先週末のピックアップ – ファラー、ジャマイカでの3000m、NCAAへの留学生についての考察、45歳のイケてるオジサン、川内優輝の発言など

①モー・ファラーがEamonn Coghlanよりも手前でガッツポーズ

1983年の世界選手権の男子5000mの決勝で、Eammon Coghlanはゴール160m手前 (4840m)からガッツポーズを見せた (動画7分37秒あたりから)。このような大きなレースでホームストレートに入る前からガッツポーズを見せる例は極めて少ない。

先週末行われた、ジャマイカのキングストンでのJNレーサーズグランプリの男子3000mでモー・ファラーがゴールの230m手前 (2570m)からガッツポーズをした (動画7分04秒あたりから)。ゴールまでに4回はガッツポーツをして、最後はいつものモボットポーズで締めた。

 Jamaica National Championship Meet 
                   JN/Racers Grand Prix - 6/10/2017                    
                           National Stadium                            
 
Event 24  Men 3000 Meter Run
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    Name                    Year Team                    Finals  Points
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Finals                                                                 
  1 Farah, MO                    GBR                    7:41.20        
  2 Tierman, Pat                 Australia              7:41.62        
  3 Campbell, Kemoy              Jamaica                7:41.87        
  4 Cheboi, Collins              Kenya                  7:44.24        
  5 Chepseba, Nixon              Kenya                  7:50.55        
  6 Barkach, Alfred              Kenya                  7:50.65        
  7 Hunter, Rory                 USA                    7:58.34        
  8 McNamara, Jordan             USA                    7:59.39        
  9 McEntee, Sam                 Australia              8:00.85        
 -- Smith, Devan                 Jamaica                    DNF        
 -- Green, Taleeto               Jamaica                    DNF        
 -- Abdi, Bashir                 Belguim                    DNF        
 -- Bailey, Ainsworth            Jamaica                    DNF

モー・ファラーが7:41.20で順当勝ち。オーストラリア人のパトリック・ティアナンが2位。地元ジャマイカのケモイ・キャンベル (ケンブリッジ飛鳥にそっくりである…!)がジャマイカ記録の7:41.87で3位に入った。

※参考 モー・ファラーが撮影したJNレーサーズグランプリの様子

②エドワード・チェセレク不在の全米大学屋外選手権の考察

55秒14 – 今年の全米大学屋外選手権男子10000mを29:01.54で優勝したタルサ大学のマーク・スコット (イギリス人)の最後の1周のラップ。

53秒17 – エドワード・チェセレク (ケニア人)が1年生の時の全米大学屋外選手権男子10000mを28:30.18で優勝した時の最後の1周のラップ (ラスト200mは24秒8)。

55秒76 – 今年の全米大学屋外選手権男子5000mを14:35.60で優勝したスタンフォード大学のグラント・フィッシャー (カナダ生まれのアメリカ人)の最後の1周のラップ。

53秒89 – エドワード・チェセレク (ケニア人)が4年生の時の全米大学室内選手権男子5000mを13:41.20で優勝した時の最後の1周のラップ

故障のため全米大学屋外選手権に出場出来なかったオレゴン大学のエドワード・チェセレクが、もし問題なく全米大学屋外選手権に出場していたなら、このスローペースの5000m、10000mにおいて優勝していただろう。

(全米大学屋外選手権のときに)チェセレクがESPN (アメリカのスポーツチャンネル)になぜ映らなかったかを教えてくれることが出来ますか?

アメフトのスター選手が故障で試合に出場していなかった場合、その選手を試合中にテレビで何回も見ることが出来る (例えばサッカーの国際試合などで累積警告で試合に出場出来ない選手をテレビがちらちらと映すように)だろう。

③過去10年間の外国人選手の中長距離NCAAチャンピオンの統計

先週の全米大学屋外選手権の男子の中長距離種目のすべての種目 (800m, 1500m, 5000m, 10000m ,3000mSC)で外国人選手 (アメリカ以外の国で生まれた)が優勝した。過去10年間の外国人選手の中長距離NCAAチャンピオンの統計は以下である。

男子

800m4人、1500m2人、3000mSC6人、5000m8人、10000m9人

女子

800m2人、1500m8人、3000mSC0人、5000m3人、10000m4人

※参考

今年の全米大学屋外陸上選手権の男子の中長距離種目で優勝した選手の国籍

800m:ケニア1500m:イギリス 5000m:アメリカ(カナダ生まれ) 10000m:イギリス 3000mSC:ケニア

今年の全米大学屋外陸上選手権男子5000mの上位選手の国籍

1位アメリカ(カナダ生まれ) 2位オーストラリア 3位カナダ 4位イギリス 5位ケニア 6位オーストラリア

(多くの数を占めるアメリカ生まれのアメリカ人選手が強くないのではなくて、他の国のトップ選手がアメリカに留学している。 また、アメリカの超トップクラスの選手は既にプロになっていてNCAAのフィールドにいないことも影響しているだろう。)

④モリー・ハドルのロンドン世界選手権での10000mのメダル獲得へ向けて期待が持てる

先週のヘンゲロでの10000mや、3月の世界クロカン、ダイヤモンドリーグの成績を見るところ、モリー・ハドル (10000mPB30分13秒=アメリカ記録)のロンドン世界選手権の女子10000mでのメダル獲得への期待は高いままだ。

リオオリンピック女子10000mで優勝したエチオピアのアルマズ・アヤナは4月に故障し、上海DLとローマDLを欠場した。オランダのスポーツ・マネジメント会社のグローバル・スポーツのマネージャーで、アヤナのマネージャーを手がけるヨス・ヘルメンスによると、「モナコDL復帰し、ロンドン世界選手権に向けて調整する」とのことである。

昨年のリオオリンピック女子10000mでハドルに勝利した5人の状況は以下。

1位 アルマズ・アヤナ (エチオピア) 29:17.4 (世界記録、アフリカ記録、エチオピア記録) – 故障によりほぼ1年弱レースに出場していない
2位 ヴィヴィアン・チェリヨット (ケニア) 29:32.5 (ケニア記録)  – マラソンに転向(ロンドンマラソンで初マラソン2時間23分)
3位 ティルネッシュ・ディババ (エチオピア) 29:42.6 – マラソンに転向(ロンドンマラソンで2時間17分56秒=エチオピア記録)
4位 アリス・ナワウナ (ケニア) 29:53.5 – 好調をキープ – 世界クロカン2位、先週のケニアン・チャンプス(ケニア選手権ではないレース)を31分50秒で優勝 (標高2000m超の高地)
5位 ベッツィー・サイナ (ケニア) 30:07.8 – 先週のNYRRニューヨーク・ミニ10kmで33:15で7位

チェリヨットとディババはロンドン世界選手権の女子10000mに出場しない。

⑤45歳のイケてるオジサン

麻薬の売人からアスリートに更正したケビン・カスティールは先週、45歳の男子5000mの世界記録を更新した。カスティールはアメリカのテネシー州ナッシュビルで開催されたミュージックシティ・ディスタンス・カーニバル(テネシーはレコード会社が多くあるのでミュージック・シティと呼ばれる)の5000mを14:11.09で走り、Said Boudaliaの持つ14:21.77という45歳の世界最高記録を破った。

我々が、昨年のリオオリンピック男子5000mでバーナード・ラガトが41歳で13:06.72で走ったことを思い出すまで、45歳のカスティールが記録した14:11.09の記録が心を揺さぶっていた。

 

⑥日本人選手は2020年東京オリンピックに固執しすぎていないか?

“誰もが皆、東京オリンピックのことを重要視しているわけではない”

「誰もが、東京オリンピックに固執しているのを不思議に思う。 人々は様々な年齢で異なっていて、30代後半のランナーは3年後には40代になり、東京オリンピックを目指す高校生は大学生となる。私たちは“東京オリンピックを目指す以外の選択肢がない”という戦時中のような感じの雰囲気や環境が好きにはなれない。」

「東京オリンピックとだけ呼ばれるだけの理由がある。誰もがその方向に進まなければならなくなり、それに背いた人が「裏切り者だ!」と言われるような風潮や雰囲気が嫌いだ。選手自身は3年後の2020年の東京オリンピックではなくて、今現在にもっと集中すべきである。」

という川内優輝自身の信念を述べている。

レッツラン記事

http://www.letsrun.com/news/2017/06/wtw-mo-farah-celebrates-really-early-edward-cheserek-dominates-virtually-molly-huddles-medal-chances-go-evan-jagers-go/

 

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