ノルウェーのオスロで開催されたダイヤモンドリーグオスロ大会 – ビスレットゲームの中長距離種目の結果は以下。
男子1500m
スコットランド人のジェイク・ワイトマンが番狂わせ。レオ・マンザノ以来の非アフリカ人によるダイヤモンドリーグでの1500m/マイルでの勝利。
2年前、22歳のスコットランド人のローラ・ミューアはオスロDLの1500mで優勝、ケニア人に勝利し皆を驚かせた。本日、同じトラックで別の22歳のスコットランド人がミューアの足跡を辿った。2年前、ミューアが北京世界選手権銀メダリストのフェイス・キピエゴンを破ったように、ワイトマンも北京世界選手権銀メダリストのマナンゴイを破った。
ワイトマンは2013年のヨーロッパジュニアのチャンピオンであり、自己記録を1秒以上更新する3:34.17の自己新で、ダイヤモンドリーグの男子1500m/マイルで非アフリカ系選手としての至上二人目の勝利を収めた(レオ・マンザノが2011年のロンドンDLのマイルで優勝)。
レースはペーサーが55.87 – 1:53.06で引っぱったが、その後ろでアヤンレ・スレイマンが引っぱり、その後ろにイギデール、マナンゴイが付くという展開。ラスト300mよりワイトマンが進出を開始し、序盤の9番手から見事に全員を差し切った。イギデール、スレイマンの実力者は不発に終わり調整不足を思わせた。マナンゴイはプリクラシックのように2位を確保しなければならず、ポーランド人のレワンドウスキーは自己記録を3秒更新する3:34.60で3位に入った。
1 Wightman , Jake GBR 3:34.17 2 Manangoi , Elijah Motonei KEN 3:34.30 3 Lewandowski , Marcin POL 3:34.60 4 Ingebrigtsen , Filip NOR 3:36.74 5 Torrence , David PER 3:37.19 6 Grice , Charlie GBR 3:37.78 7 Kiplagat , Silas KEN 3:37.81 8 Holuša , Jakub CZE 3:38.19 9 Elkaam , Fouad MAR 3:38.19 10 Souleiman , Ayanleh DJI 3:38.55 11 Williamsz , Jordan AUS 3:38.86 12 Ngetich , Hillary Cheruiyot KEN 3:39.41 13 Gregson , Ryan AUS 3:41.35 14 Iguider , Abdalaati MAR 3:41.79 Kiptoo , Elijah Kipchirchir KEN DNF Rotich , Andrew Kiptoo KEN DNF
ワイトマンは上記のように2013年のユーロッパジュニアチャンピオンであるが、20歳の誕生日の翌日に3:35.49を記録したように高いポテンシャルを示していたが、その翌年、翌々年は不振に陥った。昨年のイギリスのオリンピックトライアルで3位に入ったものの、参加標準である3:36.20をクリアしていなかったがために、リオオリンピックを自宅で観戦するハメになった。
しかし、彼は今回のオスロでの勝利をもって最高の結果を見せた。800m1:47.13 / 1500m3:35.49の自己記録を持って今季を迎えたが、特に最近の5レースの成績は以下である。
5月13日:BMCグランプリ(イギリス)800m 優勝 1:46.36 自己新
5月27日:IFAMミーティング(ベルギー)1500m 優勝 3:35.93
6月2日:アディダスブーストボストンゲーム(アメリカ)800m 5位 1:46.07 自己新
6月10日:Folksamグランプリ(スウェーデン)800m 優勝 1:45.82 自己新
6月15日:ビスレットゲーム(ノルウェー)1500m 優勝 3:34.17 自己新
自己記録を更新することは素晴らしいが、レースで優勝を飾ることはさらに印象的である。素晴らしいキャリアを持つイギデールとスレイマンが調整不足なのは明らかで、これは一流のダイヤモンドリーグのレースではない。しかし、ドーハDLを勝利し、ユージーンDLで2位に入ったマナンゴイを破ることは大金星だと言える。ワイトマンはなんと素晴らしいのであろうか。
ワイトマンを走らせたのは彼の血統ゆえにあるが、両親が長距離のスペシャリストであっただけに、どこからそのトップスピードが得られたのかはわからない。ジェイクのコーチであり、彼の父でもあるジェフは2時間13分台の記録を持つマラソン選手であり、母のスーサン・トービーは2時間31分の記録を持つマラソン選手で、1988年のオリンピックで12位になった。
また別のスコットランド人の才能があらわれる
ワイトマンは、ミューアや最近の若い才能を持つ英国人のようであり、彼はスコットランド出身である。統計家のジョン・ムルケンが指摘するように、現在のトップ3のスコットランド人(スコットランド出身のワイトマン、クリス・オヘア、NCAAチャンピオンのジョッシュ・カー)はエディンバラの同じクラブに所属している。 【オヘア (B.A.A=ボストン)とカー (ニューメキシコ大学)は現在、アメリカに拠点を置いている】540万人の国 (スコットランド)でわずか50万人未満の都市 (エディンバラ)も悪くはない。
ジュニア男子マイル
ジュニア男子ドリームマイル:16歳のヤコブ・イングブリングセンが再びやってのけた。マイル4分切りの3:56.29!!
3週間前、ノルウェー人で16歳のヤコブ・イングブリングセンはプレフォンティン・クラシック (ユージーンDL)のマイルで3:58.07を記録し、史上最年少でマイルのサブ4を達成し世界を驚かせた。レース後、イングブリングセンは「もっと速くなりたい、また、このオスロのホームグラウンドでレースをしたい」と今夜のレースへの出場を望んだが、歓喜の渦に満たされたノルウェーのファン達の後押しを得て、3:56.29で走り、16歳の男子マイルの世界記録を破った。
彼の為に用意されたペーサー達は800mを1:58.90、1200mを2:58.63で通過した。ケニアのキプロノがイングブリングセンの前でレースを進めたが、900mからイングブリングセンが先手を取り、そのまま先頭でゴール。3:56.29のタイムとともに最後は歓喜のホームストレートを駆け抜けた。
1 NOR INGEBRIGTSEN Jakob 3:56.29 PB 2 MAR AKANKAM Hicham 3:57.66 3 MAR BEN ZAHRA Abdelkarim 3:58.58 4 KEN KIPRONO Brimin 4:00.70 5 NOR JEFFERSON BYRKJELAND Thomas 4:00.87 6 BEL van de VELDE Tim 4:05.11 7 NOR IRGENS Henrik 4:07.25 8 BEL SISK Pieter 4:08.01 9 NOR JUVEN Sondre 4:08.64 10 NOR SANDVIK Fredrik 4:13.67
イングブリングセン(2000年9月19日生まれ)は、わずか16歳、269日でマイル3:56.29を達成した。昨年、アメリカの高校生だったアンドリュー・ハンターが18歳、168日で達成したマイル3:57.81よりも速く、そして若い。
【レースのラップ】
409m:60.1
809m:60.8(2:00.9)
1209m:59.4(3:00.3)
マイル:56.0
女子800m
リオオリンピック女子800m金メダリストで南アフリカのキャスター・セメンヤが公式レース25連勝を達成 (予選のレースを含む)。
1 Semenya , Caster RSA 1:57.59 2 Niyonsaba , Francine BDI 1:58.18 3 Wambui , Margaret Nyairera KEN 1:59.17 4 Lindh , Lovisa SWE 1:59.23 5 Bishop , Melissa CAN 1:59.89 6 Hinriksdóttir , Aníta ISL 2:00.05 7 Almanza , Rose Mary CUB 2:00.34 8 Sharp , Lynsey GBR 2:00.41 9 Hynne , Hedda NOR 2:01.05 10 Sum , Eunice Jepkoech KEN 2:03.04 11 Eykens , Renée BEL 2:03.23 Verstegen , Sanne NED DNF
女子3000mSC
ケニア出身でバーレーンの17歳のウィンフレッド・ヤヴィがペーサーを務めるなか、彼女は最初の水濠を飛越せずにそのままコーナーを走ってしまった(動画2分32秒あたりから)。
彼女はそのまま水濠に戻ったが、後方を走っていたロンドンオリンピック女子3000mSC銀メダリストでエチオピアのソフィア・アセファと衝突し、アセファは水濠をうまく飛越出来ず、水に浸かってしまった。
それからアセファは追い上げ、最後は先頭に出たものの、ケニアのノア・ジェルトに僅差で破れた。Schlumpfは9:21.65(9:26.86の記録を破り)スイス記録で3位。 Schlumpfは今年、10k(32:10)とハーフマラソン(70:17)でスイス記録を樹立している。アルバニアのLuiza Gegaも9:26.05のアルバニア記録で5位に入った。
1 Tanui , Norah Jeruto KEN 9:17.27 2 Assefa , Sofia ETH 9:17.34 3 Schlumpf , Fabienne SUI 9:21.65 4 Kirui , Purity Cherotich KEN 9:25.82 5 Gega , Luiza ALB 9:26.05 6 Jepkemei , Daisy KEN 9:28.88 7 Chepkemoi , Joan KEN 9:31.84 8 Getent , Tigest BRN 9:33.10 9 Møller , Anna Emilie DEN 9:34.30 10 Chemutai , Peruth UGA 9:47.90 Krause , Gesa Felicitas GER DNF Yavi , Winfred Mutile BRN DNF Grøvdal , Karoline Bjerkeli NOR DNS
オスロDLレッツラン記事
ピンバック: バウハウス・ガラ (ストックホルムDL) 結果 – 男子100mで9.69 (+4.8)、男子1500mで今季世界最高記録 – LetsRun.com Japan
ピンバック: ノルウェーのヤコブ・イングブリングセン(2000年9月19日生まれの16歳)が、自身初の3000mSCに出場し、8:26.81!! – LetsRun.com Japan