男子3000mSCアメリカ記録保持者のエヴァン・ジェイガーは、ロシアのハッカー集団であるファンシー・ベアーズが公表した書類に「ドーピングの可能性あり」としてジェイガー名前が挙がった件について、自身のウェブサイトで声明を発表した。
ファンシー・ベアーズが公表したこの書類は、IAAFが管理している、選手の生体パスポートの内部データだと主張。(生体パスポート:スポーツ選手の一定期間における生物学的マーカーを記録し、これを照合することでドーピングを検知するドーピング検査手法である)
IAAFも本日、声明を発表した。
・“Likely doping”(ドーピングの可能性)
・“Passport suspicious; Further data isrequired”(パスポートに不審点、更なるデータが必要)
・“Likely medical condition”(持病の可能性)
・“Normal”(異常なし)
・“Cancelled by APMU (Athletes Passport MangementUnit)”(APMUによって削除)
「これらの専門用語はADAMS(Anti-Doping Administration & Management System)のよって選手の情報を分類する際に使われ、選手の生体パスポートが更なる調査が必要か否かを示している。選手が実際にドーピングを行ったかどうかを決定づけるものではない。選手情報のステータスをいつでも変更できる機能的なプロセスである」
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エヴァン・ジェイガーの声明
「ファンシー・ベアーズが出した書類に自分の名前が載っているということ、そして自分の血液検査の結果が異常であったと伝えていること、私が今朝起きてから、そのことが分かった。
「ドーピングの可能性」というリストに自分の名前が載っているのを見て、すごくショックを受けた。どのようにして、またどうして、このリストに自分の名前が載っているのか、分からないことがたくさんある。禁止物質を摂取したことはこれまで一度もない。自分が潔白なアスリートであることを、常に誇りに思ってきた。
2016年2月9日(最後のABP検査日と記載されている日付)から検査結果や検査通知の記録を辿ってみたが、その日に薬物検査をしたという記録は見つからなかった。
また、異常な血液検査結果についてUSADA、WADA、そしてIAAFからも何か連絡があった事実はない。その日に検査を受けた可能性があったとしても、その記録は残っていない。今、当局に問い合わせしており、その日に検査を受けたのかどうか、どうしてこのリストに自分の名前が載っているのかを確かめている。
IAAFが、ドーピング違反は行われていないと明らかに決定付けているが、中には自分がその規則を破ったのではないかと考えている人もいるようで、それはとても悲しいことだ。不正をしない、そしてファンやライバルの選手を信じ、潔白で正々堂々とスポーツをやれば、トップに辿り着けるということを証明するのは、僕の中ではとても重要なことだと考えている。
過去にも、そしてこれからも、反ドーピング機関の規則を破ることは決してない。早く真実が明かされることを祈っている。そして、これまで長い時間をかけて築いてきた競技の世界での信頼を守れることを祈っている」
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