世界トップの3000mSCの選手はハードリングの練習をどのぐらいするのか?後編 – 完璧なハードリングとは、どのようなものか

●できるだけ障害物から近い位置で着地すること

ハンターによると

「障害から近い位置で着地することで、着地後の重心をしっかりと保つことができ、ブレーキを最小限に収めることができる。それにより、着地後にすぐに前進するアクセルをかけることができるのである。これにも理想的な距離があるが、誰もまだ近い位置で着地できていないように思える」

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水濠は、話がちょっと違ってくるが、上記の同じことが当てはめられるだろう。速いスピードで入り、高く跳びすぎない。水濠をハードリングすることと、足をかけハードルを蹴ることに関しては、ハードリングの方がより多くのエネルギーを必要とし、リスクもかなり多いと、ハンターは説明する。

選手は (普通の障害とは違って)跳ぶ瞬間にどこに着地するのか分からないし、足をかけて跳ぶ時より足にかかる負担が大きい。しかし、速いスピードのポテンシャルを引き出すことができる。

「例えば、ハードリングが上手くて速いスピードで走れれば、ラスト1周で60秒を切るペースで走れて、さらに障害も上手くこなせるとなると、ハードリングは考慮するに値することなのだ」

しかし、水濠においてもハードリングすることを考えるならば、実際のレースでそれを実行する前に必ず、そのトレーニングを練習の中でしなければいけないと、ハンターは付け加えた。ハンターのデータによると、アメリカで一番の3000mSCの選手であるエヴァン・ジェイガーエマ・コバーンは、もっとも効率的に跳ぶ選手である。

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「他の選手を見ると、障害を越える際に10%ほどスピードが減速している。ハードリングの際に5~15%の減速することは普通のことだ。エマジェイガーは障害を越える際に減速していない。水濠では5~20%の減速が一般的だ。エマジェイガー5%、あるいはそれ以下の減速に抑えられている」

ジェイガーコバーンのフォームは教科書に載っているような跳び方に近い。しかし、ハードリングの目標は、できるだけスピードを維持することだ。トップのケニア人選手のハードルのフォームはアメリカ人選手と比べると上手ではない。後ろ足が障害を越える際にバタついているが、それは決して効率的な跳び方ではない。

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「ここで述べるのは、あくまで一般論であるが、私が戦ってきた大多数のケニア人選手は、西洋の選手とは全く違う跳び方をしているのにも関わらず、良い成績で走っている。それが非効率であっても、スピードを失わないのであれば、どんな方法でも障害は跳び越えられる」

と、ドン・カブラルは話した。

ケニア人は、その独特のハードリングのフォームのおかげで、ある程度の効率性は失っているものの、失った部分を他の部分で補える。それゆえ、彼らは速く、跳ぶ瞬間の速度は、どんな技術的欠陥をも補えることができる。

ハンターはこう話す。

「レースペースがすごく速い場合、技術の重要性というのは少なくなる。そういうところがケニア人選手は上手いんだ」

ジェイガーのハードリングのコーチであるバウワーマン・トラック・クラブ (BTC)フィジカルコーチパスカル・ドバートも続けてこう言った。

「彼らは (3000mSCでなくても)いつでも素晴らしい走力を持っている。もしアメリカ人選手がハードリングした時に、技術的にケニア人と同じぐらいハードルが上手くないのであれば、良い3000mSCの選手にはならないだろう。しかし、ケニア人は障害を跳ぶことに関して、非ケニア人やアメリカ人選手と比べると、エネルギー消費がすごく少ない」

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「彼らのレースを見ると、障害を跳ぶ時に加速したり止まったりすることが基本的にはない。彼らはかなり流動的だ。障害を跳ぶ時、足の使い方は下手だが、走りのリズムを崩すことはない。ケニア人にはバネがある。彼らはエネルギーを使うことなく障害をピョンと跳ぶことができる。それが、足首の柔軟性や筋力の賜物なのか分からないが、アメリカ人やヨーロッパ人選手と比べると、素早く、少ないエネルギーで跳ぶことができるのだ」

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世界トップの3000mSCの選手はハードリングの練習をどのぐらいするのか?後編 – 完璧なハードリングとは、どのようなものか」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: (過去記事)世界トップの3000mSCの選手はハードリングの練習をどのぐらいするのか?前編 – 北京オリンピック金メダリストのブリミン・キプルト「練習したことがない」 – LetsRun.com Jap

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