性はいかに?

メアリー・ケイタニー – ケニア, 35歳, 自己記録2:17:01(2017ロンドン)ハーフ65:13(2017UAE, RAKハーフ), 2016〜2017年のマラソン成績:2016ロンドン(2:28:30, 9位), 2016ニューヨーク(2:24:26, 優勝),2017ロンドン(2:17:01, 優勝) , 調整レース:9月10日のグレートノースラン(ハーフ)を65:59で優勝

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2017年、メアリー・ケイタニーは世界歴代2位の記録を持つ女子のマラソン選手となった。今年は彼女のこれまでのキャリアの中で最も素晴らしい1年となった。以下の信じられないほどの好成績を見て欲しい。

【メアリー・ケイタニーの2017年の成績】

日時 レース 記録 備考
2月10日 RAKハーフマラソン 2位, 65:13 世界歴代4位+自己新
4月23日 ロンドンマラソン 1位, 2:17:01 世界歴代2位+自己新  ※女子のみのレースでの世界最高記録
6月10日 NYミニ10km 1位, 31:20
8月5日 ビーチトゥビーコン 10km 1位, 30:41 大会新記録
9月10日 グレートノースラン 1位, 65:59

(※男子のペーサーや、男子の競技者に引っ張ってもらわないレース)

非常に単純なことであるが、女子の長距離選手にとって、今年は今まで以上の盛り上がりをみせた一年だった。そして、我々は、ケイタニーがニューヨークシティマラソンで4連覇を達成することを心の底から期待している。

ほとんどの(国際的な)マラソンレースにおいて、1人の選手だけを推すことはあまり好ましいことではないが、メアリー・ケイタニーに関してはそうではない。2009年以降、彼女はどの距離のレースを全て含んだ全レースで※77%の勝率を誇っている。

(※現代の世界レベルの長距離競技者にとって、男子のエリウド・キプチョゲのようにとてつもなく高い勝率を誇ることは驚異的である)

波乱を予想してケイタニー以外の選手に賭けてみるのもいいが、ケイタニーが日曜日に勝つべきいくつかの理由は以下である。

  • ケイタニーはニューヨークシティマラソンを3回優勝している(3連覇中)
  • ケイタニーは今年、ハーフマラソンで2回も65分台で走っている。それはこのレースの調整として出場したグレートノースランのタイムも含んでいて、そのレースではリオオリンピック5000m金メダリストンのヴィヴィアン・チェリヨット(先週のフランクフルトマラソンを2:23で優勝した)を1分45秒引き離す圧勝だった。
  • 彼女は4月にロンドンにて2:17:01で走った。
  • はい、確かに2:17:01だった。
  • 彼女は独走で2:17:01でマラソンを走った!

ケイタニーが負ける可能性はあるのだろうか。もちろん、それがスポーツだ。どんなことも起こりうる。ケイタニーが負ける可能性として高いのは、彼女が2011年のニューヨークシティマラソンでの走りと同じようなレースをすることであり、すなわち、オーバーペースで飛び出してしまうということである。

このレースでケイタニーは、中間地点を67:56で通過。ポーラ・ラドクリフが2:15:25の世界記録を出した時の中間地点の通過の68:02よりも速いペースだった。ある地点では、2位と2:24の差をつけて走っていた。しかし、セントラルパークの丘の上り坂で失速し(残り3マイル地点でもまだ2位と1:02の差があったのだが)、ケイタニーは結局3位に終わった。

(※ニューヨークシティマラソンは6大マラソンでは一番の難コースで、一番タイムが出にくいとされる)

考えられ得るその他の優勝候補

エドナ・キプラガト – ケニア, 38歳, 自己記録2:19:50(2012ロンドン)ハーフ67:57(2014グラスゴー), 2016〜2017年のマラソン成績:2016東京(2:22:36, 3位), 2016シカゴ(2:23:28, 2位),2017ボストン(2:21:52, 優勝) , 2017世界選手権(2:27:18, 2位), 調整レース:無し

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キプラガトは9月に38歳になった。しかし、ケイタニー同様に、2017年は彼女の積み上げてきたキャリアの中においても素晴らしい1年となっている。4月のボストンマラソン優勝に始まり、8月のロンドン世界選手権では強豪競り落として銀メダルを獲得した。キプラガトは今まで高速コースで良い成績を残してきた。2014年のロンドンマラソンでは2:19:50の自己記録で優勝。

さらに、彼女はペーサーのいない“選手権”のレースで特に飛び抜けている。彼女がWMM(ワールドマラソンメジャーズ)で6回優勝したうちの5回は、選手権タイプのレースだった。彼女は2010年のニューヨークシティマラソンで優勝しており、その時がマラソンデビューとなったケイタニーフラナガンを破っている。今回のレースでは、もしケイタニーがいなければ(彼女は、もはや超人の域を超えている)優勝候補はキプラガトだった。

ケイタニーキプラガトの両選手は、2017年のニューヨークシティマラソンで、ワンツーフィニッシュをすると予想される、桁違いの選手である。この事実は、2人がどんなに素晴らしい選手であるかということを示している。ケイタニーは35歳、キプラガトは38歳。そして、両方とも2人の子どもの出産を経験している(キプラガトは他に3人養子をとっている)。

さらに、彼女たちはご近所さん(それぞれケニアのリフトバレー州のイテン周辺に居を構える)でもあり、ママ友でもあり、親友同士である。2012年にキプラガトが結婚式を開いた際、ケイタニーはメイド・オブ・オーナー(仲良しの付き添い人)を務めた。30代に入ってから、この2人の選手はマラソン界のトップに君臨し続けている。

懸念点:キプラガトが1年で3回のマラソンを走るのは、今年が2回目である。前回は2013年。最初の2回(ロンドンマラソン2位とモスクワ世界選手権優勝)はうまく走ったが、3回目のマラソン(ニューヨークシティマラソン)は9位に終わっている。38歳の年齢にして、7か月間で3回のマラソンを、彼女はどのように対処するのか?

シャレーン・フラナガン – アメリカ, 36歳, 自己記録2:21:14(2014ベルリン)ハーフ67:51(2016サンディエゴ), 2016〜2017年のマラソン成績:2016リオオリンピックアメリカ予選会(2:29:26, 3位), 2016リオオリンピック(2:25:26, 6位), 調整レース:無し

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2010年にフラナガンがマラソンに転向して以来、メジャーな大会で優勝することが彼女の目標だった。ニューヨークシティマラソンでのマラソンデビューは2位だった(偶然にもキプラガトケイタニーの間でゴールした)。しかし、未だにこれがメジャーマラソンでの優勝への1番近いレースとなっている。36歳となったフラナガンは、アメリカのエリートマラソン選手の1人として残っているが、最近ではメジャー大会で優勝することはかなり困難になってきている。

マラソンデビュー以来では、初めてニューヨークマラソンを走るフラナガンだが、彼女がこのレースでゴールテープを切るということは、彼女はマラソン人生をかけて走る必要があるし、ライバル選手、特にケイタニーの調子が悪いことを祈らなければならない。

フラナガンが好きなれる理由はたくさんある。前回のマラソンであるリオオリンピック(6位)は、彼女の良い成績の1つであった。しかし、その後の背中の故障によって、4月のボストンマラソンを欠場してからは1からスタートを切らなければならない状況にいたが、これまで休みなく走り続けてきた彼女にとっては、良いリセットの機会となった。

それからの復帰後、限られた調整期間だったのにも関わらず、全米選手権の10000mで4位に入り(序盤から終盤まで、ほぼフラナガンが1人で先頭を引っ張った)、5000mでは過去6年の間で1番速い14:58を出した。今回への調整に関しては、フラナガンはカルフォルニア州のマンモス湖の高地で練習をして、早い段階から距離を積んできた。そして、調整具合にも自信を持っていた。彼女はこのニューヨークですべてを出し切って、レース後に“引退”することもほのめかした。

しかし、いくつかの問題点もある。フラナガンケイタニーキプラガトに比べると、この1年間では彼女たちよりも好成績を残せていない。今年のボストンマラソンの前に、デジ・リンデンフラナガンと同じようなことを言っていた。

「全力をつぎ込んで、メジャー大会でどうしても優勝したい」

と。リンデンは素晴らしい走りをしたが、キプラガトやロンドン世界選手権の王者となったローズ・チェリモ、そして初マラソンにして大活躍したアメリカ人のジョーダン・ハセイに負けている。

ハセイを見てみよう。彼女はシカゴマラソンでとんでもない走り(全米歴代2位)をみせたが、それでもティルネッシュ・ディババ“2分30分差”で負けている。マラソンの世界では守りに入ることはできない。もしケイタニーが今回2:22で走れば、フラナガンが彼女を止めることはできないだろう。

フラナガンが、今後いつ引退したとしても、彼女はアメリカ史上で最も偉大な女子の長距離選手として名を刻むだろう。もし彼女がマラソンのメジャー大会で勝てなくとも、彼女の偉業は少しも傷つかない。なぜならば、マラソンのメジャー大会で優勝するというのは、現代においては極めて困難なことであり、特にフラナガンがこれまで走ってきた大会はそうである。

(※フラナガンのこれまでのマラソンキャリア:2010年ニューヨーク、2012年ロンドンオリンピック選考会、2012年ロンドンオリンピック、2013年ボストン、2014年ベルリン、2015年ボストン、2016年リオオリンピック選考会、2016年リオオリンピック、2017年ニューヨーク)

彼女の過去9回のマラソンで、彼女の高い基準から見ると“悪い”成績だったのは、1つだけである(2015年ボストンマラソン9位。それでも彼女のタイムは2:27:47だった)。だから、日曜日でのレースでも、彼女はきっと“力強い走りを見せてくれる”と我々は期待している。

現代におけるマラソンのメジャー大会での、※招待選手の減少率を考慮しても、フラナガンが2位か3位かという予想は十分すぎるぐらいいいだろう。しかし、優勝するには、ケイタニーが大失敗レースをするか、他のどの選手も失敗してしまうか、そのどちらかだろう。しかし、それは明らかに高望みをしすぎているのだろう。

(※アピアランスフィー=出場料と大会主催者の予算の兼ね合い、つまり大物選手への出場料の高騰などが影響している。例えば、今年のベルリンマラソンはビッグ3に予算をかけて、それ以外の“例えば”アフリカ勢の招待選手はやや手薄になってしまっていた。例えばサブ2:04の選手を3人招待するのと、サブ2:07の選手を8人ぐらい招待するのでは出場料の予算も変われば、レースレベルも変わってしまう。そういう意味では予算が潤沢にあるロンドンマラソンで3位に入ることや、男子では世界記録を狙うメンバーを招待するベルリンマラソンで3位に入ることは、シカゴマラソンやボストンマラソン、ニューヨークシティマラソンで3位に入ることとはレースの性質が変わり、例えば高速レースになりやすいであるとか、それぞれの難易度が微妙に変わってくる)

【2003〜2016年のニューヨークシティマラソンでのアメリカ選手のトップ5入り一覧】

選手 記録
2008年 カラ・ガウチャー, 3位 2:25:53
2010年 シャレーン・フラナガン, 2位 2:28:40
2014年 デジ・リンデン, 5位 2:28:11
2016年 モリー・ハドル, 3位 2:28:13

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2017/11/2017-nyc-marathon-womens-preview-mary-keitany-goes-four-straight-edna-kiplagat-shalane-flanagan/


(※以下、ニューヨークシティマラソンの共同記者会見後の談話について)

メアリー・ケイタニーは家族の為に優勝を狙う

ケイタニーはニューヨークシティマラソンで3連覇と果たしており、2016年は2位と3分35秒差の大差で優勝している。32年ぶりとなる大差での勝利だった。ケイタニーグレテ・ワイツ“ニューヨークシティマラソン9勝”という偉業は達成できないまでも(ケイタニーがこれを成し遂げるには、40歳になるまで毎年優勝し続ける必要がある)、マーガレット・オカヨが2003年に記録した大会記録の2:22:31を更新することが、ケイタニーに残された達成可能な偉業である。しかし、ケイタニーは、

「今回のレースで大会記録を狙っているわけではない」

と、公言している。彼女の一番の優先事項は、優勝すること=4連覇を達成することである。

「ペースメーカがいないと大会記録を狙うのは難しい」

と、ケイタニーは語った。しかし、ロンドンでペースメーカーがいなかったとしても彼女にとっては大きな問題ではなかった。ロンドンマラソンはペースメーカーがいたが、ケイタニーは自らペーサーを振り切って走ったので、ペースメーカーがいなくとも速く走っていただろう。

もしケイタニーは日曜日に優勝すれば、この1年でハーフマラソン(65:13)とマラソン(2:17:01)で自己記録を更新した、彼女のキャリアの中でも最高の一年に、最後の一押しを加えることになる。35歳になった現在も、彼女がどのようにして進化し続けているのか、彼女に聞いてみると、

「9歳のジャレッド、4歳のサマンサの2人の子どもたちにいつも励まされている」

と、答えた。彼女の2人の子どもはニューヨークでは有名な光景となっている。ケイタニーのスポンサーであるアディダスのウェアを着たサマンサがジャレッドと遊びながら、母親がメディアのインタビューを終えるのを待っている光景は、なんとも可愛らしい。

(※ケイタニーのインタビュー動画を録画したが、彼女はとても優しく話すため、彼女の回答を聞き取るのは難しかった。もし聞き取りに挑戦してみたいなら、動画はココにある)

エドナ・キプラガトは“ママ友”のメアリー・ケイタニーに挑戦する

2回の世界選手権の優勝経験を持つ38歳のエドナ・キプラガトは、自身のキャリアを再び甦らせた。4月のボストンマラソンで優勝し、8月のロンドン世界選手権でも、もう少しで優勝のところ、銀メダルに終わった。普通であれば、日曜日のレースで彼女は優勝候補になるだろう。

しかし、キプラガトのご近所さんで、良い友人でもあり、キプラガトの結婚式でメイド・オブ・オーナーを務めたメアリー・ケイタニーには“負けるかもしれない”と、考えているようだ。

(※この記事を書いている時点で、LetsRun.comの読者の優勝予想は57%がメアリー・ケイタニーである)

しかし、キプラガトは、

「ケイタニーの存在は怖くない」

と、語った。“ロンドンマラソンでのケイタニーの記録は脅威か?”と聞かれると、キプラガトは笑いながら“ノー”と答えた。

「ロンドンマラソンは高速コースだから、体力的にもメンタル的にも十分な準備が必要。2:20を切るにはトレーニングを十分にしないといけない。メアリーがロンドンマラソンで※世界記録を出したときは調子がかなり良かった」

と、キプラガトは言及した。

(※女子のみのレースでの世界記録)

ロンドン世界選手権の2か月半前のことだ。キプラガトはニューヨークシティマラソンに向けても練習を積まなければならなかったが、

「練習も順調に進んでいる」

と、彼女は答えた。たくさんの経験を積んできて、今や38歳となった彼女は、物事の変化や身体の変化に適合することに慣れている。そして、今年の結果がそれを証明している。彼女は、

「かつてのような練習でもう出来ないけれど、今はもっと賢いやり方で練習している」

と、述べた。

「リカバリーには時間がかかる。身体を回復させるためには、走る距離を短縮しなければならないし、スピードも落とさないといけない」

2013年は、キプラガトが1年で3回のマラソンを走ろうと試みた1年だった。ロンドンマラソンで2位、モスクワ世界選手権で優勝したが、ニューヨークシティマラソンでは9位に終わっていた。

ベッツィー・サイナがジェリー・シューマッカーとパトリック・サングの“違い”について語る

ニューヨークシティマラソンは、サイナにとってマラソン2回目のレースとなる。2月の東京マラソンでマラソンデビューを控えていた当時、練習は順調に進んでいたものの、レース数週間前にアキレス腱を故障してしまった。しかし、それまでのおおよその練習はほぼ積めていたので、彼女はレースには出場することを決めた。そして、中間地点までは70:00台で快調に走っていたが、その後アキレス腱の痛みが最高潮になり、棄権に追い込まれた。

「残念ながら当時は、マラソンは何かを騙し騙しで走りながら完走出来る種目じゃない、ってことに気づいてなかったのよ」

サイナは、そう述べた。2回目のマラソンに向けて、彼女は故郷の※1 ケニアに戻ることを決めた。

(※1:サイナはケニアからアメリカのアイオワ州立大学に5年間留学し、卒業後はコロラドスプリングでポール・チェリモらとスコット・シモンズのもとで練習をしていた。その後2015年の10月にBTCに加入してポートランドで生活をしていた。2016年のリオオリンピックで10000mにケニア代表として出場し、30:07.78の世界歴代12位の好記録で5位入賞を果たした)

サイナは現在、ジェリー・シューマッカー率いるバウワーマン・トラック・クラブ(BTC)の一員ではなくなった。ケニアに戻って、彼女は※2 パトリック・サングのもとで練習を積んでいる。

(※2:ケニアのリフトバレー州のカプタガトにある、グローバル・スポーツ・コミュニケーションズ(GSC)のトレーニングキャンプのケニア人コーチ。エリウド・キプチョゲ、ジョフリー・カムウォロル、エマニュエル・ムタイや、北京オリンピック3000mSC金メダリストのブリミン・キプルト、ロンドンオリンピックマラソン金メダリストのウガンダのスティーブン・キプロティッチのコーチでもある。ロンドン世界選手権10000mで銀メダルを獲得したウガンダのジョシュア・チェプテゲイサングに師事していた。最近ではアベル・キルイがこのキャンプで練習をしている→彼のコーチはレナート・カノーバ)

サイナの練習には男子のペースメーカー5人が手伝っているという。彼女はまた、日曜日に対戦するエドナ・キプラガトメアリー・ケイタニーからもアドバイスを受けている。

「ケニアに戻ってニューヨークシティマラソンに向けた練習をすることには、大きく分けて2つ良い点があった」

と、サイナは話した。彼女の家族に会えること、そして“柔らかい路面”で練習出来ることである。サイナにはアメリカに住む2人の妹がいるが、彼女たちは滅多にケニアには戻らないらしい。しかし、サイナ“父親が大好き”であるため、故郷のケニアに戻るのが大好きだった。

もう1つの利点は“柔らかい路面”でトレーニング出来ることである。彼女がプロ選手になった2014年以降、彼女はずっとアキレス腱の問題に悩まされてきた。東京マラソンの前には、多くの練習をロードで行った。ケニアに戻ってからは、長い距離の練習はすべて土の上で行われている。

「距離走は全て土の上でやっていて、足には何の問題もないの。故障もしていない。マラソンへ向けた練習をケニアでやりたい理由が、それね。でも、マラソンへ向けた調整をするのに、ただ単に家で過ごしたかったというのもある」

サイナは、そう述べた。シューマッカーサングの練習方法の違いについても、サイナに尋ねてみた。彼らの方法は似ているけど、サングのもとでは1週間に3回ポイント練習をこなすけど(火曜日にトラック、木曜日は距離走、土曜日にファルトレク)、一方でシューマッカーのもとでは、2回だった(火曜日もしくは水曜日にトラック、週末に距離走)と答えた。

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2017/11/lelisa-desisa-guarantees-victory-lemi-berhanu-wants-run-206-207-wilson-kipsang-explains-berlin-dnf-nyc/

関連記事【ニューヨークシティマラソン男子展望】

https://letsruncomjapan.wordpress.com/2017/11/05/2017-nyc-marathon-international-mens-preview-ghebreslassie-guns-repeat-kipsang-tries-bounce-back-kamworor-returns-marathon/

 

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ニューヨークシティマラソン女子展望:メアリー・ケイタニーの4連覇なるか?それともエドナ・キプラガトかシャレーン・フラナガンが待ったを掛けるのか」への2件のフィードバック

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  2. ピンバック: ニューヨークシティマラソン女子:シャレーン・フラナガンがアメリカの女子選手として40年ぶりのニューヨークシティマラソン優勝!! – LetsRun.com Japan

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