10月22日の日曜日、ケニアのジョイシリン・ジェプコスゲイは、スペインで開催されたIAAFゴールドラベルレースのバレンシア・トリニダードアルフォンソ・ハーフマラソンで、自身の世界記録を1秒更新する世界新記録の1:04:51で優勝した。ジェプコスゲイは、4月にプラハでハーフマラソン、9月にプラハで10kmの世界記録を更新した今年の勢いそのままに、このバレンシアでも世界記録を更新してみせた。
ペーサーのエゼキエル・ケンボイが、当初予定されていた1km3:05ペースよりも速いペースの5kmを14:52で通過し、10kmは30:09の世界記録ペースで通過。しかし、そこから大きくペースを落とし、15kmは45:59で通過した。ジェプコスゲイが4月にプラハで1:04:52の世界記録を出した時は、15kmを45:37で通過しており、世界記録の更新は危ういかに見えた。
しかし、沿道の声援の後押しもあり、ジェプコスゲイは20kmを1:01:30で通過。前回よりも5秒遅かったものの、そこから猛スパートをかけて、自身の世界記録を1秒更新する1:04:51でフィニッシュした。
【レース動画】
5km:14:52 10km:30:09(15:17)
15km:45:59(15:50) 20km:1:01:30(15:31) ハーフ:1:04:51(3:21)
「バレンシアでの最初のレースでした。とても楽しかったし、天気も良かったし、速く走るには完璧なコンディションでした」
と、12月に24歳になるジェプコスゲイは話した。
「来年3月の世界ハーフマラソン選手権で、またこの※バレンシアに戻ってきたいです」
(※2018年の世界ハーフマラソン選手権はバレンシアで開催される)
彼女の今年のレースは、このレースで幕を閉じた。
今回の女子ハーフマラソンの世界記録更新は、フローレンス・キプラガトがバルセロナで記録した2014年の1:05:12と、2015年の1:05:09の世界記録以来、スペインでの3度目の女子ハーフマラソンの世界記録更新であった。
チェロベンが勝利の美酒を再び味わう
バーレーンのアブラハム・チェロべンが男子のレースを59:11で制し、バレンシアでは4年で3度目の勝利を収めた。マシュー・キソリオがペーサーの先頭集団は、最初の5kmを14:00で通過し、2014年にチェロベンが出した58:48の大会記録のペースで推移した。
10kmを前にチェロベンがペースを上げ集団がバラける。先頭集団は27:54で10kmを通過したが、ハーフの自己記録が1:02:19のノルウェーのソンドレ・ノルドスタッド・モーエンが少し離れた4番手に付けるサプライズ。そこからペースは落ち、先頭の大会記録の望みは少なくなった。15kmを42:08で通過したあと、先頭は20kmを56:18で通過。結果、チェロベンが59:11で後続を僅差で振り切り優勝した。
モーエンは、2分32秒も自己記録を縮めるノルウェー新記録の59:48で4位になり、公認コースのハーフマラソンでは※欧州歴代2位に躍り出た。
(※歴代1位はモー・ファラー、ポルトガルのアントニオ・ピントが1998年のリスボンハーフで59:43の記録を出しているが当時は非公認コースであった)
【バレンシア・トリニダードアルフォンソ・ハーフマラソン結果】
– 男子 –
1 Abraham Cheroben (BRN) 59:11
2 Leul Gebresilase (ETH) 59:19
3 Fikadu Haftu (ETH) 59:22
4 Sondre Nordstad Moen (NOR) 59:48 ノルウェー新記録、欧州歴代2位
5 Mustapha El Aziz (MAR) 1:00:51
6 Amanuel Mesel (ERI) 1:00:53
7 Justus Kangogo (KEN) 1:00:53
8 Mathew Kisorio (KEN) 1:01:17
– 女子 –
1 Joyciline Jepkosgei (KEN) 1:04:51 世界新記録
2 Fancy Chemutai (KEN) 1:05:36
3 Lucy Cheruiyot (KEN) 1:07:30
4 Gelete Burka (ETH) 1:08:17
5 Paskalia Chepkorir (KEN) 1:09:13
6 Trihas Gebre (ESP) 1:09:55
7 Birhan Mhretu (ETH) 1:09:59
8 Azmera Gebru Hagos (ETH) 1:10:39
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