ヘラクレス・モナコ (モナコDL) 男子3000mSC – エヴァン・ジェイガーが非アフリカ人選手として史上初のダイヤモンドリーグでの男子3000mSC制覇!!

7月21日にモナコで、ヘラクレス・モナコ (ダイヤモンドリーグ・モナコ大会)が開催された。

男子3000mSCでエヴァン・ジェイガーが、今シーズン世界最高記録の8:01.29で優勝し、ダイアモンドリーグ男子3000mSCで非アフリカ人としては初優勝し、ロンドン世界選手権での優勝候補に名乗り出た。

男子3000mSC

2年前のパリDLで、エヴァン・ジェイガーは8:00.45というアメリカ新記録で走ったが、この日のレースは彼にとっては、ほろ苦いものであった。ジェイガーは(非アフリカ人選手として史上初の)8:00を切るペースで走っており、ダイヤモンドリーグ優勝も目前であったのにも関わらず、最後の障害を飛越したところで彼は転んでしまい、ケニアのジェリアス・ビレチに抜かれ、2位に終わってしまった。

モナコで行われた今夜のヘラクレス・モナコで、ジェイガーはアメリカ史上2番目に速い記録で快走した。タイムこそアメリカ記録には届かなかったものの、レース展開は素晴らしいものだった。2年前のパリでは、ジェイガーは先頭でリードを奪ってはいたものの、ラスト1周のスパートでスピードを維持するのに手こずっていて、最後の障害でその疲労にやられてしまった。今夜のモナコでは、ラスト1周に入るとフィールドを完全に支配しているように見えた。

今夜のレースで最後の障害をクリアし、8:00切りを目指して全力疾走したときだけは、少しだけ力んでいるようには見えたが、それでも結果は疑いの余地のないものだった。彼の今の状態はピークにあり、素晴らしいレースで歴史的勝利を挙げた。非アフリカ人としては初めてダイヤモンドリーグ男子3000mSCで優勝を果たし、優勝タイムの8:01.20は今シーズン世界最高記録であった。

リオオリンピックチャンピオンであるコンセスラス・キプルトが足首を怪我したため“アメリカ人選手のエヴァン・ジェイガーはロンドン世界選手権での金メタル候補だ”と言ってもいいだろう。ジェイガーは2015年パリDLの復讐を果たした。ビレチは8:07.68で2位に入り、3位に入ったのはもう1人のアメリカ人選手のスタンレイ・ケベネイで、8:08.30で自己記録を10秒更新し、アメリカ人選手史上2番目に速い選手に踊り出た。

今夜のレースは実にシンプルだった。レース前にポッドキャストに出演したジェイガーは、先頭付近を走り、優勝を狙うと話していたが、ペースメーカーを除いて、彼は常に先頭を走っていた。2000mまで速いペース(2000m通過5:25.40)で進み、最後のペースメーカーが抜けると、ジェイガーが先頭、後ろにビレチ、ベンジャミン・キゲン、そしてケベネイの4人の先頭集団になった。

ジェイガーの走りは落ち着いており、ラスト2周に入り後続が一列になると、彼は差を広げるために仕掛ける。最終ラップの鐘が鳴るホームストレッチで、ジェイガーは後続との差を15m程度まで広げ、さらに差を広げていく。ジェイガーの動きは圧巻で、バックストレッチに入ったところでレースは決まったも同然だった。

最後の障害も問題なくクリア。ホームストレッチに入ると時計を一瞥し、8:00切りの可能性に賭けラストスパートをかけるも、それは叶わず。フィニッシュラインを駆け抜けると、少し皮肉っぽい笑顔を浮かべ“もっと早くにスパートしていれば8:00切りもできたのでは”と、思っていたのだろう。

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ジェイガーの今夜のレースは驚くべきものだった。最後の1000mを約2:35で走ったのだ!ラスト2周は2:03.03、ラスト1周は60.03だった。このペースで、誰も前にいない状態で障害をクリアしていくのは、金メダルに値する。ちなみに、去年のリオオリンピックでキプルトが8:03.28のオリンピック記録を出したが、その時のラスト1周のタイムは60.1であった(彼はゴール手前でもうほぼ歩いていたのだが)。

POS BIB ATHLETE COUNTRY MARK POINTS
1 Evan JAGER USAUSA 8:01.29 8
2 Jairus Kipchoge BIRECH KENKEN 8:07.68 7
3 Stanley Kipkoech KEBENEI USAUSA 8:08.30 6
4 Benjamin KIGEN KENKEN 8:11.38 5
5 Amos KIRUI KENKEN 8:15.91 4
6 Andrew BAYER USAUSA 8:19.27 3
7 Hillary BOR USAUSA 8:25.88 2
8 Abraham KIBIWOTT KENKEN 8:32.39 1
9 Djilali BEDRANI FRAFRA 8:33.02
10 Haron Kiptoo LAGAT KENKEN 8:36.04
11 Matthew HUGHES CANCAN 8:38.72
12 Mitko TSENOV BULBUL 8:44.91
Justus Kipkorir LAGAT KENKEN DNF
Bouabdellah TAHRI FRAFRA DNF
Conseslus KIPRUTO KENKEN DNS
John Kibet KOECH BRNBRN DNS

エヴァン・ジェイガーは、ロンドンでは優勝候補!

ジェイガーはラスト1周の鐘へ近づくあたりから、後続を引き離してかかっていた。リオオリンピック金メダリストのコンセスラス・キプルトがラバトDLで負傷したことを考えると(ラバトDLで途中棄権し、モナコ大会も欠場したが、ロンドン世界選手権は走る意向)、リオオリンピック銀メダリストであるジェイガーが優勝候補になっても、なんの驚きもない。

しかし、男子3000mSCの歴史的に見ると今シーズンは異変が起きている。1988年まで遡ると、過去21人の世界選手権、またはオリンピックで優勝した選手は、全員ケニア生まれの選手だ。ジェイガーが今夜のレースで8:01で走ったことを考えると、彼こそがロンドン選手権でケニア出身の選手を破ることが出来る唯一の選手である。しかし、ライバルは他に何人かいる。ロンドン世界選手権でジェイガーに挑んでくる選手たちを見てみよう。

 

スーフィアン・エル・バッカリ

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エル・バッカリも、ジェイガーと同じく優勝候補だという言う人もいるだろう。モロッコ出身21歳のエル・バッカリは、先週のラバトDLで8:05.17で走って優勝し、2位だったビレチとの差は5秒79と完勝であった。今夜のジェイガーとビレチとの差は6.39で、エル・バッカリのラバトDLでの優勝タイムは8:05.12とジェイガーよりは遅く、ラスト1周のタイムも60.8と遅い。しかし、エル・バッカリも残り200m地点で観客に手を振りながら走っていた。今夜のジェイガーは、ラスト1周で全力を出し切っていた。

コンセスラス・キプルト

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キプルトは足首の故障を抱えたまま、ラバトDLに出場し、レース中に途中棄権した。今回のモナコDLも足首の故障の完治ために欠場したが、今年出場した2レースではどちらも勝利を収めており、6月8日のローマDLではエル・バッカリとの接戦を制し8:04.63で優勝している。

男子3000mSCの予選は今から16日後 (7月21日現在)だ。その一日一日をキプルトは足首の回復に努めなければならないだろう。そして、ジェイガーに勝つ可能性を100%に近づける必要がある。

「ロンドン世界選手権前、にリスクを犯してまで走りたくはない」

とキプルトはIAAFに語っている。

「これは(モナコDLの欠場)足首の故障の完治ためだ。練習はうまくいっている。でも、現段階では跳ぶのには少しリスクがある。でも、ロンドン世界選手権は心配ないし、世界選手権には出るよ」

ブリミン・キプルト (参考記事)

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2008年の北京オリンピックの覇者は7月31日で32歳を迎える。2015年の北京世界選手権でも銅メダルを獲得し、今年のケニア選手権でも2位に入ってケニア代表入りを果たした。しかし、今シーズン、ダイアモンドリーグを走っていないので、世界レベルの舞台での勝負勘がどこまで戻っているかがカギとなる。

エゼキエル・ケンボイ

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彼は35歳で、今年1回(ローマDLで8:33)しか走っていないが、最近の世界選手権を4大会連続で優勝し続けている、この偉大な3000mSCの選手を抜きに、この種目語るのはナンセンスである。ケンボイはいつも世界選手権に出場する時、絶望的なレースの後に勝つ傾向がある。彼は果たしてロンドン選手権で、世界選手権での5勝目を挙げることができるだろうか。

スタンレー・ケベネイの走り

もしジェイガーがいなかったら、8:08.30で自己記録を更新した、アメリカのスタンレー・ケベネイの話題で持ちきりになっただろう。前述からも分かると思うが、男子3000mSCでは今、不確実なことが多く、その恩恵を受けているのがケベネイである。8:08.30というタイムは今シーズン世界ランキング5位の記録である。

ジェイガーとエル・バッカリがメダル候補ではあるが、キプルトは万全ではない。そしてビレチがいるが、今夜のレースで2位だったビレチと、3位だったケベネイとはたった0.62秒差であった。男子3000mSCで2人のアメリカ人選手がメダルを獲る…それは十分に起こりうることだ。

 

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2017/07/evan-jager-crushes-801-29-world-leader-monaco-become-first-non-african-man-win-diamond-league-steeplechase-establish-favorite-worlds/

 

 

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  1. ピンバック: ヘラクレス・モナコ (モナコDL) – ウサイン・ボルト (9.95), エマニュエル・コリル (1:43.10 800m) & エライジャ・マナンゴイ (3:28.80 1500m)はケモイらを葬り去った – LetsRun.com Japan

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